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第2章
第87話 メイヴ邸の戦い
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メイヴの家。
郊外から少し離れた場所にある。
S級冒険者である彼女にとって戦いは日常的。常に極端な緊張状態である彼女の憩いの場所。
それは強硬で高い壁に囲まれいる。 しかし、今は――――巨大な穴が空いて、破壊されている。
「――――っ!」とユウトは、中へ飛び込む。それと同時に探知魔法を使用。
メイヴの家は3階建て。 反応があったのは、
「3階に4人いる。 1人はメイヴだが――――彼女の庇っているのは誰だ?」
わかったのはそれだけ。 とにかく、2人組の敵に侵入されている。
ユウトは、走る。 中に入る時間も惜しいと言わんばかりにジャンプ。
A級冒険者であり、魔導書の力で肉体が強化されている――――とは言え、1飛びで3階まで到着するはずもない。
しかし、垂直な壁に足裏をつける。1歩、2歩、3歩と壁を走り、距離を稼ぐと、再ジャンプ。
窓を蹴り壊して、中に入り込む。
窓、壁を後ろに背負い、侵入者と対峙しているメイヴ。
そして、侵入者は――――
「ミカエル! レイン!」
メイヴを襲っていたのは、かつて、ユウトの仲間であった、
ミカエル・シャドウ
レイン・アーチャー
この2人だった。 そしてレインの手に持っているのは――――
「魔導書! お前――――」とユウトは叫んだ。
彼がレインが魔導書使いだと知ったのは、この瞬間が始めてだった。
「ユウト・フィッシャー」とレインも叫ぶ。それと同時に彼女の魔導書が輝き、ミカエルが動いた。
抜き身の剣。 それが手加減もなしにユウトへ振り降ろされた。
だが、その剣がユウトに届かなかった。 それよりも速く、横に回り込んでいたメイヴの打撃が炸裂したからだ。
しかし――――ミカエルの体は僅かにバランスを崩した程度。
さらにミカエルは反撃を開始。 こちらの隙を見てユウトに突進した。
剣先が風を切りながら斬りかかってきた。 ユウトは機敏な動きで後退。
目前に剣が通過して行くのを見届けて――――『炎剣《イグニスグラディウス》』
掌から火を放つ。
炎がミカエルの前方に爆発する。 どうやら、炎魔法を剣で切り裂いたらしい。
「強化されている? 魔導書の強化か!?」
剣を魔法で切断する事は不可能に等しい。 余程、剣の達人ならできるかもしれない。
少なくとも、ユウトが知るミカエルには、不可能だった剣技だった。
強くなっている。以前よりも明らかに――――
極度の緊張に包まれる。
ミカエルのターゲットがメイヴからユウトに移る。 その動きは――――
「速い!」と辛うじて盾の防御が間に合う。 フォローに入ろうとするメイヴだったが、彼女は動けない。
魔導書を持っていたレインが、いつの間にか弓を構えて、メイヴを牽制していたからだ。
それぞれ、動きが止まる拮抗状態である。
しかし、レインは、「撤退しましょうミカエル」と背を向けた。
「なぜ急に――――いや、そんなことよりも、レイン!ミカエルに何をした!」
「何をした? 妙な事を聞くのね、ユウト。何って……もちろん、支配したのよ」
「なっ!」
「あなたもわかってきたでしょ? 魔導書使い同士の戦いである第一次魔導書大戦。その勝者に与えられる恩賞。普通は狂うでしょ? 目がくらむでしょ?」
「おまえ、そのために仲間を操っているのか!」
「当然よ。私たちは冒険者でしょ? そこにある機会を掴むのが冒険者じゃないの?」
「――――この!」と杖を向けるユウト。しかし、彼女を庇うようにミカエルが立ちはだかる。
「やめなさいユウト。今の私たちは徹底してあげてるのよ? 流石に、魔導書使い2人とS級冒険者が相手じゃ勝てないわ」
「――――魔導書使いが2人?」とユウト。
そこで意識が5人目に移った。
そもそも、メイヴがレインたちに襲われる理由はない。 ならば、この5人目――――メイヴが自宅に招き入れ保護している人物は何者か?
その人物の正体は―――― メリス・ウィンドウィスパー
『色欲』のメリス
彼女がそこにいた。
郊外から少し離れた場所にある。
S級冒険者である彼女にとって戦いは日常的。常に極端な緊張状態である彼女の憩いの場所。
それは強硬で高い壁に囲まれいる。 しかし、今は――――巨大な穴が空いて、破壊されている。
「――――っ!」とユウトは、中へ飛び込む。それと同時に探知魔法を使用。
メイヴの家は3階建て。 反応があったのは、
「3階に4人いる。 1人はメイヴだが――――彼女の庇っているのは誰だ?」
わかったのはそれだけ。 とにかく、2人組の敵に侵入されている。
ユウトは、走る。 中に入る時間も惜しいと言わんばかりにジャンプ。
A級冒険者であり、魔導書の力で肉体が強化されている――――とは言え、1飛びで3階まで到着するはずもない。
しかし、垂直な壁に足裏をつける。1歩、2歩、3歩と壁を走り、距離を稼ぐと、再ジャンプ。
窓を蹴り壊して、中に入り込む。
窓、壁を後ろに背負い、侵入者と対峙しているメイヴ。
そして、侵入者は――――
「ミカエル! レイン!」
メイヴを襲っていたのは、かつて、ユウトの仲間であった、
ミカエル・シャドウ
レイン・アーチャー
この2人だった。 そしてレインの手に持っているのは――――
「魔導書! お前――――」とユウトは叫んだ。
彼がレインが魔導書使いだと知ったのは、この瞬間が始めてだった。
「ユウト・フィッシャー」とレインも叫ぶ。それと同時に彼女の魔導書が輝き、ミカエルが動いた。
抜き身の剣。 それが手加減もなしにユウトへ振り降ろされた。
だが、その剣がユウトに届かなかった。 それよりも速く、横に回り込んでいたメイヴの打撃が炸裂したからだ。
しかし――――ミカエルの体は僅かにバランスを崩した程度。
さらにミカエルは反撃を開始。 こちらの隙を見てユウトに突進した。
剣先が風を切りながら斬りかかってきた。 ユウトは機敏な動きで後退。
目前に剣が通過して行くのを見届けて――――『炎剣《イグニスグラディウス》』
掌から火を放つ。
炎がミカエルの前方に爆発する。 どうやら、炎魔法を剣で切り裂いたらしい。
「強化されている? 魔導書の強化か!?」
剣を魔法で切断する事は不可能に等しい。 余程、剣の達人ならできるかもしれない。
少なくとも、ユウトが知るミカエルには、不可能だった剣技だった。
強くなっている。以前よりも明らかに――――
極度の緊張に包まれる。
ミカエルのターゲットがメイヴからユウトに移る。 その動きは――――
「速い!」と辛うじて盾の防御が間に合う。 フォローに入ろうとするメイヴだったが、彼女は動けない。
魔導書を持っていたレインが、いつの間にか弓を構えて、メイヴを牽制していたからだ。
それぞれ、動きが止まる拮抗状態である。
しかし、レインは、「撤退しましょうミカエル」と背を向けた。
「なぜ急に――――いや、そんなことよりも、レイン!ミカエルに何をした!」
「何をした? 妙な事を聞くのね、ユウト。何って……もちろん、支配したのよ」
「なっ!」
「あなたもわかってきたでしょ? 魔導書使い同士の戦いである第一次魔導書大戦。その勝者に与えられる恩賞。普通は狂うでしょ? 目がくらむでしょ?」
「おまえ、そのために仲間を操っているのか!」
「当然よ。私たちは冒険者でしょ? そこにある機会を掴むのが冒険者じゃないの?」
「――――この!」と杖を向けるユウト。しかし、彼女を庇うようにミカエルが立ちはだかる。
「やめなさいユウト。今の私たちは徹底してあげてるのよ? 流石に、魔導書使い2人とS級冒険者が相手じゃ勝てないわ」
「――――魔導書使いが2人?」とユウト。
そこで意識が5人目に移った。
そもそも、メイヴがレインたちに襲われる理由はない。 ならば、この5人目――――メイヴが自宅に招き入れ保護している人物は何者か?
その人物の正体は―――― メリス・ウィンドウィスパー
『色欲』のメリス
彼女がそこにいた。
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