VTuberでもできるダンジョン配信!

チョーカ-

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第39話 VSホスト系ダンジョン配信者

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「すいません! こっち配信中ですが、問題ないですよね?」

 俺は、ダンジョンで配信者同士がかち合った時の決まりの挨拶をして、ひょこひょこと姿を見せた。

 最初に気づいたのはリーダーの男。

「────ッ! し、獅堂ライガ……だと!」

 この男について、事前にホストクラブ『乱魔』に行って訊ねている。

 名前は─── 片桐狂児。 本名は、山本浩二らしい。

 狂児に遅れて気づいた他の連中も騒ぎ始める。

「獅堂ライガ!? 馬鹿な、さっきまで配信をしてたはず」

「配信を終えて20分で、ここまで来たってのか?」

「馬鹿やろ。そんなわけあるか。録画を流してたか、数十分単位で配信を遅延させていたんだ」

「そ、そうだよ。 このダンジョン階層に来るまで2時間……いや、3時間は必要だ」

 騒ぐ彼等を見て、俺は───

「統率が取れてないなぁ。ただ好き勝手に暴れるだけで、ダンジョン配信者未満……荒くれ者って感じか」

 少し挑発してみた。

 ちなみ、ここまでたどり着くのに走って数分。3時間も必要ない。 

 なんなら、事前にホスト『乱魔』に立ち寄って、話を聞かせてもらってから来た。

 それは、さておき……挑発の結果は?

「狂児さん、やりましょう!」

「そうだ。どうせ俺たちの話しは配信で流されているんだ!」

「証拠は消せねぇ! だったら、力でづくで黙らせねぇと!」

 凄い効果的だった。 そんな強い言葉で煽ったつもりもないが……

「なるほど、自分たちは向上心がない。ないからこそ、下に見られるのは異常に嫌うのか……どうやって社会生活を成り立たせているんだ?」

 今度の挑発じゃない。ただの感想だった。

 しかし、ホスト集団は焚きつけられたように怒り狂っている。

「こいつ、ふざけやがって!」

「やっちまいましょう。もう、抑えがつきませんぜ!」

「舐めやがって!」

「───黙れ」と片桐狂児は小さく呟いた。 

 それだけだ。それだけで騒いでいた連中は、口を紡ぐ。

 どうやら、恐怖政治で荒くれ者たちをまとめ上げていたようだ。

 「良いか、お前等。このライガがダンジョン配信の天辺《テッペン》だ。こいつを倒しちまえば、俺たちが───俺たちがテッペンを取ったら、何でも、何やって許される! そうだろ!」
 
「おおおおぉぉ!」と一瞬でホスト軍団は、まとまった。

 俺は自分の配信画面をチラっと見た。 

『うおお! やっちまえ、俺が許す!』

『VTuber対ホスト軍団www』

『喧嘩だ! 喧嘩祭りじゃ!』

『この×××が!(このコメントは削除されました)』

 盛り上がりが凄い。
 ただし、無駄無駄から移動してきた人たち(いわゆる初見さんってやつだ)が多いようだ。

 若干、荒々しいと言うか……俺の配信のマナーが悪くなっている。

「まぁ、視聴者の教育は配信者の義務だ。あとで何とかしよう!」   

「何を1人でペラペラと! ふざけた野郎が!」

「え!?」と俺は絶句した。 同じ配信者だよな?

「お前たちは、ダンジョン配信中にコメントを見たり、反応しないのか? そりゃ……ホストとしても売れないわな」
  
 どうやら、彼等の地雷を踏み付いてしまったようだ。

 全員、顔が真っ赤。ついでに、ピキピキって聞こえるように、顔に青筋が浮き出ている。

「いきなり、前回で殺すぞ、コイツを! お前等、俺に合わせろ!」

「「「はい!」」」

 今まで違って、軍隊のように綺麗な列を作り始めた。

「これは……舞踏家《ダンサー》タイプか」

 舞踏家《ダンサー》タイプ。 直接戦闘をするタイプというよりも、仲間たちを強化させ支援する事が役割。

「だが、この人数───15人か 全員が相互支援をしたら……どれだけ、バフとデバフをばら撒く事になるのか?」

 俺の言葉どおり、ホスト達は狂児を中心にして、詠唱と踊りを開始する。

「いくぞ! 片桐ラブラブ! はい!」

「「「片桐ラブラブ! ラブ・ピース・ピープル!」」」

 全員が真顔。 それでいて、一糸乱れぬ踊りを始めた。

 おそらく、舞踏家の戦いを初めて見る視聴者たちは───

『なんだこれ? その……なに?』

『真面目に戦え……いや、真面目なのか?』 

『あっ、ホストとか水商売のコール芸だ』  

 ───と何が起きているかよくわからない様子だった。

「あのかけ声は、魔法でいう詠唱と同じ効果がある。集団で行う事で、全員が強化されていく─── 漫画で言うなら相互協力型《ジョイントタイプ》の集団行動形式《パーティーフォーム》」

『ハンター×ハンターで例えるな』

『第九王子の念能力ね』

『全員がジャンプ漫画を読んでいるわけじゃないぞ』

 うん、わかりやすいと思って漫画ネタで説明してみたが……よくなかったかな?

「ちなみにリズムを取り続ける限り、肉体強化が入っている。 それに加えて魔法耐性を会得してく。 ビートは呪いを退け、自ら身体能力を───」

『呪術に変更するな!』

『だから、全員がジャンプを(ry』

『ねぇ、わざとやってる? わざとでしょ?』

 そんな事をやっている間に、片桐狂児たちの強化は最大値まで上げっていく。

「……いつまで、ふざけているつもりだ?」

「ん?」

「いくら、お前でも総勢15人により、最大強化……勝てないだろ?」

「さぁ、それはやってみないとわからないだろ?」

「ほざけ! その余裕顔を砕いてやるぞ!」

 ホスト集団15人が同時に攻撃を開始した。
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