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ファンであること
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「お腹減ったでしょ?ここのホットサンド美味いんだけど渉太も食べる?」
重たい空気が漂う中、空気を変えようと先手を打ってきたのは律仁さんだった。
勿論お腹は空いているが、どこで見られているかも分からない周りの目が気になり、断ろうと思った。
しかし、折角勧められてているものを店主の前で断るのも、端から露骨な態度をとるのも、大人げないような気がして、渉太は黙って頷いた。
律仁さんとはちゃんと話した方がいいから、
ひとまず空腹を埋めて冷静に話が出来るように気持ちを落ち着かせる。
律仁さんはそんな自分を見てはホッと息を漏らすと座席を立ち上がって、カウンターへと向かってしまった。
1人残された座席でカウンターの様子を眺める。律仁さんはカウンターに向かうなり、珈琲を淹れている店主に声を掛けると何か会話をしているようだった。
律仁さんの馴染みの場所なんだろうか……。
自然な柔らかい笑顔を見せている律仁さんに不覚にもドキッっとした。
眼鏡と帽子があるのとないのとじゃ全く印象が変わるのかと驚くくらい、コンビニにいた時の芸能人オーラは何処へと言った感じのフラットな姿。
今自分が見ている人が、律だなんて信じられないくらい、いつもの律仁さんだった。
店の雰囲気もあるが、いつもの律仁さんに安堵し、少し緊張が解れて冷静さを取り戻しつつあるところで、程なくして律仁さんが戻ってくる。
「大丈夫なんですか?こんな所で堂々と……」
「大丈夫、マスターは顔馴染みだから俺のこと騒ぎ立てたりしないよ。奇遇でしょ?渉太のバイト先の近くにあるなんて。稽古とか仕事で行き詰まったとき此処に来たりしてるんだよね」
律仁さんが行きつけの珈琲店。
言わば律が公にしていないであろう行きつけの場所。それを知れて嬉しいような、ファンとして知ってはいけないような複雑な気持ちになる。
僅かな沈黙の後、律仁さんは唐突に帽子を脱ぐと「渉太。今更だけど隠しててごめん……」と両膝に手を置いて、律仁さんが深々と頭を下げてきた。
隠されていたことはショックだったけど怒っていないだけに、渉太は慌てて「ショックでしたけど怒ってはいないので…顔を上げてください」と微かに震える旋毛に声をかける。
何より好き人に頭を下げられるなんて、見ていていい気分がするものじゃないし、そんなことさせたくない気持ちの方が大きかった。
重たい空気が漂う中、空気を変えようと先手を打ってきたのは律仁さんだった。
勿論お腹は空いているが、どこで見られているかも分からない周りの目が気になり、断ろうと思った。
しかし、折角勧められてているものを店主の前で断るのも、端から露骨な態度をとるのも、大人げないような気がして、渉太は黙って頷いた。
律仁さんとはちゃんと話した方がいいから、
ひとまず空腹を埋めて冷静に話が出来るように気持ちを落ち着かせる。
律仁さんはそんな自分を見てはホッと息を漏らすと座席を立ち上がって、カウンターへと向かってしまった。
1人残された座席でカウンターの様子を眺める。律仁さんはカウンターに向かうなり、珈琲を淹れている店主に声を掛けると何か会話をしているようだった。
律仁さんの馴染みの場所なんだろうか……。
自然な柔らかい笑顔を見せている律仁さんに不覚にもドキッっとした。
眼鏡と帽子があるのとないのとじゃ全く印象が変わるのかと驚くくらい、コンビニにいた時の芸能人オーラは何処へと言った感じのフラットな姿。
今自分が見ている人が、律だなんて信じられないくらい、いつもの律仁さんだった。
店の雰囲気もあるが、いつもの律仁さんに安堵し、少し緊張が解れて冷静さを取り戻しつつあるところで、程なくして律仁さんが戻ってくる。
「大丈夫なんですか?こんな所で堂々と……」
「大丈夫、マスターは顔馴染みだから俺のこと騒ぎ立てたりしないよ。奇遇でしょ?渉太のバイト先の近くにあるなんて。稽古とか仕事で行き詰まったとき此処に来たりしてるんだよね」
律仁さんが行きつけの珈琲店。
言わば律が公にしていないであろう行きつけの場所。それを知れて嬉しいような、ファンとして知ってはいけないような複雑な気持ちになる。
僅かな沈黙の後、律仁さんは唐突に帽子を脱ぐと「渉太。今更だけど隠しててごめん……」と両膝に手を置いて、律仁さんが深々と頭を下げてきた。
隠されていたことはショックだったけど怒っていないだけに、渉太は慌てて「ショックでしたけど怒ってはいないので…顔を上げてください」と微かに震える旋毛に声をかける。
何より好き人に頭を下げられるなんて、見ていていい気分がするものじゃないし、そんなことさせたくない気持ちの方が大きかった。
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