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返ってきたジャージと彼の香り
返ってきたジャージと彼の香り 3-4
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後日保健室へ向かうと自分のジャージが戻ってきていた。ジャージを手を取ったときほんのりと洗剤の香りがしたのは態々洗濯をしたのだろう。
今まで西田も含め自分の傍にいる女性は香水を付けたがるのか甘ったるかったり、鼻を突くようなキツい匂いだったりする。
普段は私物を貸してもその匂いが私物に移ってしまい、あまりいい気はしないから闇雲に私物を貸すという行為はしたくなかった。
しかし、今回は鼻につかない清潔な匂いで返ってきた。シンプルなその香りに自然と表情が綻んでいる自分がいた。
あからさまに、ニヤケていると分かったのか西田に「珍しく亨が笑ってるー」などと茶化されては急に恥ずかしくなり、白を切って出て行ったのは今朝の話。
綻んだからと言って男のことをどうも思わないが悪い気はしなかった。
現在は放課後、いつもの様に西田に再び待つようにせがまれたが待つ気など微塵もない。
保健室をそのままスルーして玄関先へと向かおうとしてた。
「亨。待って」
そんな亨の気持ちも知らずして、背後から女の甲高い超えがしてヒールの音と共に此方へと近づいてくるのが分かる。
内心「しまった·····」と思いながらも振り返ると案の定、西田がそこにいた。
「待っててって言ったじゃない。でも今日は捕まえた」
西田は右腕に抱きついてくるなり、態とらしく胸元を腕に押し付けてくる。
こんな公の場で他の教師にでも見つかったら只事じゃ済まされないだろうなと思いながらも亨は深く溜息をついた。
西田に捕まったら最後なだけに、ここで断ると彼女の機嫌を損ねかねないので、西田が腕を引っ張って行くままに着いて行く。
連れていかれたのは何時もの保健室で、中に入ると先約がいた。
今まで西田も含め自分の傍にいる女性は香水を付けたがるのか甘ったるかったり、鼻を突くようなキツい匂いだったりする。
普段は私物を貸してもその匂いが私物に移ってしまい、あまりいい気はしないから闇雲に私物を貸すという行為はしたくなかった。
しかし、今回は鼻につかない清潔な匂いで返ってきた。シンプルなその香りに自然と表情が綻んでいる自分がいた。
あからさまに、ニヤケていると分かったのか西田に「珍しく亨が笑ってるー」などと茶化されては急に恥ずかしくなり、白を切って出て行ったのは今朝の話。
綻んだからと言って男のことをどうも思わないが悪い気はしなかった。
現在は放課後、いつもの様に西田に再び待つようにせがまれたが待つ気など微塵もない。
保健室をそのままスルーして玄関先へと向かおうとしてた。
「亨。待って」
そんな亨の気持ちも知らずして、背後から女の甲高い超えがしてヒールの音と共に此方へと近づいてくるのが分かる。
内心「しまった·····」と思いながらも振り返ると案の定、西田がそこにいた。
「待っててって言ったじゃない。でも今日は捕まえた」
西田は右腕に抱きついてくるなり、態とらしく胸元を腕に押し付けてくる。
こんな公の場で他の教師にでも見つかったら只事じゃ済まされないだろうなと思いながらも亨は深く溜息をついた。
西田に捕まったら最後なだけに、ここで断ると彼女の機嫌を損ねかねないので、西田が腕を引っ張って行くままに着いて行く。
連れていかれたのは何時もの保健室で、中に入ると先約がいた。
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