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第2章
第76話 滝隠れダンジョンとトレントとの再戦 その②
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巨大なワニが有するのは、その圧倒的な体躯。ドラゴンにもよく似た凶暴な姿で迫り来る。
ヌメヌメ、テカテカとした鱗。
その鱗に覆われた体は、暗闇に覆われたダンジョンの僅かな光源――――ユウトの松明を反射。
その輝きがまるで炎を纏ったかのように見えた。
ユウトは身を震わせる。それは、恐怖から来るものではなく武者震い――――戦闘による猛りから来る震えだ。
間近で見るのは、巨大ワニの恐ろしい口と鋭い牙。
それを自分に向けられる事実――――恐怖に目を奪われる。
(この巨大な魔物との接触戦闘は避けた方が賢明。 だが、俺は孤高特化型魔法使い――――俺が戦う間合いも接近戦だ!)
彼は深呼吸をし、周囲の魔素を感じる。
外部から魔素を取り入れ、魔力を強化していくユウト。
先に動くのは、巨大ワニの方だ。 巨大な体躯から振るわれたのは巨大な尻尾。
(防御は通じない。だが、回避は――――可能だ!)
尻尾が叩き込まれる直前、ユウトは素早く動きを開始した。
高き飛び上がり回避。 それと同時にユウトは魔力を具現化させる。
「炎の魔法が通用しないなら、具現化した魔剣として使わせてもらうぜ――――『炎剣《イグニスグラディウス》』」
彼の手には煌めく魔法の剣――――炎の魔剣が現れ、瞬く間に巨大ワニの頭部に向かって斬り下ろされる。
剣は鋭い刃がワニの鱗に突き刺さり、痛みを与えれたのだろう。
「GUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!?」とワニは怒りと苦痛に身をよじりながら、反撃を試みる。
驚くべき事に巨大ワニは二足歩行で――――いや、初見ではないユウトは、それほどまでに驚く事はなかったが―――― 二足歩行で襲いかかってくる。
二足歩行。
その巨大な体を支えるため、後ろ足が逞しく発達。前足は長く鋭い爪が備わっている
この姿勢は驚異そのものだと言える。 その攻撃性は、まるで巨大な肉食獣が獲物に襲いかかるかのようだった。
何より――――
(何より、機動力が上がっている! 以前、戦った個体にはなかった特徴だ!)
巨大ワニの動きは素早かった。 素早くユウトに接近すると、前足から鋭い爪を走らせる。
防御。 凄まじい衝撃がユウトを襲い、その体を吹き飛ばす。
しかも、ユウトの盾の大きな爪痕を残していた。
「――――っ!(一撃で、この威力だと? もう一度、盾で受けてたら完全に破壊される!)」
再び、鋭い爪が空気を切り裂き、恐るべき攻撃が放たれてくる。
一度に複数の爪を振り下ろすワニの攻撃に、ユウトは身の軽さと反射神経を駆使して躱し続ける
(この重装備の防具でも、攻撃を食らえば防御ごと俺の体も破壊されてしまう。だが――――隙は十分にある!)
そして、それはきた。
振り下ろされた巨大ワニの爪。 それが極めて短い時間、地面に引っかかり、動きが鈍くなった。
その瞬間狙いを定めていたユウト。 再び、杖に炎を纏わせて魔剣を作ると、斬りかかる。
(へっ……これじゃ、メイヴが言う通り、素直に魔法剣士になった方がよかったかもな。剣の基礎くらいは学んでおけばよかったぜ)
異常な切れ味を生み出す魔剣は、巨大ワニの体に幾つもの傷を刻み込んでいった。
暴れるように振るわれる爪を回避したユウト。 目前には、無防備になっている脇腹がある。
そこを狙って魔剣での刺突を繰り出した。
(手ごたえは――――十分だ。 このまま魔剣を根本まで、押し込んでやる!)
だが、それは巨大ワニの罠だった。 コイツの攻撃手段は爪だけではない。
野太い風切り音と共に、振り回された尻尾がユウトを襲った。
「ぐぁああっ!」と全身がバラバラに砕けるような苦痛。
体は浮き上がり、宙に向かって弾き飛ばされる。
体は建造物――――岩の塊に衝突して、地面に落下した。
痛みと混乱によって、ユウトの体は自身の意思に逆らい始める。
(動かない。回復薬は――――早く!)
震える腕で雑嚢を開く。中にある回復薬はすぐに見つかるもうまく掴めることはできない。
その間に、巨大ワニは近づいていた。
(早く、速く――――間に合え!)
大きな顎を開き、ユウトの体を飲み込まんと迫る一瞬――――
その巨大な口内へ赤い閃光が走り抜けた。
「危ない……間に合ったぜ!」
回復と共に放ったユウトの魔法は、巨大ワニの口内に大きなダメージを与えた。
怒り狂う巨大ワニから放たれる爪や牙の連続攻撃。
一撃で受ければ鎧も盾も破壊されてしまう猛攻。
それを鮮やかに回避するユウトは、隙を見逃さずに反撃に移る。
ヌメヌメ、テカテカとした鱗。
その鱗に覆われた体は、暗闇に覆われたダンジョンの僅かな光源――――ユウトの松明を反射。
その輝きがまるで炎を纏ったかのように見えた。
ユウトは身を震わせる。それは、恐怖から来るものではなく武者震い――――戦闘による猛りから来る震えだ。
間近で見るのは、巨大ワニの恐ろしい口と鋭い牙。
それを自分に向けられる事実――――恐怖に目を奪われる。
(この巨大な魔物との接触戦闘は避けた方が賢明。 だが、俺は孤高特化型魔法使い――――俺が戦う間合いも接近戦だ!)
彼は深呼吸をし、周囲の魔素を感じる。
外部から魔素を取り入れ、魔力を強化していくユウト。
先に動くのは、巨大ワニの方だ。 巨大な体躯から振るわれたのは巨大な尻尾。
(防御は通じない。だが、回避は――――可能だ!)
尻尾が叩き込まれる直前、ユウトは素早く動きを開始した。
高き飛び上がり回避。 それと同時にユウトは魔力を具現化させる。
「炎の魔法が通用しないなら、具現化した魔剣として使わせてもらうぜ――――『炎剣《イグニスグラディウス》』」
彼の手には煌めく魔法の剣――――炎の魔剣が現れ、瞬く間に巨大ワニの頭部に向かって斬り下ろされる。
剣は鋭い刃がワニの鱗に突き刺さり、痛みを与えれたのだろう。
「GUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!?」とワニは怒りと苦痛に身をよじりながら、反撃を試みる。
驚くべき事に巨大ワニは二足歩行で――――いや、初見ではないユウトは、それほどまでに驚く事はなかったが―――― 二足歩行で襲いかかってくる。
二足歩行。
その巨大な体を支えるため、後ろ足が逞しく発達。前足は長く鋭い爪が備わっている
この姿勢は驚異そのものだと言える。 その攻撃性は、まるで巨大な肉食獣が獲物に襲いかかるかのようだった。
何より――――
(何より、機動力が上がっている! 以前、戦った個体にはなかった特徴だ!)
巨大ワニの動きは素早かった。 素早くユウトに接近すると、前足から鋭い爪を走らせる。
防御。 凄まじい衝撃がユウトを襲い、その体を吹き飛ばす。
しかも、ユウトの盾の大きな爪痕を残していた。
「――――っ!(一撃で、この威力だと? もう一度、盾で受けてたら完全に破壊される!)」
再び、鋭い爪が空気を切り裂き、恐るべき攻撃が放たれてくる。
一度に複数の爪を振り下ろすワニの攻撃に、ユウトは身の軽さと反射神経を駆使して躱し続ける
(この重装備の防具でも、攻撃を食らえば防御ごと俺の体も破壊されてしまう。だが――――隙は十分にある!)
そして、それはきた。
振り下ろされた巨大ワニの爪。 それが極めて短い時間、地面に引っかかり、動きが鈍くなった。
その瞬間狙いを定めていたユウト。 再び、杖に炎を纏わせて魔剣を作ると、斬りかかる。
(へっ……これじゃ、メイヴが言う通り、素直に魔法剣士になった方がよかったかもな。剣の基礎くらいは学んでおけばよかったぜ)
異常な切れ味を生み出す魔剣は、巨大ワニの体に幾つもの傷を刻み込んでいった。
暴れるように振るわれる爪を回避したユウト。 目前には、無防備になっている脇腹がある。
そこを狙って魔剣での刺突を繰り出した。
(手ごたえは――――十分だ。 このまま魔剣を根本まで、押し込んでやる!)
だが、それは巨大ワニの罠だった。 コイツの攻撃手段は爪だけではない。
野太い風切り音と共に、振り回された尻尾がユウトを襲った。
「ぐぁああっ!」と全身がバラバラに砕けるような苦痛。
体は浮き上がり、宙に向かって弾き飛ばされる。
体は建造物――――岩の塊に衝突して、地面に落下した。
痛みと混乱によって、ユウトの体は自身の意思に逆らい始める。
(動かない。回復薬は――――早く!)
震える腕で雑嚢を開く。中にある回復薬はすぐに見つかるもうまく掴めることはできない。
その間に、巨大ワニは近づいていた。
(早く、速く――――間に合え!)
大きな顎を開き、ユウトの体を飲み込まんと迫る一瞬――――
その巨大な口内へ赤い閃光が走り抜けた。
「危ない……間に合ったぜ!」
回復と共に放ったユウトの魔法は、巨大ワニの口内に大きなダメージを与えた。
怒り狂う巨大ワニから放たれる爪や牙の連続攻撃。
一撃で受ければ鎧も盾も破壊されてしまう猛攻。
それを鮮やかに回避するユウトは、隙を見逃さずに反撃に移る。
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