VTuberでもできるダンジョン配信!

チョーカ-

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第29話 外部コラボ『禍代たむお見合い企画!』

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『絶対アイドル 禍代たむお見合い企画!』  

 送られた企画書を見ると、禍代たむという女性VTuberとお見合いをするという設定でフリートークを複数人で行うというもの。

 予定では、俺を含めれ男性側が3人いるらしい。 

 禍代たむ───圧倒的な歌唱力を持ち、中国では絶大な人気を誇り、歌姫と呼ばれる個人VTuberである。

 この人とお見合い企画って大丈夫なのか、これ? 炎上しそうだけど? 

 俺は軽く調べただけだが……

 禍代たむ、YouTubeのチャンネル登録者は30万人。 ただし、中国の配信プラットフォームでは、 3倍の90万人が登録している。

 紛れもなく、人気VTuberだ。 ネタ企画とは言え、『お見合い企画』なんてやってもいいのだろうか?

 過激なファン、ユニコーンがたくさんいるのでは?

 しかし、マネージャーの岡京さんは───

「その辺りは問題ないと思います。この程度で怒るようなファンは、彼女にはいません」

 断言口調の岡京さんに「?」と俺は疑問符を浮かべるだけだった。

 そして、当日……集合時間である配信開始10分前。 

 専門の待機チャンネルで入った。 

 打ち合わせ時間10分で本当に良いのか? 俺は、そう思ったが───

「あれ? ライガくん、時間通りだ。早いね」

 進行《ホスト》役で、チャンネル主である兎岸たましぃさんだけがいた。

 早い? もう10分前だが?

「初めまして、ライガ。獅堂ライガと言います。えっと、他の人は?」

「大丈夫、大丈夫。遅れそうな人には、個別に連絡を30分前にしてるから」

「おぉ~」と俺は唸った。 ちゃんとしている……と言うと失礼だろうか?

 VTuber界隈、時間にルーズな人が多いと聞いている。この人は、遅刻対策をきちんとしてるんだな。

「みんな、まだだけど、簡単に企画説明するよ」

「はい、よろしくお願いします」 

「今回は禍代たむさんを主役としたネタ企画です。最初はOPから企画説明に20分。
 あとは1人10分の持ち時間で、お見合いと言う設定でフリートークをしてもらって、最後にたむさんが決めた1人が1対1で会話。振って貰って終わりとなります」

「何て言いますか、文字にすると凄い企画ですね」

「あはははっ! みんなベテランだから自由に話してもらって大丈夫だから。僕もMCとしてフォローをいれるよ。あと、ライガくんに何かNGがあったら……」

 ・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 配信時間になった。 配信画面ではオープニングの歌と映像が流れている。

 この時間になると、禍代たむを含めたゲストが全員揃った。

「それじゃ僕とたむちゃんは、配信を始めるから、みんなは呼ぶまで雑談でもしててね!」

 そう言って、兎岸たましぃと禍代たむは、待機チャンネルから本配信に移動した。

「それじゃ、みなさん初めまして。獅堂ライガです」

 他の2人はベテランとも言える男性VTuberさんだ。 

 それぞれ、

 暮夜 鈴音─── 男性アイドルVTuberである。 軽快なトークが持ち味で過去には24時間1人雑談なんて無茶な企画も行っている

 白田 田作─── タンクトップに筋骨ぎゅうぎゅうの肉体。 スポーツや格闘技の同時配信。他にも体を張った企画が人気で芸人気質のVTuberさんだ。

 2人とも大手事務所に所属してトップVTuberさんだ。
 それなのに、まだ新人と言える俺に対して、気さくに話しかけてくれた。

「うお!ライガくん! いつも見てるよ!!! あの3Dってどうなってるの???」

「俺も知りたい、俺も! 本物のドラゴンってどんな感じ? デカイ???」

 気さくに……あれ、妙だぞ。 2人とも、少年のように目を輝かせて、ぐいぐい来ているような……

 一方の配信画面では───

「はい、それでは今日の主役。お姫様をお呼びします。たむちゃん! 禍代たむちゃん!」

「はぁ~い! 今日は素敵な王子さまと出会いがあると聞いて来ました。無所属の禍代たむです」

「たむちゃん、今日は良い男たちをたむちゃんのために───あっダメだ。おじさんたち、若い男に興味津々だ」

「え? どういうこと? 兎岸ちゃん、今日は私が主役って・・・・・・どういうこと! うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 さすが歌姫VTuberと言われるたむさんだ。 まるで巨大モンスターの咆哮。あるいは断末魔に匹敵する声量。 コメント欄では───

『うるせぇぇぇ!』

『鼓膜ないなった』

『鼓膜ってコンビニで売ってたけ?』

『あれ? 今日は妙に静かなだな』

『↑言いづらいけど、あんたの鼓膜破れてるよ』

 ───と大盛り上がりだ。 さすが人気VTuberのメンヘラキレ芸と言わざる得ない。

「たむちゃん、安心してください。コレは男性陣の作戦ですよ」

「え? 兎岸ちゃん、どういうこと?」

「ほら、好きな子ほどイタズラしたくなると言うか、たむちゃんを嫉妬させて、興味をひかせる作戦ですよ」

「あっ、なんだ~ ビックリした」

「それじゃ、最初はたむちゃんが注目している若い男が来ますよ」

「え? 誰? 男! 男! ぐうへへへへっ!」

「たむちゃん、ゴブリンが出てますよ。男じゃなくて、男性でしょ?」

「あっ! はい、どなたかしら、最初の王子さまは?」

「はい、では獅堂ライガくん~ どうぞ!」

 
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