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許すこころ
許すこころ⑤
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「葵くん、今日はありがとう」
この数時間だけ過ごした仲ではあるが、和幸さんの人の良さを知った。
「あ、いいえ·····」
「花束も君と、あそこの亨くんが組んでくれたんだろ?」
和幸が少し離れた玄関扉前の亨に視線を送ると亨はそれに気づいて一礼する。
「はい·····慎文さんと和幸さんがいつまでも一緒でいられるようにって·····あの、和幸さん。ひとつ聞いていいですか?」
「どうして·····慎文さんを許すことが出来たんですか。慎文さんが過去に和幸さんに酷いことをしたって言っていたから·····」
「んーどうしてかな。慎文とは幼なじみだったってのもあるだろうけど·····間違っていたとしてもそれは俺が好きで堪らなかったからだと思ったら、アイツの純粋さが可愛く思えたからかな·····。本気で許せなかったけど、何よりこんなに誰かに好かれることなんてなかったから気づいたら絆されてたのかもな」
少し照れているのかハニカミ笑顔で答えてくれた和幸さんからは幸せオーラが出ている。
「ほぼ初対面のおじさんの惚気話聞かせてごめんね。じゃあ元気でね」
「はい、慎文さんにもよろしくお願いします」
照れを隠すように颯爽と運転席へと乗り込むと窓から手を振り、車を走らせ、行ってしまった。ふと亨に視線を向けるとすぐに逸らされてしまう。
自分に視線を向けてくる癖にすぐに逸らしてくる男。かと思えば強引に映画に誘ってきて、よく分からない男だった。
きっと亨には今の会話は聞かれていないだろうが、やっぱり二人きりでいるのは葵にとって居心地がいいものでは無い。
「葵、俺も、このまま帰るよ。今日は楽しかった……映画の返事は急がないから、悪くてもいいから返事くれると嬉しい……です」
ゆっくり近づいてきた亨はそれだけ葵に言い残すと車が走って行った方向へと曲がっていった。未だ確信のない亨の嘘か本当かも分からない好意を自分はどう受け止めていけばいいのだろうか。まだ一週間の期限がある亨からの誘い。
もし彼が本気であれば誘いを受けることは期待をさせる。嘘であれば真面に受け取った自分が傷つくだけ。
きっと僕はもう一度彼のことを好きになることなんてないのだろうから……。
この数時間だけ過ごした仲ではあるが、和幸さんの人の良さを知った。
「あ、いいえ·····」
「花束も君と、あそこの亨くんが組んでくれたんだろ?」
和幸が少し離れた玄関扉前の亨に視線を送ると亨はそれに気づいて一礼する。
「はい·····慎文さんと和幸さんがいつまでも一緒でいられるようにって·····あの、和幸さん。ひとつ聞いていいですか?」
「どうして·····慎文さんを許すことが出来たんですか。慎文さんが過去に和幸さんに酷いことをしたって言っていたから·····」
「んーどうしてかな。慎文とは幼なじみだったってのもあるだろうけど·····間違っていたとしてもそれは俺が好きで堪らなかったからだと思ったら、アイツの純粋さが可愛く思えたからかな·····。本気で許せなかったけど、何よりこんなに誰かに好かれることなんてなかったから気づいたら絆されてたのかもな」
少し照れているのかハニカミ笑顔で答えてくれた和幸さんからは幸せオーラが出ている。
「ほぼ初対面のおじさんの惚気話聞かせてごめんね。じゃあ元気でね」
「はい、慎文さんにもよろしくお願いします」
照れを隠すように颯爽と運転席へと乗り込むと窓から手を振り、車を走らせ、行ってしまった。ふと亨に視線を向けるとすぐに逸らされてしまう。
自分に視線を向けてくる癖にすぐに逸らしてくる男。かと思えば強引に映画に誘ってきて、よく分からない男だった。
きっと亨には今の会話は聞かれていないだろうが、やっぱり二人きりでいるのは葵にとって居心地がいいものでは無い。
「葵、俺も、このまま帰るよ。今日は楽しかった……映画の返事は急がないから、悪くてもいいから返事くれると嬉しい……です」
ゆっくり近づいてきた亨はそれだけ葵に言い残すと車が走って行った方向へと曲がっていった。未だ確信のない亨の嘘か本当かも分からない好意を自分はどう受け止めていけばいいのだろうか。まだ一週間の期限がある亨からの誘い。
もし彼が本気であれば誘いを受けることは期待をさせる。嘘であれば真面に受け取った自分が傷つくだけ。
きっと僕はもう一度彼のことを好きになることなんてないのだろうから……。
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