底辺ダンジョン配信者 呪いの装備で美少女になる~リ美肉おじさんの快進撃~

チョーカ-

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第1話 プロローグ

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 俺、緋炎ヒカリは夢を見ていた。

 どうして夢ってわかるか……だって? それは、今まで何度も見てきた夢————いや、過去の記憶が夢として再現される。そう言った方が正確かな?

 まだ子供だった俺。 10年以上前かな?

 周囲は真っ白な煙に包まれ、炎の熱さが襲い掛かる。

 夢なのに、煙と熱さは妙にリアルだ。

「お兄ちゃん! お兄ちゃん!」と妹が泣いている。 俺は妹を庇うように抱き寄せ、

「大丈夫だから、絶対に助けが来るからな」

 励ましながら、妹の『黒髪』を撫でる。でも、本当はわかっている。

(逃げ場はない。 じゃ、助けも来ない?)

 俺ができる事は、神様に祈る事だけだった。

(神様、どうか……ぼくはどうなってもいいので、妹だけは助けてください!)

 その直後だった。 いつの間にか人が立っていた。 音も、気配もなく……

「待たせたな、坊主。よく頑張った」

「えっと……おじさん、もしかして死神さんですか?」

 その時の俺は、そう聞いた。 火事の中で平然と立っている人が人間だとは思えなかったからだ。 それに、おじさんは……人間らしくなった。

「お、おじさんだって!? 俺はおじさんじゃない。ついでに死神なんて上等なもんじゃねぇよ」

「それじゃ、おじさんは誰ですか?」

「おじさんじゃねぇって……まぁいいや」とおじさんは、笑った。

「坊主の両親に頼まれたんだよ。火事の家に残された子供を助けてくれってな」

「よっ!」とおじさんは、俺と妹を抱き抱えると……

「しっかり捕まってろ。ここからは手荒く――――飛ぶぜ?」

「飛ぶ?」って聞き返すと、おじさんは部屋の壁を蹴った。

 それだけだ。 蹴っただけ。

 それで壁が爆発したように吹き飛んだ。。

 その時、俺はおじさんが言った「飛ぶ」の意味がわかった。

 ここはマンション。 部屋のある階層は確か……少なくとも5階以上だったはず。

 そこをおじさんは、俺と妹を抱き抱えたまま――――飛んだ。

・・・

・・・・・

・・・・・・・・・

「――――さん、起きてください。 兄さん!」

「ん?」と俺は目を覚ました。 

「ようやく起きましたね。全く、お寝坊さんなんだから!」

 目に飛び込んできたのは、綺麗な『蒼い目』と『金髪』だった。

 どうやら、妹のアオイだ。 

 緋炎アオイ

 「あぁ、すまない」と俺は枕元のスマホに手を伸ばす。

 時間は朝7時。 目覚ましは5時にセットしていたはずだったが、どうやら、寝ぼけて止めたらしい。

「朝ごはんは用意できてますからね」とアオイは部屋を出ていく。

「さて……」と俺は体を起こして、カーテンを開けた。

 窓の外。 

 高層ビルが連なる都会の光景。 

 それ以上に大きな建築物、ダンジョンがそこにあった。

 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 今から15年以上前の話だ。 ある日、突然……それこそ、何の前触れもなく、日本の街中にダンジョンが出現した。

 ダンジョン――――ファンタジーを舞台にした漫画やゲームで登場するアレだ。

 その中には、神話に登場するような生物がいた。 架空の怪物であるモンスターが当たり前の顔をして闊歩していたのだ。

 ダンジョンが出現直後こそ、自衛隊や警察、レスキュー隊などの専門家による調査が行われた。

 その結果、内部には豊富な希少金属《レアメタル》を発見。

 さらに、進化の過程にそぐわない謎の植物。 魔法(としか思えない)の未知の力。

 明らかに人間が作ったと思われる異形の武器。

 要するに、宝の山だった。 しかし、ここでストップが入る。

 高度に政治的な介入ってやつだ。 未知の資源を日本が独占する事に、諸外国から強くクレームが発生。

「調査チームは国営ではなく民間の手で行うべき」

 各国々は日本にある外資系企業に多額の投資。 直接的ではないものの間接的にダンジョン調査に乗り出してきたのだ。

 しかし、それは悪手だった。

『それでは、皆さん! ダンジョン探索を国家指導の元ではなく、自由にしてください!』 
 

 そう宣言するば何が起きるのか? 

 ダンジョン探索で成果を上げたのは、自国をスポンサーとする外資系企業の調査チーム……ではなかった。

 最初に、カメラを片手にダンジョンを駆け抜けて行ってのは、配信者たち。

 当時、ニコ生主やyoutuberと言われていた人達が、ダンジョン探索に乗り出した。

 未知の怪物モンスターとの戦い。 時には謎を解き、魔法を習得していく。

 そして、眩いほどに輝くお宝の発見。

 世界は、瞬く間に彼等の配信に熱狂した。

 そう――――

 ダンジョン配信者の誕生である。


「よし、行くか!」 

 ダンジョンの前にある検問を通り過ぎた俺。 

 リュックからカメラを取り出す。

 カメラ――――どう見てもドローン。それもPhantomファントム系に見える。

 実は、ダンジョンの技術が使われている。 ぶっちゃけ、捕獲されたゴーレムを転用されている使い魔の部類。

 音もなく、宙に浮きあがると、

『おはようございます、ご主人さま。 撮影を開始しますか?』  

 もちろん、俺は――――

「撮影を頼む」と答えた。
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