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1年生・春
第28話 暴走を止められるのは私だけ?
しおりを挟む「よーし、コロッケ! この匂いを辿るぞ!」
「ワン♪ 」
裏通りのどこかにいるというヤナギを探して、私とコロッケは執念深く探索してる最中であった。
絶対見つけてその強さ、確かめてやるんだから!
すると、コロッケが何かを見つけたようで激しく吠えた。
え、もう見つけたの? と期待に胸を膨らませつつそちらに向かうと、そこには倒れている見知らぬおじさん。
顔面を強く殴られているのか痛ましい血痕が残されていた。
「……ぐ……。気を付け……ろ、あいつは化け物だ……」
私に気がついたおじさんが薄く目を開き、呻き声をあげる。
「おじさん、何があったの? 一体これは……」
「のっぽな男がいたか……ら、かつあげしてやろ……うと思って……」
「で、返り討ちにされたってわけね。なーんだ心配して損した」
私は雑におじさんを地面に落とす。自分から仕掛けといて情けないわ~。
「いてっ……だが、やつの赤い目……普通じゃなかっ……た……」
とだけ言うと、おじさんはガクリと気を失った。
さて、どうしようか。私には回復魔法は使えないし……。
「うーん、まあヤナギがこの辺りにいるってのは確かみたいね。コロッケ、このおじさんを教会にでも放り出しといて」
「クゥン……」
私が一人になることを心配しているらしいコロッケが耳をパタリと寝かせた。
「だいじょーぶだいじょーぶ! 私を誰だと思ってるの? 負けやしないわよ」
にっこり笑って見せると、観念したのか渋々おじさんを口にくわえると、そのままコロッケは走り去っていった。
よしよし、良い子だ。
「さーて、進んでみますかね」
私は路地の更に奥へと足を進めていった。
◇◇◇
ドンドン奥に進んで行くと、辺りの雰囲気も段々と変わってくる。
人気がなく、どこか異世界にでも来た気分だ。あ、もうここが異世界だったわ。
「うーん、いないな~。道間違えたかな? 」
やっぱりコロッケを待ってた方が良かったかも、そう思い引き換えそうとしたとき、少し開けた場所で、何かの唸り声が耳に届いた。
コロッケとはまた違う、獣の唸り。
まさか魔物が入り込んできてるの? 私は魔物をボコボコにしてすっきりして今日は帰ろうと思い、そちらの方に近づく。
しかし、そこにいたのは長身の青年。向こうを向いているため顔は見えないがおそらくヤナギだろう。
「見つけた! ヤナギ……今日こそ!! 」
ヤナギは答えない。
ただ、小刻みに震えている気がする。何だか様子がおかしいヤナギに、私は思わず肩を掴む。
「ちょっとヤナギ? どうした……」
「俺に……な」
「え? 」
「俺に近づくなあああああああ!!!! 」
次の瞬間、私に飛び掛かってきたヤナギの目は、怪しいぐらいの赤色に染まっていた。
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