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大きい人とその御一行
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今日は朝からなんだか気だるくて机に突っ伏している。授業はきちんと受けるものの、10分休みになるとこの調子だった。あと1時間授業を受ければ昼休みだ。もう少しの我慢・・・。
「おい湊。」
そんな問いかけにも応じる気にはなれない。ピクリとも動かない僕にイラッときたのか、揺さぶってきた。
なんだよ、と少し不機嫌に振り向くと昨日の大きい人が立っていた。
「なぁに黙ってんのぉ~?」
きゃははと口に手を当てて笑うけれど、今僕は何か喋らなければいけない状況だったのだろうか?
「お前、昨日忘れたとは言わせねーぞこら」
付き添いの方がずいっと前に出て怖い顔をしてくるけど、昨日・・・昨日といえば・・・
「昨日のことって・・・春くんに殴られたこと?」
確認をとるためにそう質問をするけど、それがダメだったのか額に青筋を浮かべて唾を飛ばしながら叫んでくる。汚い。
「お前舐めてんだろ。来いや。」
「え・・・それ今じゃないとダメかな・・・」
尋常じゃなくしんどいんだけど・・・。いつもなら軽く流して終わるはずなのに、今日はどこかに連れていかれるみたいだ。
女の子の方は、まさか連れていこうとするとは思わなかったみたいでちょっとオロオロしている。
「ねぇ、カズちゃんどこ連れてくのぉ~?」
カズちゃんと呼ばれた大きい人は女の人の言葉を無視して僕の腕を引っ張り無理やり立たせた。
「マナは来んな。」
そう吐き捨てて付き添いの方と一緒に僕を引きずって歩く。痛い・・・
連れてこられたのは男子トイレのようだ。ちょっとグレた男の子達がここでタバコを吸うから臭い。
「お前昨日の誰だよ。シメる。」
「・・・」
胸ぐらを掴まれ迫力のある顔を近づけられる。あいにく僕はそんなこと言われて口を滑らすほど素直じゃない。
「何黙ってんだよ!!」
ガッ、という鈍い音が僕の頭に響いて、それで殴られたって気づく。頬を殴られたようで口の中が切れて鉄臭い。
どうやら付き添いの方が僕を殴ったようで、少し手を痛そうにしている。そりゃ、人の顔グーで殴ったら痛いよね。
「いつまでも喋らねぇんならそれでいい。あいつのネクタイ・・・1年だろ。順番にクラスまわれば分かることだ。」
「っダメ、僕を気が済むまで殴ればいい。だから春くんは・・・!」
春くんは強いから、多分勝てるだろうけど。僕のせいで春くんが傷つくのはどうしても見たくなかった。
「うるせえ!」
グーで殴るのは痛いって学習したのか、今度は手をパーにして僕の頭を叩いた。かなり強く叩かれてバランスを崩し、トイレの床に倒れた。
ハラリと髪が落ちる。ゴムが切れたようだ。それでも春くんには手を出して欲しくなくて倒れたまま大きい人の目を見た。
ゴクリと、喉が鳴る音が聞こえた。
「そんなにあいつが好きなのかよ。」
大きい人に言われて考える。好きだけど。それはたんに後輩を想う気持ちで、それ以上はないはず。それに僕も春くんも男だ。
「わーった。あいつには手を出さねーよ。」
降参だと言うふうに両手をひらひら顔の横で振る。
「よかった・・・」
「でもその代わり。お前が奉仕、しろよ?」
歪んだ笑を浮かべて手を伸ばし僕の髪を掴んで顔を上げさせた。その目には明らかな欲が浮かんでいて、ゾクッと背筋が冷えた。
「おい湊。」
そんな問いかけにも応じる気にはなれない。ピクリとも動かない僕にイラッときたのか、揺さぶってきた。
なんだよ、と少し不機嫌に振り向くと昨日の大きい人が立っていた。
「なぁに黙ってんのぉ~?」
きゃははと口に手を当てて笑うけれど、今僕は何か喋らなければいけない状況だったのだろうか?
「お前、昨日忘れたとは言わせねーぞこら」
付き添いの方がずいっと前に出て怖い顔をしてくるけど、昨日・・・昨日といえば・・・
「昨日のことって・・・春くんに殴られたこと?」
確認をとるためにそう質問をするけど、それがダメだったのか額に青筋を浮かべて唾を飛ばしながら叫んでくる。汚い。
「お前舐めてんだろ。来いや。」
「え・・・それ今じゃないとダメかな・・・」
尋常じゃなくしんどいんだけど・・・。いつもなら軽く流して終わるはずなのに、今日はどこかに連れていかれるみたいだ。
女の子の方は、まさか連れていこうとするとは思わなかったみたいでちょっとオロオロしている。
「ねぇ、カズちゃんどこ連れてくのぉ~?」
カズちゃんと呼ばれた大きい人は女の人の言葉を無視して僕の腕を引っ張り無理やり立たせた。
「マナは来んな。」
そう吐き捨てて付き添いの方と一緒に僕を引きずって歩く。痛い・・・
連れてこられたのは男子トイレのようだ。ちょっとグレた男の子達がここでタバコを吸うから臭い。
「お前昨日の誰だよ。シメる。」
「・・・」
胸ぐらを掴まれ迫力のある顔を近づけられる。あいにく僕はそんなこと言われて口を滑らすほど素直じゃない。
「何黙ってんだよ!!」
ガッ、という鈍い音が僕の頭に響いて、それで殴られたって気づく。頬を殴られたようで口の中が切れて鉄臭い。
どうやら付き添いの方が僕を殴ったようで、少し手を痛そうにしている。そりゃ、人の顔グーで殴ったら痛いよね。
「いつまでも喋らねぇんならそれでいい。あいつのネクタイ・・・1年だろ。順番にクラスまわれば分かることだ。」
「っダメ、僕を気が済むまで殴ればいい。だから春くんは・・・!」
春くんは強いから、多分勝てるだろうけど。僕のせいで春くんが傷つくのはどうしても見たくなかった。
「うるせえ!」
グーで殴るのは痛いって学習したのか、今度は手をパーにして僕の頭を叩いた。かなり強く叩かれてバランスを崩し、トイレの床に倒れた。
ハラリと髪が落ちる。ゴムが切れたようだ。それでも春くんには手を出して欲しくなくて倒れたまま大きい人の目を見た。
ゴクリと、喉が鳴る音が聞こえた。
「そんなにあいつが好きなのかよ。」
大きい人に言われて考える。好きだけど。それはたんに後輩を想う気持ちで、それ以上はないはず。それに僕も春くんも男だ。
「わーった。あいつには手を出さねーよ。」
降参だと言うふうに両手をひらひら顔の横で振る。
「よかった・・・」
「でもその代わり。お前が奉仕、しろよ?」
歪んだ笑を浮かべて手を伸ばし僕の髪を掴んで顔を上げさせた。その目には明らかな欲が浮かんでいて、ゾクッと背筋が冷えた。
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