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第一部 キミのこないクリスマス・イヴ
第九話 タイムリミット
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番組あとの反省会で友也はヒーローだった。
彼の爆弾発言は瞬く間にあらゆるSNSを駆け巡り、トレンドにも掲載された。その影響で投書もいつもの倍近く集まり、沙樹たち番組スタッフは嬉しい悲鳴を上げながら、メッセージを処理した。打ち合わせにないコーナーを勝手に進めたことに怒っていた和泉も、この結果を見て黙り込んでいる。
沙樹は友也とともに局内でときの人となった。番組終了後にスタジオから会議室に移動するだけで、みんなの注目を集めてしまう。笑顔で自信たっぷりに応える友也とは対照的に、沙樹は和泉の影に隠れ、必死で好奇の視線から逃れた。
考えようによったら、今の沙樹は一生を左右する選択を迫られている状態だ。つきあっているはずのワタルは、どんなにここに来たくとも来られない。会社員なら残業などを調整できるが、ミュージシャンがコンサート中に抜け出せる訳がない。バックミュージシャンや裏方ならまだしも、バンドのリーダーで中心人物なのだ。
友也はもちろん、ライバルがワタルだと知らない。不倫相手がクリスマス・イヴの日に奥さんや子供を放り出し、愛人のところに来られるかどうかを高笑いして見ていることだろう。
ワタルが来ないのは解っている。ならば沙樹は自分の意思とは関係なく友也について行かねばならないのか。そんなことはできるはずがない。でもこれだけの聴衆が与える圧力に逆らえるか、それが一番の心配だ。
一生を左右する場面に自分自身の意思を反映できない。次の手がなくて投了宣言する棋士と同じだ。
反省会では意見や引き継ぎ事項が出尽くし、発言する者もいなくなった。和泉は壁の時計を見、目の前に置かれたお茶を飲み干した。
「そろそろ時間だな。反省会はこれで終わりにして、西田の彼氏を出迎えるか」
「出迎えなんて要りません。彼だって仕事を放り出してまで来るわけがないし……あたし、このまま電車で帰ります」
唯一残された手は、約束の時刻がくる前に聴衆に見つからないように逃げ出すことだ。
「おいおい、冗談はやめろよ。噂の彼氏が、昨日は『行かない』と言ってても、ラジオであんなふうに挑まれたんだぞ。気が変わって姿を見せるかもしれない。もし来てくれたら彼氏と帰ればいいし、来なかったらそのときに身のふり方を考えればいいじゃないか」
「でも、ラジオを聴いているとも限らないし……」
「仮にそうだとしても、トミーくんの指定した時刻まであと十分ほどだ。電車を、一、二本遅らせばいいんだ。結果を見届ける義務があるんだぞ、おまえさんには」
「そんなこと言われても……」
友也の勝手な行動に機嫌を損ねていた和泉だったが、今は逆に面白がっている。あの告白タイムがいい数字に結びついたのだから、もっと話題を盛り上げたいのは理解できる。
結局沙樹の主張は受け入れらえず、和泉たちスタッフに脇を固められてエレベーターに乗った。
扉が開いてロビーに降り立ったとき、沙樹はそこに広がる光景に足がすくんだ。
手隙のものは勢ぞろいかと思うくらい、ラジオだけではなくテレビ局の人もやってきて、押し合いへし合いの状態だ。みんな野次馬根性丸出しで、沙樹と友也の行く末を見届けようとしている。加えて外にも多くのリスナーが友也の応援に来ていた。
手元の時計は九時二十分、約束の時刻まであと十分だ。
いつもならオーバー・ザ・レインボウのライブも終了しているころだ。だがアンコールの時間を利用して例年の特別ライブをするので、今はその真っ最中だ。どう考えても間に合わない。
よしんば来られたとしても、これだけ大勢の人を前に沙樹との関係を発表できる訳がない。
だがそれらは昨日までの理由だ。夕べの電話で交わした会話を最後に、ワタルからの連絡が途絶えている。
――トミーさんについて行きたければ行くといい。
その言葉を最後に連絡が途絶えている。沙樹への想いはワタルの中から消えてしまった。そんなワタルがライブを放り出して来るとは思えない。仕事のあとに会うという約束も宙に浮いたままだ。
「約束の時刻まであと十分ほどしかないが、あの中に彼氏はいるか?」
友也が外にいるリスナーたちを指差した。沙樹は確認するまでもなく首を横にふる。
「愛人よりも仕事や家族が大事ってことだぜ。これだけ騒ぎになったら、不倫相手が出てこられ……」
ピシャリという音がロビーに響いた。
それにあわせるようにロビーは静寂に支配され、観衆は一斉に沙樹と友也に注目する。
「不倫じゃないってあれほど言ってるのに、まだ解らないの? それに何? ラジオで爆弾発言したのは、ライバルが来られない状況を作るのが目的だったんでしょ。卑怯よ」
「……そうじゃねえ」
友也はたたかれた左の頬に手を当てる。
「おれならどんな状況でも、好きな人のためだったら姿を見せるぜ。困難な状況のもとでも駆けつける。それもできねえやつが、好きだの愛してるだのって言ってもただの戯言さ」
「それ、ラジオの生放送中でもできる? ライブハウスのステージと重なってもできる? どこに行っても自分の顔が知られてる状況でも、友也にはそれができるの?」
「できるさ。好きな人がいなくなるかもしれないときに、つべこべ言ってられるか。仕事や家庭と天秤にかけるまでもない。おれなら迷わず沙樹を取る」
群衆がざわめく。中には友也のセリフに酔った者もいるようで、感嘆のため息も聞こえた。そばにいた和泉が沙樹の肩を軽くたたく。
「やったことはどうあれ、トミーくんの気持ちはよく解っただろう。あとは西田次第だぞ。横から見てると、おまえさんらふたりはお似合いなんだよ。だから変な言い訳して、彼を拒否するのはやめたらどうだ?」
彼氏は友也との交際を断るための架空の存在。和泉はそう思っているようだ。ワタルとのことを隠し続けたことが、ここに来て沙樹自身を追い込んでいる。詳しいことは言わないまでも、彼氏がいることだけでも公言しておくべきだった。
「あと一分だぜ」
友也が腕時計を見てつぶやいた。
ワタルは姿を見せるだろうか。友也と同じ、いやそれ以上の強い思いがあれば、来るかもしれない。
だが可能性は限りなくゼロに近い。仕事を放り出すような無責任なことをワタルはしない。それを一番よく解っているのは、誰でもない沙樹自身だ。
「十秒前だ」
玄関を見ながら友也が言った。外に集まったリスナーたちの様子に変化はない。
「五秒、四、三……」
友也は聴衆と共にカウントダウンを始める。来ない人のためには不必要だ。
でも心の奥では違う結果を期待している。わずかな可能性を胸に抱いていた。
「一、あっ」
友也が小さく叫び、沙樹はつられるようにロビーの扉を見つめる。
自動ドアが音もなく開いた。
「嘘だろ、本当に来ちまったのか?」
沙樹を始めそこにいたすべての人物が息を飲んで、入ってきた人物の顔を見る。
「あれ? この人だかりは? いったい何があったの?」
姿を見せたのは、深夜零時からの番組を担当するベテランのパーソナリティだ。妻子持ちで、友也の考えるシナリオにはピッタリだ。
「沙樹の彼って……コ、コバさんだったのか?」
恐る恐る確認する友也に、沙樹は「そんなこと言ったらコバさんに失礼だよ」と無表情で否定する。
コバさんとは挨拶をする程度の接点しかないし、愛妻家で有名だ。不倫をするような人物ではない。
続いて入ってくる人物はなく、扉はゆっくりと閉じた。
タイムリミットはあっけないほど簡単に過ぎた。
「ほら、来なかっただろ。想いの強さはおれの方が上だって証拠だな」
「事情も知らないで勝手なこと言わないで」
勝ち誇ったように宣言する友也に強気の発言をしたが、沙樹の心は態度とは裏腹に今にも崩れ落ちそうだ。
来ない理由は、アンコールで忙しいからか。それとも、友也について行けという無言のメッセージなのか。
「解ったから、少しは落ち着いたらどうだ、おふたりさんよ」
険悪な雰囲気になりそうな沙樹と友也を泉が止める。
「トミーくん、とりあえず西田を車に乗せた方がいいぞ。群衆の中を駅まで歩いて行けないだろ」
和泉の懸念する通りあの中をひとりで横切れば、もみくちゃにされてしまうかもしれない。芸能人でもない沙樹に大勢の人を上手く捌く自信はない。
「車でじっくり話し合ったらどうだ。今後どうするにせよ、西田が納得しないことには話が進まないだろ」
「解りました。沙樹、とりあえず送るよ。あとのことは道すがら相談しようぜ」
彼の爆弾発言は瞬く間にあらゆるSNSを駆け巡り、トレンドにも掲載された。その影響で投書もいつもの倍近く集まり、沙樹たち番組スタッフは嬉しい悲鳴を上げながら、メッセージを処理した。打ち合わせにないコーナーを勝手に進めたことに怒っていた和泉も、この結果を見て黙り込んでいる。
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ワタルが来ないのは解っている。ならば沙樹は自分の意思とは関係なく友也について行かねばならないのか。そんなことはできるはずがない。でもこれだけの聴衆が与える圧力に逆らえるか、それが一番の心配だ。
一生を左右する場面に自分自身の意思を反映できない。次の手がなくて投了宣言する棋士と同じだ。
反省会では意見や引き継ぎ事項が出尽くし、発言する者もいなくなった。和泉は壁の時計を見、目の前に置かれたお茶を飲み干した。
「そろそろ時間だな。反省会はこれで終わりにして、西田の彼氏を出迎えるか」
「出迎えなんて要りません。彼だって仕事を放り出してまで来るわけがないし……あたし、このまま電車で帰ります」
唯一残された手は、約束の時刻がくる前に聴衆に見つからないように逃げ出すことだ。
「おいおい、冗談はやめろよ。噂の彼氏が、昨日は『行かない』と言ってても、ラジオであんなふうに挑まれたんだぞ。気が変わって姿を見せるかもしれない。もし来てくれたら彼氏と帰ればいいし、来なかったらそのときに身のふり方を考えればいいじゃないか」
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「そんなこと言われても……」
友也の勝手な行動に機嫌を損ねていた和泉だったが、今は逆に面白がっている。あの告白タイムがいい数字に結びついたのだから、もっと話題を盛り上げたいのは理解できる。
結局沙樹の主張は受け入れらえず、和泉たちスタッフに脇を固められてエレベーターに乗った。
扉が開いてロビーに降り立ったとき、沙樹はそこに広がる光景に足がすくんだ。
手隙のものは勢ぞろいかと思うくらい、ラジオだけではなくテレビ局の人もやってきて、押し合いへし合いの状態だ。みんな野次馬根性丸出しで、沙樹と友也の行く末を見届けようとしている。加えて外にも多くのリスナーが友也の応援に来ていた。
手元の時計は九時二十分、約束の時刻まであと十分だ。
いつもならオーバー・ザ・レインボウのライブも終了しているころだ。だがアンコールの時間を利用して例年の特別ライブをするので、今はその真っ最中だ。どう考えても間に合わない。
よしんば来られたとしても、これだけ大勢の人を前に沙樹との関係を発表できる訳がない。
だがそれらは昨日までの理由だ。夕べの電話で交わした会話を最後に、ワタルからの連絡が途絶えている。
――トミーさんについて行きたければ行くといい。
その言葉を最後に連絡が途絶えている。沙樹への想いはワタルの中から消えてしまった。そんなワタルがライブを放り出して来るとは思えない。仕事のあとに会うという約束も宙に浮いたままだ。
「約束の時刻まであと十分ほどしかないが、あの中に彼氏はいるか?」
友也が外にいるリスナーたちを指差した。沙樹は確認するまでもなく首を横にふる。
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それにあわせるようにロビーは静寂に支配され、観衆は一斉に沙樹と友也に注目する。
「不倫じゃないってあれほど言ってるのに、まだ解らないの? それに何? ラジオで爆弾発言したのは、ライバルが来られない状況を作るのが目的だったんでしょ。卑怯よ」
「……そうじゃねえ」
友也はたたかれた左の頬に手を当てる。
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「それ、ラジオの生放送中でもできる? ライブハウスのステージと重なってもできる? どこに行っても自分の顔が知られてる状況でも、友也にはそれができるの?」
「できるさ。好きな人がいなくなるかもしれないときに、つべこべ言ってられるか。仕事や家庭と天秤にかけるまでもない。おれなら迷わず沙樹を取る」
群衆がざわめく。中には友也のセリフに酔った者もいるようで、感嘆のため息も聞こえた。そばにいた和泉が沙樹の肩を軽くたたく。
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友也が腕時計を見てつぶやいた。
ワタルは姿を見せるだろうか。友也と同じ、いやそれ以上の強い思いがあれば、来るかもしれない。
だが可能性は限りなくゼロに近い。仕事を放り出すような無責任なことをワタルはしない。それを一番よく解っているのは、誰でもない沙樹自身だ。
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コバさんとは挨拶をする程度の接点しかないし、愛妻家で有名だ。不倫をするような人物ではない。
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来ない理由は、アンコールで忙しいからか。それとも、友也について行けという無言のメッセージなのか。
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険悪な雰囲気になりそうな沙樹と友也を泉が止める。
「トミーくん、とりあえず西田を車に乗せた方がいいぞ。群衆の中を駅まで歩いて行けないだろ」
和泉の懸念する通りあの中をひとりで横切れば、もみくちゃにされてしまうかもしれない。芸能人でもない沙樹に大勢の人を上手く捌く自信はない。
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