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第17回 武松、景陽岡のひと食い虎を退治すること
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男の大声聞きつけて、ばたばたと柴進たちが飛んできました。
「おい、この方は大切な客人なんだ、無礼があってはいけないよ」
「はいはい客人、客人ね。あっしだって立派な客人のつもりだがね。最初のころはあつかいも良かったが、いまじゃこんな隅っこあてがわれて病をやしなう身。“人に千日のよしみなく、花に昔日の紅さなし”とはよく言ったもんですな」
「そうくさるな、あんたこの押司さんを知らんから偉そうなことが言えるんだぞ」
「ああ知らん。どんなに凄い押司だって、鄆城の宋押司よりはしょっぱいからな」
柴進は大笑い。「宋押司のなにを知ってなさる?会ったこともなかろう」
「確かにないさ。でも天下のひとがいう、『宋公明は危うきを助け、貧しきを救う義の人だ、頭もあれば尻尾もある(態度が一貫している)』と。あっしはこの病が治ったら彼ンところに厄介になりに行くつもりだ」
「そんなに会いたいかね?」
「ああ会ってみたいね」
柴進、ゆびを指して「遠いと思えば十万里、近いとみれば目の前だよ」
「えっ。じゃあこのひとが?」
宋江ほほえんで「もうし遅れました、山東の黒三郎宋江です」
「ああ!あっしは夢を見てるんじゃないか、宋の旦那に会えるなんて!」
大あわてで先ほどの無礼を詫びます。
このそそっかしい大男の名は武松。清河県の住人で昔から腕っぷしでならしておりましたが、ある日酒席で地まわりの男をブン殴ってしまいました。相手が泡をふいて昏倒したもんですから、武松はてっきり死んだものと勘ちがい。逃げて逃げてこの滄州に来たというわけです。ほとぼりも冷め、相手も息を吹き返したと聞いていざ故郷に帰ろうとした矢先、おこり(マラリア)にかかったので静養につとめていたところでした。
宋江もひとづてに“清河の武二郎”の噂は聞いていましたから話しははずみ、ふたりはすぐに打ち解けました。服を新調したり小遣いをあげたり、宋江はなにかと武松の面倒をみてやります。右も左もわからぬ滄州の地ではじめて友人が出来たのが嬉しかったのです。
ひと月ののち。すっかり病も快癒した武松は、兄のいる故郷に戻ることにいたしました。
「そうか、いっちまうのか」
この時代、ひとたび離れれば、生きてまた会える保証はありません。宋江はさみしさを抑えられず二、三里も先まで送っていきます。
「名残り惜しいのはあっしも同じ。でももうじゅうぶんです。千里見送っても、さいごは別れ。ここまでにしましょう」
ふたりは義兄弟の約束をかわし、他日の再会を願ってわかれゆきました。
さて武松、どんどん歩みを進めてふるさと近くまで帰ってまいりました。
ここまで来ればと気が大きくなったか、さっそく街道ぞいの飯屋に入り、酒をなみなみと注いでもらいます。
「うーん、故郷の酒はうまい!」もう一杯、もう一杯と重ねるうち、しらず十五杯も呑んでしまいました。
へべれけの武松、勘定をすませると千鳥足のままとうげの方へ歩いていきます。店主あわてて飛び出し、
「お客さん、おもてのお触れ書きを見ずに入ったね。『三杯のんだらとうげは越えるな、夜は越えるな、ひとりで越えるな』あんたぜんぶに引っかかっとる。今日はもうあきらめて、明日なかまを募んなさい」
「ふざけるな、自分の店に泊めたいだけだろ、これしきの酒がこわい武二郎さまじゃないぞ」
「あんたもわからん人だな、この先の景陽岡にひと食い虎が出るんだよ。もう何十人もやられとるんだから」
「このあたりは勝手知ったるわが庭のようなもの。虎がいるなど聞いたこともない。あっしはいくぞ」
店主はあきれ返ってもう追ってきませんでした。
のっしのっしと大股でゆく武松、峠のなかほどにたどり着くと、いたるところに役所の看板がございます。どれもこれもでかでかと「虎出没注意!」の文字。
「しまった、こりゃほんとに出るのか」
しかしここで引き返せば、ふもとの店主に鼻で笑われること必至です。
「ええい何とかなるだろ、のぼっちまえ!」
ところがさっき呑んだ地酒がようやく五体に回ってきて、一気に足どりが重くなります。てっぺん近くの岩場までヨロヨロ歩いていましたが、豪気なことにそのまま大の字になって寝てしまいました。
どれくらい経ったか、岩場のかげからひたいの白い巨大な虎がヌウッとすがたをあらわしました。音に気づいた武松、がばとはね起きるや棍棒をかまえて対峙いたします。するどい爪、爛々たるまなこ、何という獰猛ななりでしょうか、満身の汗とともにあっという間に酒の気は吹き飛んでしまいました。
虎はうなりをあげて吠えかかるや、前足の一撃を見舞います。まともにくらえばまず命はないでしょう。これを武松さっと左によけ、そのまま後方に回り込みます。うしろを取られるのは虎とて嫌なもの、すかさず後足でひっかきますがこれも避け、間髪入れぬ尻尾のひと振りもかわします。
およそ虎というやつ、性分が短期決戦にできており、ひと撃ち、ひと蹴り、ひと払いの三撃に総身の力をこめるもの。いずれもかわされた今となってはその威力も半減です。
反撃のときと見てとった武松、棍棒を勢いよく振り下ろしますが、不運にも枯れ枝に当たって棒はふたつに割れてしまいました。
「なんの、まだ親からもらった拳がふたつある」と勇気を捨てず、こんどは相手のあたまを抑えこみにかかります。虎は景陽岡をもゆするばかりの唸り声をたてて抵抗しますが、武松の大力の前にはどうすることも出来ません。馬のりになった武松は拳固といわず足といわず肘といわず、五体あらゆるところを武器にしてさんざ殴りつけます。虎は前足ばたつかせ、大きな泥穴をこしらえましたがぐいぐいとそこへ落ちてゆくばかり。七十ぺんも殴ったころ、ついに血を吹いて死んでしまいました。たったひとりの人間が、素手で大虎に勝利したのです。
「われながらよくやったもんだ。さあこの戦果をしたまで引っ張っていくか」
と虎のむくろに手をかけましたが、さすがの豪傑も力を使いはたしたか、腕も足もへなへなで到底もち上がりません。ふもとに知らせにいこうと歩きはじめた矢先、枯れ草の茂みがガサッと揺れて、なんとまた二匹も虎があらわれたのです!
「もうダメだ!いよいよお陀仏だ!」
ところがよく見るとそいつは虎にあらず、二本の足で立って歩きはじめたではありませんか。人間の猟師が虎の皮を被っていたのです。
「大胆な人もいるもんだなあ、こんな夜更けにひと食い虎の出るみちを歩くなんて。わしらにも駆除命令が出とるんだが、ほとほと困っとるよ」
「ああ、その虎さんなら殺しておいた。そこで錦みたいにドロッと伸びてるよ」
「殺したって?毒矢も刺叉もないあんたが、どうやって?」
「殴るよりほかなかったんだ」
半信半疑の猟師たちを連れてもどると、ふたりともびっくり仰天。
「あ、あんたはヒョウの肝かクジラの心臓でも喰らったのか。とても人間わざとは思えん」
夜が明けるとふもとの村からも大勢集まってきました。みな凶暴な虎に手を焼いていたため、口々に武松の勇気をたたえます。人びとは輿をふたつ組んでひとつに武松、ひとつに虎をのせ、県城まで大名行列のように練り歩きました。
沿道は虎退治の英雄を見ようと黒山の人だかりです。知事もよろこび、武松には一千貫の報奨金が与えられました。しかし彼はどこまでもあっさりした男、
「あっしはたまさか虎に行き当たったから倒せたまでのこと。それより地元の猟師さんがたはご苦労されたでしょう。皆さんで分けておくんなさい」
と貰ったお金をみなあげてしまいましたから、豪傑武松の勇名はさらに轟くこととなったのです。
流れ者からいちやく英雄に出世した武松。このよろこびを誰より分かち合いたいのが、たったひとりの肉親である兄の武大郎です。
勇んで紫石街にある借家に向かってみると、なんと会いたかった兄は死に、もう葬式さえ終わったあとだといいます。
出迎えてくれたのは兄嫁の潘金蓮。
「義姉さん非道いじゃありませんか、便りをよこしてくれたって良いのに」
「ごめんなさいね二郎さん。うちの人はある晩きゅうに胸が痛いと苦しみだしたの。そりゃもうお薬はたんと飲ませたし、神さま仏さまにだってお祈りしたわ。でも良くならなくって、八、九日もしたら死んでしまったのよ」
「兄さんは心の臓に病なんてなかったが」
「“天気はきまぐれ、禍福はうたかた”っていうでしょう。あっという間だったの」
喪服に着がえた武松、位牌のまえでおいおいと涙を流しますが、やはり釈然といたしません。
「昔ッから兄さんは優しいのがとりえ。でも風采があがらぬもんだから皆に軽んじられていたっけ。俺はそれが辛抱ならんで、よく虐める奴らをぶん殴ってやったもんだ。兄さん、霊魂になってその辺にいなさるなら教えてくれ。俺がいない隙にあんたを殺そうとした奴がいるんだろう?」
「おい、この方は大切な客人なんだ、無礼があってはいけないよ」
「はいはい客人、客人ね。あっしだって立派な客人のつもりだがね。最初のころはあつかいも良かったが、いまじゃこんな隅っこあてがわれて病をやしなう身。“人に千日のよしみなく、花に昔日の紅さなし”とはよく言ったもんですな」
「そうくさるな、あんたこの押司さんを知らんから偉そうなことが言えるんだぞ」
「ああ知らん。どんなに凄い押司だって、鄆城の宋押司よりはしょっぱいからな」
柴進は大笑い。「宋押司のなにを知ってなさる?会ったこともなかろう」
「確かにないさ。でも天下のひとがいう、『宋公明は危うきを助け、貧しきを救う義の人だ、頭もあれば尻尾もある(態度が一貫している)』と。あっしはこの病が治ったら彼ンところに厄介になりに行くつもりだ」
「そんなに会いたいかね?」
「ああ会ってみたいね」
柴進、ゆびを指して「遠いと思えば十万里、近いとみれば目の前だよ」
「えっ。じゃあこのひとが?」
宋江ほほえんで「もうし遅れました、山東の黒三郎宋江です」
「ああ!あっしは夢を見てるんじゃないか、宋の旦那に会えるなんて!」
大あわてで先ほどの無礼を詫びます。
このそそっかしい大男の名は武松。清河県の住人で昔から腕っぷしでならしておりましたが、ある日酒席で地まわりの男をブン殴ってしまいました。相手が泡をふいて昏倒したもんですから、武松はてっきり死んだものと勘ちがい。逃げて逃げてこの滄州に来たというわけです。ほとぼりも冷め、相手も息を吹き返したと聞いていざ故郷に帰ろうとした矢先、おこり(マラリア)にかかったので静養につとめていたところでした。
宋江もひとづてに“清河の武二郎”の噂は聞いていましたから話しははずみ、ふたりはすぐに打ち解けました。服を新調したり小遣いをあげたり、宋江はなにかと武松の面倒をみてやります。右も左もわからぬ滄州の地ではじめて友人が出来たのが嬉しかったのです。
ひと月ののち。すっかり病も快癒した武松は、兄のいる故郷に戻ることにいたしました。
「そうか、いっちまうのか」
この時代、ひとたび離れれば、生きてまた会える保証はありません。宋江はさみしさを抑えられず二、三里も先まで送っていきます。
「名残り惜しいのはあっしも同じ。でももうじゅうぶんです。千里見送っても、さいごは別れ。ここまでにしましょう」
ふたりは義兄弟の約束をかわし、他日の再会を願ってわかれゆきました。
さて武松、どんどん歩みを進めてふるさと近くまで帰ってまいりました。
ここまで来ればと気が大きくなったか、さっそく街道ぞいの飯屋に入り、酒をなみなみと注いでもらいます。
「うーん、故郷の酒はうまい!」もう一杯、もう一杯と重ねるうち、しらず十五杯も呑んでしまいました。
へべれけの武松、勘定をすませると千鳥足のままとうげの方へ歩いていきます。店主あわてて飛び出し、
「お客さん、おもてのお触れ書きを見ずに入ったね。『三杯のんだらとうげは越えるな、夜は越えるな、ひとりで越えるな』あんたぜんぶに引っかかっとる。今日はもうあきらめて、明日なかまを募んなさい」
「ふざけるな、自分の店に泊めたいだけだろ、これしきの酒がこわい武二郎さまじゃないぞ」
「あんたもわからん人だな、この先の景陽岡にひと食い虎が出るんだよ。もう何十人もやられとるんだから」
「このあたりは勝手知ったるわが庭のようなもの。虎がいるなど聞いたこともない。あっしはいくぞ」
店主はあきれ返ってもう追ってきませんでした。
のっしのっしと大股でゆく武松、峠のなかほどにたどり着くと、いたるところに役所の看板がございます。どれもこれもでかでかと「虎出没注意!」の文字。
「しまった、こりゃほんとに出るのか」
しかしここで引き返せば、ふもとの店主に鼻で笑われること必至です。
「ええい何とかなるだろ、のぼっちまえ!」
ところがさっき呑んだ地酒がようやく五体に回ってきて、一気に足どりが重くなります。てっぺん近くの岩場までヨロヨロ歩いていましたが、豪気なことにそのまま大の字になって寝てしまいました。
どれくらい経ったか、岩場のかげからひたいの白い巨大な虎がヌウッとすがたをあらわしました。音に気づいた武松、がばとはね起きるや棍棒をかまえて対峙いたします。するどい爪、爛々たるまなこ、何という獰猛ななりでしょうか、満身の汗とともにあっという間に酒の気は吹き飛んでしまいました。
虎はうなりをあげて吠えかかるや、前足の一撃を見舞います。まともにくらえばまず命はないでしょう。これを武松さっと左によけ、そのまま後方に回り込みます。うしろを取られるのは虎とて嫌なもの、すかさず後足でひっかきますがこれも避け、間髪入れぬ尻尾のひと振りもかわします。
およそ虎というやつ、性分が短期決戦にできており、ひと撃ち、ひと蹴り、ひと払いの三撃に総身の力をこめるもの。いずれもかわされた今となってはその威力も半減です。
反撃のときと見てとった武松、棍棒を勢いよく振り下ろしますが、不運にも枯れ枝に当たって棒はふたつに割れてしまいました。
「なんの、まだ親からもらった拳がふたつある」と勇気を捨てず、こんどは相手のあたまを抑えこみにかかります。虎は景陽岡をもゆするばかりの唸り声をたてて抵抗しますが、武松の大力の前にはどうすることも出来ません。馬のりになった武松は拳固といわず足といわず肘といわず、五体あらゆるところを武器にしてさんざ殴りつけます。虎は前足ばたつかせ、大きな泥穴をこしらえましたがぐいぐいとそこへ落ちてゆくばかり。七十ぺんも殴ったころ、ついに血を吹いて死んでしまいました。たったひとりの人間が、素手で大虎に勝利したのです。
「われながらよくやったもんだ。さあこの戦果をしたまで引っ張っていくか」
と虎のむくろに手をかけましたが、さすがの豪傑も力を使いはたしたか、腕も足もへなへなで到底もち上がりません。ふもとに知らせにいこうと歩きはじめた矢先、枯れ草の茂みがガサッと揺れて、なんとまた二匹も虎があらわれたのです!
「もうダメだ!いよいよお陀仏だ!」
ところがよく見るとそいつは虎にあらず、二本の足で立って歩きはじめたではありませんか。人間の猟師が虎の皮を被っていたのです。
「大胆な人もいるもんだなあ、こんな夜更けにひと食い虎の出るみちを歩くなんて。わしらにも駆除命令が出とるんだが、ほとほと困っとるよ」
「ああ、その虎さんなら殺しておいた。そこで錦みたいにドロッと伸びてるよ」
「殺したって?毒矢も刺叉もないあんたが、どうやって?」
「殴るよりほかなかったんだ」
半信半疑の猟師たちを連れてもどると、ふたりともびっくり仰天。
「あ、あんたはヒョウの肝かクジラの心臓でも喰らったのか。とても人間わざとは思えん」
夜が明けるとふもとの村からも大勢集まってきました。みな凶暴な虎に手を焼いていたため、口々に武松の勇気をたたえます。人びとは輿をふたつ組んでひとつに武松、ひとつに虎をのせ、県城まで大名行列のように練り歩きました。
沿道は虎退治の英雄を見ようと黒山の人だかりです。知事もよろこび、武松には一千貫の報奨金が与えられました。しかし彼はどこまでもあっさりした男、
「あっしはたまさか虎に行き当たったから倒せたまでのこと。それより地元の猟師さんがたはご苦労されたでしょう。皆さんで分けておくんなさい」
と貰ったお金をみなあげてしまいましたから、豪傑武松の勇名はさらに轟くこととなったのです。
流れ者からいちやく英雄に出世した武松。このよろこびを誰より分かち合いたいのが、たったひとりの肉親である兄の武大郎です。
勇んで紫石街にある借家に向かってみると、なんと会いたかった兄は死に、もう葬式さえ終わったあとだといいます。
出迎えてくれたのは兄嫁の潘金蓮。
「義姉さん非道いじゃありませんか、便りをよこしてくれたって良いのに」
「ごめんなさいね二郎さん。うちの人はある晩きゅうに胸が痛いと苦しみだしたの。そりゃもうお薬はたんと飲ませたし、神さま仏さまにだってお祈りしたわ。でも良くならなくって、八、九日もしたら死んでしまったのよ」
「兄さんは心の臓に病なんてなかったが」
「“天気はきまぐれ、禍福はうたかた”っていうでしょう。あっという間だったの」
喪服に着がえた武松、位牌のまえでおいおいと涙を流しますが、やはり釈然といたしません。
「昔ッから兄さんは優しいのがとりえ。でも風采があがらぬもんだから皆に軽んじられていたっけ。俺はそれが辛抱ならんで、よく虐める奴らをぶん殴ってやったもんだ。兄さん、霊魂になってその辺にいなさるなら教えてくれ。俺がいない隙にあんたを殺そうとした奴がいるんだろう?」
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