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まったりと
しおりを挟む「はいっ、どーぞ!」
今日はカレー。お母さんは夜ご飯を作ってから仕事に行くから、いつも一人でご飯を食べてた。
たまには人と食べるのもいいな。
「いただきまーす」
最初は緊張してた春くんも順応してきて普通にご飯を食べてる。美味しそう。
「親御さん今日はいないんですか?」
「うん、そーだよ。多分帰ってこないと思う」
そーいえば、普通に一緒にご飯食べてるけどちゃんとご家族に了解もらってるのかな?
春くんを見ると、それに気づいて。
「大丈夫ですよ。俺、一人暮らしですから。」
一人暮らし!!
「大人・・・!!」
犬っぽくてふわふわしてて可愛い春くんが今・・・!大人に見えた!
「そ、そーですかね?」
「うん!今度遊びに行かせてよー!」
僕が興奮気味に言うと、ピシッと固まってしまった。あれ、どーしたのかな。・・・やだった?
「・・・先輩。俺のことどー思ってます?」
むぅ、とあまり話に関係なさそうな質問をしてくる。な、何。どー思ってるって・・・
「可愛い後輩?」
ガックシと肩を落とす春くん。え、それ以外になにか・・・?
「やっぱダメでーす!先輩はうちに立ち入り禁止です!」
「えーなんでー!」
「なんででも~」
耳を赤くしてそっぽを向く所も、やっぱり可愛い。可愛い後輩。
ご飯が食べ終わって、一緒にテレビを見ることになった。テレビをつけると偶然〝 同性愛者!!〟
というニュースをしていた。
『最近は同性愛者が増えており、男性同士、女性同士でのカップルが急増しています。このことについて専門家はーー』
「・・・先輩はこの事についてなんて思います~?」
茶化した様に僕に聞く春くんの目はどこか真剣で。同じ様に茶化して答えることなんて出来なかった。
「僕は人それぞれ、だと思うよ。」
僕は男の人を好きにはならないと思うけど。なんて、何故か春くんには言えない、と思った。
「じゃあ、」
ソファーに隣同士で座ってテレビを見てた春くんが視線をこちらに向ける。
「俺が、もし先輩のこと好きって言ったら?」
「え、」
そこにはいつものふわふわとした春くんはいなかった。ゆるく口角が上がってはいるものの、自傷気味たその表情はもう見たくなかった。
「ねぇ、答えて先輩。」
好き、って、だって僕は男で春くんも男で。人それぞれなんて言ったけど自分がそうなるとは思えないわけで。
「ぼ、くは」
ぐるぐるぐるぐる思考が回って言葉なんて紡げない。言うことも決まってないのに意味のなく口を開いて、また閉じる。その繰り返しだった。
「なーんてねっ」
ぱっと両手を翻しておどけたようにいう春くんの表情はどこか寂しげで、例えるならば〝 待て〟と言われたゴールデンレトリバーだった。
「え、でも・・・」
「ほら、先輩。もう9時だから帰りますね?」
いつもの雰囲気で春くんはそう言って帰っていった。
『俺が、もし先輩のこと好きって言ったら?』
春くんの言葉がずーっとずーっと頭の中で鳴り響いてて、春くんは冗談だって言ったのにその答えを考えていた。
もし、春くんが僕のことを好きって言ったらー。
不思議と嫌ではない気がした。
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