最強目指す脳筋令嬢は婚約破棄されたい

寿司

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1年生・春

第25話 戦士科最強の男

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 ゼノと約束してからはや数日。私はきっかり約束を守っていました。
 んで、今私は久々にマリーとは、学園内のカフェで優雅におやつタイムなのです。
 
 うん、前会ったときよりマリーの顔色は良いし、何より楽しそうだ。

 そして他愛ない雑談をしてる内に、とある先輩の話になった。

「ユノさん知ってますか? 一番戦闘王バトルマスターに近い男子生徒が今行方不明らしいですよ」

「バトルマスター? 」

「はい、戦士科で一番の成績を取って卒業した人のことを戦闘王バトルマスターって呼ぶんです」

 戦闘王バトルマスターか、中々強そうな響き!
 出来れば手合わせしてみたいところだ。

「へー、何て名前の人なの? 」

「確か、ヤナギという名前だったと思います。あ、もしかしてユノさん会ってみたいと思ってるでしょ? 危ないですよ、彼は学園一の不良で、先生たちも手が付けられないみたいで……」

 あら、ばれちゃった。
 でも甘いぞマリー! そんなことじゃ私は止まれない!

「そりゃ会ってみたいけどさ、行方不明なんでしょ? 何か事件にでも巻き込まれたんじゃあ……」

 するとマリーがずいと私の耳元に顔を寄せた。

「ここだけの話なんですけど、どうやらその人は定期的に姿を消すらしいんです。そしてその度目撃されるのは城下町の裏路地、まぁあまり治安の良くない不良のたまり場みたいなんです」

「ふーん、定期的に、ね」

 何だかその先輩には秘密がありそうだ。私はゴクリと優雅に紅茶を飲みほすと、さっそくその不良のたまり場とやらに行ってみることにしたのである。

◇◇◇

 カフェを後にした私は、城下町の裏路地にたどり着いた。うん、大通りの華やかさとはうって変わって、いつもここは薄暗くて気味が悪い。

 人気が嫌に少ないし、たまに誰かいたかと思ったら大抵目がイってるやばそうなやつか不良だ。

「ユノさん、やっぱり帰りましょうよ……危ないですよ」

「へーきへーき。ってマリーもついてきたの? 」

「一人になんて出来ませんよ! 安心してくださいもしユノさんが怪我したら回復魔法で治してあげますね! 」

 それは良い。でもね……。

 ビクビク震えながら私の後ろにぴったり張り付くマリー。うう、動きずらい!

「で、ヤナギってどんな人なの? 」

「えーっと、凄く背が高くて……暗い髪色で……」

「そんな人いっぱいいるよ……もっと具体的な情報は」

「あー、目つきが悪くて真っ赤な瞳が特徴らしいですよ」

「真っ赤な瞳ねぇ……」

 まあそれならある程度絞れそうだ。

 そのとき

「やぁお嬢ちゃんたち、何か探し物? 」

 歯がやけにボロボロな男のグループがいつの間にか私たちを囲んでいた。
 ちっ、めんどくさそうなやつらに遭遇しちゃったな……。

「まーね、でも今日は見つかりそうにないから帰るわ」

「冷たいねー、てかお嬢ちゃんたち二人ともめっちゃ可愛いじゃん。どう? 俺らと遊ばない? 」

「そりゃどーも、でもそれはまた今度にしとくわ」

 マリーの手を引いて引き返そうとしたが、男たちに道を塞がれた。
 
「いやいや、まだ早いよ。というか、帰すつもりないから」

「……へぇ、何して遊ぼうか? 」

 マリーを自身の背に隠し、私は拳を強く握りしめた。不良ボコボコゲームなんてどうだろうか? 提案してみたらのってくれるかしら? 

「お、白い髪のお嬢ちゃん乗り気だね~! 俺この娘も~らい」

「じゃあ俺はこの金髪の方で」

「ずるいぞ! 終わったら次貸せよ」

 一人の男が私の手首をグイと掴んだ。それが戦闘開始の合図になる……はずだった。

 次の瞬間、彗星の如く飛び込んできた何かに吹き飛ばされる男、何!? 私は思わず吹っ飛ばされた男の方に視線を向ける。

 完全に気絶している男を見下ろす『誰か』。

 顔まで深くフードを被っているのではっきりとは見えないが、おそらく長身の男のようだった。

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