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ようこそアンフェルサーカス団へ
第35話 まさかの遭遇
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ミネラの村を目指すとは言ったものの、そう近い場所ではない。
しかも僕一人ならともかく、女の子二人を野宿ばかりさせる訳にもいかない。
そんなことを考えていると、ソフィアがあら、あたしに気遣いは無用よ、と声をあげた。
「いちおーあたしが一番お姉さんだし、ドンと任せなさい。それに巻き込んだのはあたしのせいだし……」
「ん? 」
最後の方になんて言ったのかよく聞き取れなかった。
「何でもないわよ! 」
バシバシと僕のことを叩くソフィア。え、何だか凄く理不尽な怒られ方をしているような……。
「真面目な話、ずっと草むらに潜伏して進む訳にもいかないわよね。ここから一番近いのは……アグリントかしら」
アグリントか……。確かアルカデラから北に少し行った所にあるそこそこ大きな都市だ。
「でも僕らは一応お尋ね者だ。バレたら不味いことにならないか? 」
「ん~、でもあたしが変装してノアは……もう変装してるのか」
「リヒト自体が偽物だからなぁ」
「でも、アルカデラは閉鎖的で鎖国的な国なのよ。だからあたしたちの情報が他国に広まるまでまだ時間はあると思う」
「なるほど……スピード勝負というわけか」
僕たちのことが広まる前にリオンを親元に返す。
うん、これが一番良いだろう。
「しっ、誰か来るよ」
今まで黙って話を聞いていたリオンが不意に声をあげた。
反射的に僕たちは口を塞いで繁みに隠れる。
追手か?
いやそれにしては人数が少ないような。
じっと身を潜めて様子をうかがっていると、人の声が聞こえてきた。
「……アスベル、次はどこに行こうか? 」
アスベル!?
しかもこの声は聞き覚えがある……。
じっくり目を凝らすと、そこにはあの、僕を殺そうとしたアスベルパーティが馬車を引き連れて移動しているところだった。
アスベル、ユキナ、ロイド、マリン……。
もう二度と会いたくない面々が揃って僕の目の前にいる。
彼らは僕の存在に気が付いていなそうだったが、僕の全身から嫌な汗が噴き出しているのが分かった。
「ノア? 」
僕の様子に気が付いてかリオンが心配そうにこちらを見ている。
そんなリオンに、僕は大丈夫だよと目配せする。
本当は大丈夫ではないのだが、リオンに情けないところを見せる気にはなれなかった。
「本当はコロセウムで闘技大会にでも出たかったんだけどな~」
「そうね~、アスベルならイイ線いったんじゃない? だってアスベルはファリアス様に選ばれた勇者なんですもの!」
「今年の優勝はエリザベス騎士団長らしいわよ、準優勝はリヒト? とかいう剣士みたいね」
あの僕をいつも蔑みの目で見ていたマリンから僕の話が飛び出るとは……。
「あ~、あのお姉さんは強いよな」
「えへへ、アスベルだって強いよ! 貴方が出てたらきっと優勝! 」
綺麗な笑顔を浮かべるユキナを見て、思わず吐き気が込み上げて来るのが分かった。
あのとき、僕を殺そうとしたユキナは、まるで虫けらをみるような目で僕を見降ろしていた。
そんな彼女とはまるで別人で、違和感に襲われる。
「ノア、大丈夫。私が守るから」
リオンがきゅっと僕の手を掴んだ。伝わってくる彼女の体温に安心する。
きりっとした顔で僕を見る彼女は確かに凄く大人びて見えた。
「じゃあ次はアグリントを目指すか。ここから一番近いし、宿屋にも泊まりたい」
「賛成、いい加減MPも切れてきたわ」
アスベルの提案に頷いた彼らは、ぞろぞろとアグリントの方向へと消えていった。
彼らが離れたことを確認した僕たちは繁みから抜け出した。
「ふ~、追手ではなさそうだったわね。って、あんたどうしたの!? 凄い汗よ」
「え? 」
慌てて自分の額を拭うと、べったりと汗がついていた。
自分でも気が付かない内に冷や汗をかいていたようだ。
「知り合い? 」
リオンが遠慮がちに聞いて来た。
そう言えばリオンにこの話をしたことはなかったかもしれない。
彼女も人の過去をズケズケ聞いてくるタイプではなかったし、あまり気にしてはいなそうだった。
「実は……」
そうして僕はリオンとソフィア、二人にアスベルたちと何があったのかを話した。
二人とも真剣な表情で聞いてくれて、それだけでもう泣きそうだったのは内緒である。
しかも僕一人ならともかく、女の子二人を野宿ばかりさせる訳にもいかない。
そんなことを考えていると、ソフィアがあら、あたしに気遣いは無用よ、と声をあげた。
「いちおーあたしが一番お姉さんだし、ドンと任せなさい。それに巻き込んだのはあたしのせいだし……」
「ん? 」
最後の方になんて言ったのかよく聞き取れなかった。
「何でもないわよ! 」
バシバシと僕のことを叩くソフィア。え、何だか凄く理不尽な怒られ方をしているような……。
「真面目な話、ずっと草むらに潜伏して進む訳にもいかないわよね。ここから一番近いのは……アグリントかしら」
アグリントか……。確かアルカデラから北に少し行った所にあるそこそこ大きな都市だ。
「でも僕らは一応お尋ね者だ。バレたら不味いことにならないか? 」
「ん~、でもあたしが変装してノアは……もう変装してるのか」
「リヒト自体が偽物だからなぁ」
「でも、アルカデラは閉鎖的で鎖国的な国なのよ。だからあたしたちの情報が他国に広まるまでまだ時間はあると思う」
「なるほど……スピード勝負というわけか」
僕たちのことが広まる前にリオンを親元に返す。
うん、これが一番良いだろう。
「しっ、誰か来るよ」
今まで黙って話を聞いていたリオンが不意に声をあげた。
反射的に僕たちは口を塞いで繁みに隠れる。
追手か?
いやそれにしては人数が少ないような。
じっと身を潜めて様子をうかがっていると、人の声が聞こえてきた。
「……アスベル、次はどこに行こうか? 」
アスベル!?
しかもこの声は聞き覚えがある……。
じっくり目を凝らすと、そこにはあの、僕を殺そうとしたアスベルパーティが馬車を引き連れて移動しているところだった。
アスベル、ユキナ、ロイド、マリン……。
もう二度と会いたくない面々が揃って僕の目の前にいる。
彼らは僕の存在に気が付いていなそうだったが、僕の全身から嫌な汗が噴き出しているのが分かった。
「ノア? 」
僕の様子に気が付いてかリオンが心配そうにこちらを見ている。
そんなリオンに、僕は大丈夫だよと目配せする。
本当は大丈夫ではないのだが、リオンに情けないところを見せる気にはなれなかった。
「本当はコロセウムで闘技大会にでも出たかったんだけどな~」
「そうね~、アスベルならイイ線いったんじゃない? だってアスベルはファリアス様に選ばれた勇者なんですもの!」
「今年の優勝はエリザベス騎士団長らしいわよ、準優勝はリヒト? とかいう剣士みたいね」
あの僕をいつも蔑みの目で見ていたマリンから僕の話が飛び出るとは……。
「あ~、あのお姉さんは強いよな」
「えへへ、アスベルだって強いよ! 貴方が出てたらきっと優勝! 」
綺麗な笑顔を浮かべるユキナを見て、思わず吐き気が込み上げて来るのが分かった。
あのとき、僕を殺そうとしたユキナは、まるで虫けらをみるような目で僕を見降ろしていた。
そんな彼女とはまるで別人で、違和感に襲われる。
「ノア、大丈夫。私が守るから」
リオンがきゅっと僕の手を掴んだ。伝わってくる彼女の体温に安心する。
きりっとした顔で僕を見る彼女は確かに凄く大人びて見えた。
「じゃあ次はアグリントを目指すか。ここから一番近いし、宿屋にも泊まりたい」
「賛成、いい加減MPも切れてきたわ」
アスベルの提案に頷いた彼らは、ぞろぞろとアグリントの方向へと消えていった。
彼らが離れたことを確認した僕たちは繁みから抜け出した。
「ふ~、追手ではなさそうだったわね。って、あんたどうしたの!? 凄い汗よ」
「え? 」
慌てて自分の額を拭うと、べったりと汗がついていた。
自分でも気が付かない内に冷や汗をかいていたようだ。
「知り合い? 」
リオンが遠慮がちに聞いて来た。
そう言えばリオンにこの話をしたことはなかったかもしれない。
彼女も人の過去をズケズケ聞いてくるタイプではなかったし、あまり気にしてはいなそうだった。
「実は……」
そうして僕はリオンとソフィア、二人にアスベルたちと何があったのかを話した。
二人とも真剣な表情で聞いてくれて、それだけでもう泣きそうだったのは内緒である。
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