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第四十二エロ 大きな地割れで
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ルブマの叫び声がして全員が駆けつけたいが、霧が濃くて方向感覚を狂わせられる。
更に地中からゴゴゴゴゴという轟音と硫黄臭で聴覚と嗅覚も封じられている。
仲間との意思疎通が取り辛い状況だ。
時間にしておよそ3分間、ルブマの元へ駆けつけられずに全員がその場で立ち止まるしかなかった。
しかし、その後今までのが嘘だったかのように霧は晴れていき、やや立ち込める程度になった。
轟音もしなくなり、硫黄の匂いも消えていた。
「さっきのは何だったんすか?」
涙目になりながらぱいおが言う。
「夜明けの終焉だよ。いつも夜明けの終わりの後に短い時間だけ起こるんだ」
ちんちんがそう答える声がティーパンにも聞こえる。
『どうやらみな無事なようだな』
そう思いながら、ルブマの隣でティーパンは頭を抱える。
「さて、どうしたものか……」
「どうしたんで――」
駆けつけた助態も言葉の続きを失う。
目の前に巨大な地割れが起きていたのだ。
どうやら夜明けの終わりが原因で起きたと考えられる。
しかも運の悪いことに、地割れの先にヌルヌルともふともだけが居た。
「おーい!」
地割れの向こうからヌルヌルが声をかけてくる。
「全員無事なようだ」
ヌルヌルが安心したような声を出す。
目の前の巨大な地割れは、通常の人間であれば渡ることはできない。
「双頭蛇を出して橋にして渡るから待っててくれ」
ティーパンが呪文を詠唱しようとすると、ヌルヌルが待ったをかけた。
「そんなことをしたら魔界の住人にこの場所がバレる危険性がある。俺たちは俺たちで独自に動くから、雷獄の洞窟の前で待ち合わせしないか?」
「どうする? 勇者」
相変わらずティーパンは助態に判断を委ねる。
「分かった! 気をつけてくれ!」
助態がそう言うと、ヌルヌルは手だけ振って姿が見えなくなった。
●
「それにしてもさっきの匂いは強烈だったすねー」
ぱいおが街道を進みながら隣の助態に言う。
「あぁ。硫黄みたいな匂いだな。俺が前生きてた世界ではよく温泉であんな匂いがしてたな」
「助態さんの世界では、温泉がおならみたいな匂いするんすか!」
ぱいおが衝撃を受けたかのような顔をする。
「あの匂いウチのおならと同じ匂いだったっすよ!」
「いや、そういう匂いがする温泉もあるってだけだよ。それにしてもぱいおのおならは臭いのかー」
ニヤニヤしながら助態がぱいおをいじる。
「なんすか? 助態さんに言葉責めされても感じないっすよ」
そう言うなりぱいおはなんと、助態に握り屁をかました。
「ぐあっ! なんだこの匂い!」
「ウチの勝ちっすね」
なぜかぱいおが勝ち誇る。
助態たちはヌルヌルと別れてから何事もなく順調に進んでいた。
順調すぎて暇になった助態とぱいおがふざけ始めたところだった。
「相変わらずだねー。いい加減緊張感というのを持ったらどうなんだい?」
ティーパンが呆れたように注意する。
「それにしてもさ、この魔界って毎日のようにこうも破壊されているといずれ崩壊しそうじゃない?」
助態の言う破壊とは、夜明けや夜明けの終わりの現象のことだろう。
「確かに毎回大きな地割れや巨大な穴が空くのはヤバい気がするっす」
「大丈夫だよ。なぜか夜には元に戻ってるから」
後ろからぱいぱいが何でもないという感じで言う。
「え! それを先に言ってくれればいいのに」
助態が振り返って言う。
それを知ってればわざわざヌルヌルたちと別行動を取ったりしなかったのに。と。
「だっていう前にあの人が別行動するって言うんだもーん」
ぱいぱいがヌルヌルをあの人と言いながら頬を膨らませる。
「ま、終わってしまったものは仕方ない。先を進もう。この先に生き物の気配がする」
ようやく助態たちは荒涼とした場所から抜けられそうだった。
●
そこは小さな集落だった。
陰湿な雰囲気の魔界の中で、どこか荘厳さがあった。
天までそびえるのではないかと思える塔に、木造の家が建ち並ぶ中にレンガで大きな立派な建物。
『なんだ? ちょっと違うけど教会の雰囲気に似ていなくもないな』
レンガの建物は、助態がそう間違えるのも無理はなかった。
レンガの建物の屋根には黒くて大きな羽のモチーフが飾られ、窓ガラスは大小さまざまなキラキラ光る石で縁取られており、ステンドグラスを思わせる。
「堕天使の集落だ」
ちんちんが呟く。
「堕天使?」
ティーパンが聞き返す。
聞いたことない種族のようだが、逆に助態は聞きなれていた。
「天使が堕天。つまり悪魔に陥ちてしまうことですよ。理由は様々ですけど、嫉妬とか高慢が原因で創造主である神に逆らったことが原因だと言われてます」
「そうそう。それで天界にいられなくなった天使が半分悪魔になって魔界に住んでるのさ。まぁ、他のモンスターからも疎まれてるから、こうやって離れた場所で集落を作ってるんだよ」
まんまんが頷く。
少し鬼侍女三姉妹がおどおどしているのがちょっと気になる。
「どうした?」
すかさずティーパンが訊く。
しかしその答えは別のところから返ってきた。
「またモンスターか!」
「オレ達を倒しにきたのか!」
「人間とまで手を組むとは地に落ちたか!」
次々と集落から黒い羽の天使が現れては、そこら中にある物を構わず投げてきた。
中には刃物や火が付いた物まである。
「まずい!」
ティーパンが素早くちあと鬼侍女三姉妹を守る。
「ウチらは敵じゃないっす」
そう言いながら騎士のぱいおが全員の盾になる。
「なんでモンスターがこの集落に来た!知ってるでしょ堕天使はモンスターから疎まれてるって。そしてそれは堕天使も知ってる。モンスターを見たら過剰な反応をすることがあるに決まってるだろ!」
1匹の堕天使が助態たちの目の前に現れて助態の手を引っ張る。
「こっちに!」
レンガ造りの教会のような建物に助態たちを引っ張って行った。
「助かった。ありがとう」
怒号がまだ外でしているが、腐っても元天使。
教会にまでは攻めてこないようだ。
息を切らしながら助態がお礼を言う。
「あんたは、勇者か――」
助けてくれた堕天使が助態の顔を見て驚く
●
「怪我、大丈夫か?」
ヌルヌルがもふともに聞く。
先ほどの大地割れでもふともは足に怪我を負っていた。
「ア、私は平気。それよりヌルヌル、あなたの方が重傷じゃない」
自分のことをアタイと言おうとして、今ここには2人しかいないことを思い出したもふともが言い直す。
助態たちには見せない女らしい話し方と優しさだ。
見ればヌルヌルも足に怪我を負っていた。
「こいつが治るまでは動けないな……」
ちっ。とヌルヌルが短く舌打ちをする。
「ごめん。私をかばってヌルヌルまで怪我を」
「何言ってんだ。もふともを守るのは当たり前だろ?」
にぃっと悪戯っぽく笑みを浮かべた後に、痛みで顔をしかめた。
見るとヌルヌルの足からは、ドクドクと血が溢れていた。
もふともの足はそこまで血は出ておらず、骨折もしていなかった。
「肩を貸すよ」
そう言うもふともをやんわりとヌルヌルが断る。
怪我をしていても男子だ。
「少し休めば血も止まるし痛みも引く。そうしたら移動しよう」
「止めた方がいいよ」
もふともとヌルヌルの会話に別の人物が割り込んできた。
ここはモンスターの世界。いわば敵地だ。
慌ててもふともとヌルヌルが辺りを見渡すと、鬼侍女がそこに立っていた。
それもちんちんやぱいぱいやまんまんとは違う明らかに成人のだ――
更に地中からゴゴゴゴゴという轟音と硫黄臭で聴覚と嗅覚も封じられている。
仲間との意思疎通が取り辛い状況だ。
時間にしておよそ3分間、ルブマの元へ駆けつけられずに全員がその場で立ち止まるしかなかった。
しかし、その後今までのが嘘だったかのように霧は晴れていき、やや立ち込める程度になった。
轟音もしなくなり、硫黄の匂いも消えていた。
「さっきのは何だったんすか?」
涙目になりながらぱいおが言う。
「夜明けの終焉だよ。いつも夜明けの終わりの後に短い時間だけ起こるんだ」
ちんちんがそう答える声がティーパンにも聞こえる。
『どうやらみな無事なようだな』
そう思いながら、ルブマの隣でティーパンは頭を抱える。
「さて、どうしたものか……」
「どうしたんで――」
駆けつけた助態も言葉の続きを失う。
目の前に巨大な地割れが起きていたのだ。
どうやら夜明けの終わりが原因で起きたと考えられる。
しかも運の悪いことに、地割れの先にヌルヌルともふともだけが居た。
「おーい!」
地割れの向こうからヌルヌルが声をかけてくる。
「全員無事なようだ」
ヌルヌルが安心したような声を出す。
目の前の巨大な地割れは、通常の人間であれば渡ることはできない。
「双頭蛇を出して橋にして渡るから待っててくれ」
ティーパンが呪文を詠唱しようとすると、ヌルヌルが待ったをかけた。
「そんなことをしたら魔界の住人にこの場所がバレる危険性がある。俺たちは俺たちで独自に動くから、雷獄の洞窟の前で待ち合わせしないか?」
「どうする? 勇者」
相変わらずティーパンは助態に判断を委ねる。
「分かった! 気をつけてくれ!」
助態がそう言うと、ヌルヌルは手だけ振って姿が見えなくなった。
●
「それにしてもさっきの匂いは強烈だったすねー」
ぱいおが街道を進みながら隣の助態に言う。
「あぁ。硫黄みたいな匂いだな。俺が前生きてた世界ではよく温泉であんな匂いがしてたな」
「助態さんの世界では、温泉がおならみたいな匂いするんすか!」
ぱいおが衝撃を受けたかのような顔をする。
「あの匂いウチのおならと同じ匂いだったっすよ!」
「いや、そういう匂いがする温泉もあるってだけだよ。それにしてもぱいおのおならは臭いのかー」
ニヤニヤしながら助態がぱいおをいじる。
「なんすか? 助態さんに言葉責めされても感じないっすよ」
そう言うなりぱいおはなんと、助態に握り屁をかました。
「ぐあっ! なんだこの匂い!」
「ウチの勝ちっすね」
なぜかぱいおが勝ち誇る。
助態たちはヌルヌルと別れてから何事もなく順調に進んでいた。
順調すぎて暇になった助態とぱいおがふざけ始めたところだった。
「相変わらずだねー。いい加減緊張感というのを持ったらどうなんだい?」
ティーパンが呆れたように注意する。
「それにしてもさ、この魔界って毎日のようにこうも破壊されているといずれ崩壊しそうじゃない?」
助態の言う破壊とは、夜明けや夜明けの終わりの現象のことだろう。
「確かに毎回大きな地割れや巨大な穴が空くのはヤバい気がするっす」
「大丈夫だよ。なぜか夜には元に戻ってるから」
後ろからぱいぱいが何でもないという感じで言う。
「え! それを先に言ってくれればいいのに」
助態が振り返って言う。
それを知ってればわざわざヌルヌルたちと別行動を取ったりしなかったのに。と。
「だっていう前にあの人が別行動するって言うんだもーん」
ぱいぱいがヌルヌルをあの人と言いながら頬を膨らませる。
「ま、終わってしまったものは仕方ない。先を進もう。この先に生き物の気配がする」
ようやく助態たちは荒涼とした場所から抜けられそうだった。
●
そこは小さな集落だった。
陰湿な雰囲気の魔界の中で、どこか荘厳さがあった。
天までそびえるのではないかと思える塔に、木造の家が建ち並ぶ中にレンガで大きな立派な建物。
『なんだ? ちょっと違うけど教会の雰囲気に似ていなくもないな』
レンガの建物は、助態がそう間違えるのも無理はなかった。
レンガの建物の屋根には黒くて大きな羽のモチーフが飾られ、窓ガラスは大小さまざまなキラキラ光る石で縁取られており、ステンドグラスを思わせる。
「堕天使の集落だ」
ちんちんが呟く。
「堕天使?」
ティーパンが聞き返す。
聞いたことない種族のようだが、逆に助態は聞きなれていた。
「天使が堕天。つまり悪魔に陥ちてしまうことですよ。理由は様々ですけど、嫉妬とか高慢が原因で創造主である神に逆らったことが原因だと言われてます」
「そうそう。それで天界にいられなくなった天使が半分悪魔になって魔界に住んでるのさ。まぁ、他のモンスターからも疎まれてるから、こうやって離れた場所で集落を作ってるんだよ」
まんまんが頷く。
少し鬼侍女三姉妹がおどおどしているのがちょっと気になる。
「どうした?」
すかさずティーパンが訊く。
しかしその答えは別のところから返ってきた。
「またモンスターか!」
「オレ達を倒しにきたのか!」
「人間とまで手を組むとは地に落ちたか!」
次々と集落から黒い羽の天使が現れては、そこら中にある物を構わず投げてきた。
中には刃物や火が付いた物まである。
「まずい!」
ティーパンが素早くちあと鬼侍女三姉妹を守る。
「ウチらは敵じゃないっす」
そう言いながら騎士のぱいおが全員の盾になる。
「なんでモンスターがこの集落に来た!知ってるでしょ堕天使はモンスターから疎まれてるって。そしてそれは堕天使も知ってる。モンスターを見たら過剰な反応をすることがあるに決まってるだろ!」
1匹の堕天使が助態たちの目の前に現れて助態の手を引っ張る。
「こっちに!」
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「助かった。ありがとう」
怒号がまだ外でしているが、腐っても元天使。
教会にまでは攻めてこないようだ。
息を切らしながら助態がお礼を言う。
「あんたは、勇者か――」
助けてくれた堕天使が助態の顔を見て驚く
●
「怪我、大丈夫か?」
ヌルヌルがもふともに聞く。
先ほどの大地割れでもふともは足に怪我を負っていた。
「ア、私は平気。それよりヌルヌル、あなたの方が重傷じゃない」
自分のことをアタイと言おうとして、今ここには2人しかいないことを思い出したもふともが言い直す。
助態たちには見せない女らしい話し方と優しさだ。
見ればヌルヌルも足に怪我を負っていた。
「こいつが治るまでは動けないな……」
ちっ。とヌルヌルが短く舌打ちをする。
「ごめん。私をかばってヌルヌルまで怪我を」
「何言ってんだ。もふともを守るのは当たり前だろ?」
にぃっと悪戯っぽく笑みを浮かべた後に、痛みで顔をしかめた。
見るとヌルヌルの足からは、ドクドクと血が溢れていた。
もふともの足はそこまで血は出ておらず、骨折もしていなかった。
「肩を貸すよ」
そう言うもふともをやんわりとヌルヌルが断る。
怪我をしていても男子だ。
「少し休めば血も止まるし痛みも引く。そうしたら移動しよう」
「止めた方がいいよ」
もふともとヌルヌルの会話に別の人物が割り込んできた。
ここはモンスターの世界。いわば敵地だ。
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