Broken Flower

なめめ

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Broken Flower2

Broken Flower2 ⑧

単に養護教諭と生徒が恋人であって世間一般の禁忌を犯していたとしてもお互いに惹かれ合ったもの同士なら納得はできた。

納得が出来なかったのは、その教諭のことを本気で好きではなかったと目の前の男が言ってきたことだ。そのくせ自分には本気で好きだと言ってきたことが理解できない。

本気で惹かれたから付き合っていたのでは無いのだろうか。そんなの相手に対して不誠実だ。それで苦しむ人だっているのに……。
そんな男の言葉を易々と信用出来るわけがない。

「やっぱり貴方は僕を冷やかしに来たんですか」

「えっ、ち、違うっ」

「どうして貴方と慎文さんが仲良くなったのかは知らないですけど、慎文さんを巻き込んで貴方は何がしたいんですか。僕に仕返しでもしたいんですか?」

「仕返しだなんて……違うっ……違くて……俺はただ本当に……」

首を振って涙目になりながら訴えてきている亨に同情なんかで心を許してはいけない。
少しでも弱みにつけ込まれる訳にはいかない。

「葵くん、戻ったよ」

丁度いいタイミングで慎文さんが帰ってきたところで、葵は即座に亨の元を離れると慎文さんの元へ駆け寄る。やはりこの男とワンツーマンになるべきではなかった。私情を持ち込まれるなんて迷惑極まりない。

「慎文さん、やっぱり塩谷さんはどうしても気の許した慎文さんに教えてもらいたいみたいなので交代して貰えますか?」

「えっ……別にいいけど、なんかあった?」
「いいえ、特には」

状況の飲み込めていない慎文さんに無理矢理、押し付けるのは大人として失格だと分かっていても、葵にとってあの男と関わるのは苦痛で仕方なかった。

慎文さんに丸投げして作業台でひとり黙々と仕事をしている途中も亨に視線を向けられている気がしたが、葵は気づかない振りをしてやり過ごしていた。
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