VTuberでもできるダンジョン配信!

チョーカ-

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第34話 『オラオラ系YouTuber無駄無駄のお悩み配信!』

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「さて……どうしたものか?」

 俺のPCには───『オラオラ系YouTuber無駄無駄のお悩み配信!』と画面表示。

「気は進まないが、最初から見るか。いや、見るしかないのかぁ……」

 再生ボタンをクイック。 OPに独特な歌が流れ始める。

「よし、スキップ! 俺の話題を取り上げられている箇所は、タイムスタンプはないのか……」

 配信時間は4時間もある。どこから始まるのか、手探りで探して───あった。

『はい、次はVTuberに被害にあったという相談者さんが来ていますね。相談者さん、相談者さん!』

『はい、よろしくお願いします』 

『それでは、どんな被害にあったか話してください』

『そうですね。彼と会ったのは1年前で、そこから付き合い始めたのですが……』

 少し沈黙が続く。 僅かに泣き声が漏れている。

『相談者さん、ゆっくりでいいですからね。落ち着いてくださいね』

『はい、付き合うと、彼の態度が急変して……精神的DVって言うですかね。私の事を馬鹿にして、男と話をするなって、家から出る時は必ず連絡を入れろって』

『うわぁ、それは酷いなぁ。これが告発内容ですか?』

『───いいえ、あの』と彼女から言い淀む気配。 やがて、決心するように彼女は口を開いた。

『実は、彼の子供がお腹にいて……でも、連絡が取れなくなりました』

『えぇ! 待ってください! それ彼に言ったのですよね? それで妊娠したと言ったら、急に連絡が取れなくなった……逃げられたって事ですよね』

『いえ、私はまだ彼を信じているのですが、友達が無駄無駄さんに相談した方がいいと───』

『───あぁ、わかりました。では、証拠ってありますか? そのVTuberと付き合っていた』

『えっと、そちらに写真をもう送っていますが……』

『え? あぁ……もう一度、送ってください』

『はい、少し待ってくださいね』

 彼女から、ゴソゴソと作業音が聞こえて来る。その少し間が開くと───

『僕の配信は、配信者の問題をみんなで共有する目的なのでね。僕だけが送られた証拠を見て、僕だけが理解しても意味ないんですよね。大切なのはライヴ感と共感性、わかるかな?』

『では、お送りしました。彼との連絡内容です』

『はいはい、確認します。なるほど、なるほど……これは……』

 画面には、チャットアプリのメッセージのやり取りが表示されている。

 一部、黒塗になっているが、個人情報の部分か?

 これが俺って事だよね? マジで心当たりがない。

『どんどん、証拠が送られてきますね。 これは……本当ですね』

 少し妙な感じがした。

 肝心の証拠が画面に表示されていない。 最初に画面のままだ。

『うん、本人に連絡してみましょう。相談者さん、彼の連絡先わかりますよね? 僕に教えてください』

『はい、わかりました』

『それじゃ、連絡しますね───出ないね』

 うん、ここで1つ確定したことがある。 俺のスマホやPCに着信履歴はない。

 つまり、ここで語られている獅堂ライガは俺ではないという事だ。
  
「───となると、どうなる?」と少し考える。


 ① 相談者が嘘をついてる。あるいは誤解が生じている。

 ② この配信はやらせ。全部が嘘。

 ③ 俺の名乗る偽物がいる。


 さぁ、どれだ!?  答えは─── わからん!

 『それじゃ、最後に確認します』

 俺がいろいろ考えている間に配信は佳境に入ったみたいだ。

 『えっと、相談者は企業VTuberさんと付き合っていて、子供もいるんですよね?』

『はい。それなのに……もう連絡も取れなくて、私どうしていいのか分からなくて友達から無駄無駄さんに相談を───』

『───わかりました。そのVTuberと連絡は───取れないなぁ。もう言っちゃいますか? そのVTuberさんのお名前?』

『では─── たけプロの獅堂ライガさんです』

 ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~ 

 ここまでが、俺の事を暴露した・・・・・・と言われる配信の全てだった。

「う~ん」と俺は唸った。 いろいろと奇妙な事がある。

 現在、暴露系YouTuberというのは正確な情報を重視する。 それも過剰なほどに情報精査する。 

 過去に物申す系VTuberなんて奴……えっと炎斉士だっけ?

 アイツみたいに悪意とデマをばら撒く奴は淘汰されて消えていくだけだ。

 悪意がある奴、愉快犯、虚言癖、アンチ…… 相談者の中にそういう部類の奴が混じると、自分の信頼度が下がる。

 視聴者から信頼度が下がるとどうなる? 単純だ。人気が減る。

 人気が減るとどうなる? 単純だ。収益が減る。

「おそらく年収は1億越え。そんな奴が年収を捨ててまで俺を貶める必要……何かあるかな?」

 1億の年収を捨ててまで個人攻撃されるような恨みがあるのか?

 さすがに、そこまで人に恨まれてはいない……はず。

 だとすれば───

 「あの相談者の声どこかで聞いたことがあるような気も・・・・・・」

 その時に気づいた。 大量のメッセージが送られている。

 仕事用の連絡アプリだ。 アンチからの嫌がらせではなく関係者たちからのメッセージのはず。

 それに目を通すと─── 
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