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渉太の過去
9-2
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扉の隙間から中を覗くと一人の男子生徒が気持ちよさそうにピアノを弾いていた。
てっきり律の曲だから女の人が弾いているのだと思っていたから驚いた。
律のファンは男の人もいるが女の子が大半だから……。この人は律が好きなんだろうか……。
ギターサウンドの曲だがピアノのメロディで聴くと繊細さが引き立っていい。
気づいたら外で鑑賞するのは飽き足らずに中まで入っていた。演奏が終わり、向こうがこちらの視線に気がついたのか、目が合う。
「誰?」とでも訴えているかのように切れ長の目が此方を見ていた。先程まで彼の演奏に惹かれ聴いていたのが、突然現実に戻されたように、気まずい。
「あ、俺。律が好きだから·····つい。凄いなーって」
「ああ」
「その曲ギターサウンドだからピアノだと印象変わるなって·····」
自信満々なのか、単純に自分に興味がないのか、話しかけても素っ気のない返事。それどころか、黙って聴いていたのが鬱陶しかったのか譜面を閉じては音楽室を出て行ってしまった。
てっきり律の曲だから女の人が弾いているのだと思っていたから驚いた。
律のファンは男の人もいるが女の子が大半だから……。この人は律が好きなんだろうか……。
ギターサウンドの曲だがピアノのメロディで聴くと繊細さが引き立っていい。
気づいたら外で鑑賞するのは飽き足らずに中まで入っていた。演奏が終わり、向こうがこちらの視線に気がついたのか、目が合う。
「誰?」とでも訴えているかのように切れ長の目が此方を見ていた。先程まで彼の演奏に惹かれ聴いていたのが、突然現実に戻されたように、気まずい。
「あ、俺。律が好きだから·····つい。凄いなーって」
「ああ」
「その曲ギターサウンドだからピアノだと印象変わるなって·····」
自信満々なのか、単純に自分に興味がないのか、話しかけても素っ気のない返事。それどころか、黙って聴いていたのが鬱陶しかったのか譜面を閉じては音楽室を出て行ってしまった。
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