レンズ越しの彼は……

なめめ

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無意識の恋心

無意識の恋心③

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「そんな驚かなくていいだろっ」

「ごめん、そんなつもりじゃ……」

 旭はカメラを下げると、小上がりに腰を預けて座った遼人に視線を向ける。

「何それ?買ったの」
「あーうん。今日の午前中、部活の先輩と念願のカメラ買いに行ってたんだ。お腹空いたから、ついでに遼にも自慢したくて」
「ふーん」

 カメラを掲げて笑顔で報告したが、興味ないのか遼人の返事は素気なかった。

そっぽを向いて口を尖らしている遼人が心なしか不機嫌なようにも見える。
反応は分かりきっていたが、旭はそんな彼の反応が面白くなくて遼人に向かってカメラを構えシャッターを切る。
 カシャっとシャッター音が鳴った途端に、遼人が目を丸くしてこっちを振り向いてきた。

「お前、今撮った⁉」
「うん、撮った。遼の不機嫌顔」

 撮った写真を見返すと、いつも見る遼人の仏頂面が面白くて、旭は思わず笑った。

「はぁ⁉ありえねぇ。見せろよ」
「ダメ、買ったばっかだし。一枚目が遼の仏頂面は不本意だけど、これはこれでいいから取っとく」
手を伸ばしてカメラを奪い取ろうとする遼人を避けて、電源を落とすと、カメラを急いで箱に仕舞った。

「さいあく……」

 頭のタオルを取って、ボサボサの髪の毛を掻きむしる遼人が苛立っていることがよく分かる。
すると、丁度良く小母さんから「遼人くん、ラーメンできたから運んで」と声が聞こえてきて、遼人は舌打ちをすると気だるそうに厨房の方へと向かって行った。

遼人が旭の元へとおぼんに出来たて
のラーメンとチャーハンを乗せて、持ってくる。靴を脱いで小上がりに上がってくるとテーブルにそれらを置いた。
 旭は「ありがとう」と遼人に向かって御礼を言うと、遼人は「どういたしまして」とそっぽを向いては、向かい側の座布団に座った。

 

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