『購入無双』 復讐を誓う底辺冒険者は、やがてこの世界の邪悪なる王になる

チョーカ-

文字の大きさ
13 / 144

名前 シズク

しおりを挟む
(好戦的になっている)

 ジェルは自分の心に変化を感じる。

 まるで、そういう種類の呪いを受けたかのように――――

 かつての自分だったら、言葉を操り敵意を見せない相手に戦いを挑んでいただろうか?

 例え相手が魔物だったとしても、自ら挑むよりも逃げを優先してた。

 闘争よりも逃走を選ぶ。 

 自分は、そんな人間じゃなかったか? いや、魔物を斬り殺す経験は、数えきれないほどにあるのには間違いないにしても――――

それが短時間で変わったのは、強い力を得たからだろうか?

 だが――――

「――――」と刀の柄を握った瞬間、ジェルは無心になった。

 それは剣聖に相応しい立ち振る舞い。

 対して、赤目のゴブリンは――――

「いいねぇ」と嗤った。

「酷く好意的だよ。談話をしていた相手をすぐに殺そうとする姿勢は私の好みさ」

 赤目のゴブリンは――――彼女は嗤いならが武器を取り出した。

 どこに持っていたのだろうか? 構える黒い大剣は彼女の体よりも大きく見える。

「――――シズク」と彼女は呟く。

 これには無心になっていたジェルも反応する。

「何?」    

「名前さ。これから殺し合うだろ? じゃ、互いに殺そうとする相手の名前を知らないのは、死んだ方が不憫だろ? 私の名前はシズク……お前は?」

「ジェル……ジェル・クロウって名前だ」

「良い名前――――え?」

 赤の目のゴブリン、シズクは驚いた。 

 既にジェルは剣の間合いまで迫っていた。 初動作を消し去った動きがシズクの反応を乱れさせた。そして――――

 初弾から繰り出された技は大技 『天魔六乱舞』

 超高速の6剣撃。

 だが――――

「――――っ!(手ごたえがない。防がれた? でも、どうやって?)」

 危険を感じたジェルは後方へ下がる。

 剣から伝えられた感覚通り、シズクは無傷で立っている。

 彼女が持つ大剣で防御した気配もない。

「どうやった? 何をして防いだ?」

「ん? 手を内を敵に話すと思う?」

「――――」

「まぁ、話すんだけどね。 簡単な事さ……私に手には不可視の盾が握られている。軽装に見える私の体は重装甲の鎧フルプレートアーマーの鎧に包まれている」

「まさか……そんな武装をしてるようには見えない」

 ジェルが言うのは見た目の話ではない。 彼女、シズクが言う通り、盾を持ち、鎧を着こんでいるなら、体の立ち姿にも、動きにも影響が出る。

(剣聖となった俺が、それを見落とすはずがない。可能性があるとしたら……)

「ご名答ってやつさ。おそらく、君が考えている通り、『魔族ガチャ』で購入した防具――――

『不可視の鎧』

『不可視の盾』

 持ち主の魔力によって具現化する2つの装備に重さは存在していない」 

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」 「え?」 「は?」 「いせかい……?」 異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。 ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。 そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!? 異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。 時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。 目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』 半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。 そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。 伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。 信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。 少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。 ==== ※お気に入り、感想がありましたら励みになります ※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。 ※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります ※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

一般トレジャーハンターの俺が最強の魔王を仲間に入れたら世界が敵になったんだけど……どうしよ?

大好き丸
ファンタジー
天上魔界「イイルクオン」 世界は大きく分けて二つの勢力が存在する。 ”人類”と”魔族” 生存圏を争って日夜争いを続けている。 しかしそんな中、戦争に背を向け、ただひたすらに宝を追い求める男がいた。 トレジャーハンターその名はラルフ。 夢とロマンを求め、日夜、洞窟や遺跡に潜る。 そこで出会った未知との遭遇はラルフの人生の大きな転換期となり世界が動く 欺瞞、裏切り、秩序の崩壊、 世界の均衡が崩れた時、終焉を迎える。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

処理中です...