外れ職業の旅芸人(LV.15)だったけれど、呪いの装備を使いこなせるチートに目覚めました

寿司

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闘技大会の街 コロセウム

第16話 エントリー完了

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  朝食を食べ終えた僕らは闘技場へと向かった。目を引くドーム型のその建物はこの町のどこにいても存在感を放つ。

  近付くに連れて殺気立った男たちが増えている気がした。

「なんか……ピリピリしてるね」

  リオンがこっそりと耳打ちする。

「だね、これが闘技大会か」

「何だ~? お前ら闘技大会は初めてか? 」

  僕らの会話を聞いていた大男が不意に声をかけてきた。筋肉隆々な男は一目で武道家であると分かった。
 身体中についたその傷からただ者ではないオーラが漂っていた。

「そうなんです、初めて来たものでして」

「ふ~ん、ヒョロい男にやせっぽちのガキか。闘技大会で上位に入るとは思えないなぁ」

「ですよね、ははは」 

 ヒョロい男と言われて少し傷つく僕。そうか……第三者から見ても僕はヒョロいのか……。
 一応体を鍛えていたのだけど、悲しいかな、やはり旅芸人という職業であるためそうそうパラメータは伸びない。

 こういうのに参加するのは専ら戦士や騎士、それに魔法使いといった攻撃専門の職業の人たちだ。

「でもま、参加賞で5000ガルド貰えるらしいしこれを狙うのも良いかもしれないぞ。治療費で全部消えるかもしれないがな」

  ガハハと豪快に笑い、その大男は人混みの中へと消えていった。

「……リオン聞いた? 」

「うん、5000ガルド」

  参加するだけでそんなに貰えるなんて正直美味しい。僕は金に目がくらみ、闘技大会とやらに参加することを決めたのである。

◇◇◇

  闘技場に入った僕は参加登録をすることになった。あ、リオンは勿論観客だ。本人は出てみたい! と言っていたが流石にそんなことは出来ない。

  そして名前の記入を求められ、
 『ノア=ディフェンシオ』、と書こうとしてぴたりとペンが止まる。

  今この町にはあの女騎士が僕を探して目を光らせている。馬鹿正直に本名なんて書いたら捕まえてくださいと言っているようなものだ。

「どうしましたか? 」

  受付のおねーさんも怪訝そうに僕の手が動くのを待っている。まずい、怪しいやつと思われたら終わりだ。

  何か良い名前は……。

「リヒト」

  ポツリとリオンが呟いた。

「え? 」

「リヒトお兄ちゃん、自分の名前も忘れちゃったの? 」

「あ、ああうっかりしてたよ」

  僕は慌てて書類にリヒト、と記入するとお姉さんに手渡す。

「職業は何ですか?」

「えっと……」

 旅芸人なのだが、このことを馬鹿正直に言って良いものなのだろうか。
 しかし僕の顔色を察してか、受付のお姉さんはこう付け加えた。

「ああ、無理に申告しなくても大丈夫ですよ。職業は内緒っていうのもありです」

「そうなんですね、では内緒でお願いします」

 お姉さんはしばし書類に目を通したあと、はいエントリー完了です。と明るい笑顔を向けた。

  その後直ぐにルール説明が始まり、アイテムは持ち込み禁止だが武器防具に関しては自由とのこと。制限時間以内に相手を気絶させるか降参させれば勝ちらしい。

  なるほどシンプルだ。

「開催は明日ですので今日はゆっくりお休みください。こちらの札を見せて頂ければ無料で宿に泊まれますよ」

  こうして手渡された木札を受け取り、疲れきった僕たちはさっさと宿に向かうことにした。
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