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悪役令嬢、嵌められる(?)
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6日目は朝からエミリアと会ってしまった。
とんでもない会話を聞いてしまい朝食が喉を通らない。
ここのコックは優秀でいつも美味しいものを作ってくれるのにろくに食べられないなんて勿体ないなと我ながら思う。
でも、正面にエミリアがいるというだけで吐き戻してしまいそうだ。
顔色の悪い私を見てか、エミリアが心配そうにこう言う。
「顔色が悪いです、お姉様。どこか具合でも悪いのですか? 」
お前のせいだよお前のせい!
とは言えるはずもなく、私は精一杯の笑顔で答える。
「ちょっと夜更かしをしてしまってね、寝不足なのよ」
「まぁ……そうですの。あまり無理なさらないで下さいね」
天使のようなスマイルを私に向けるエミリア。うぅ、怖いよこの娘。命を狙ってる相手にこんな表情が出来るなんて。
「エミリアさんの今日の予定は? 」
話題を変えようと私は他愛もない話をエミリアに振る。
「今日は一日中乗馬のお稽古ですわ。最近体が鈍ってしまいましてね。お姉様は? 」
「私はーー特にないわね」
今日はまだロキから指示はない。
しかも今日もまたエドワードには面会を断られたし
一日中暇だというわけだ。
うーん、この時間何に使うべきか。
そんなことを一人考えていると、横で控えていたメイドが口を挟んだ。
「イリア様はデュセリクス学園へ体験入学をするようお父様から指示が出ています」
「は!? 体験入学!? 」
私は思わず手に持っていたスプーンを落とした。おっと失礼。
デュセリクス学園と言えばエミリアとエドワードの母校ではないか。どうしてそんな敵地へ?
「イリア様は学校に通われたことがなく、人との繋がりも希薄でしょう。ですから結婚前に人との接し方を学んで欲しいというお父様の願いです」
「そんな無理ですわ、ほとんどお屋敷から出たことがないのに」
「たった3日間でございます。我慢して下さいとのことです」
3日間……。随分時間をロスしてしまうではないか。
「ああ、そうでしたわお姉様。私からお父様に頼んでみましたの」
「え? 」
「お姉様はいつも寂しそうですのでお友達を作るきっかけを作ってあげたいなと思って……もしかして、ご迷惑でしたか? 」
今にも泣きそうな顔をするエミリアに、私は精一杯フォローする。
ぼっちにいらんことするな、とは口が裂けても言えなかった。
「い、いえ嬉しいわ。私一度は学校に行ってみたいと思っていたの」
「まあほんとですか! ふふ、良い人たちばかりなのできっと楽しい思い出になりますよ」
何とかして私を追い出したいようにしか見えないのだけど……。
しかし拒否権はないので私は渋々了承するしかなかったのである。
とんでもない会話を聞いてしまい朝食が喉を通らない。
ここのコックは優秀でいつも美味しいものを作ってくれるのにろくに食べられないなんて勿体ないなと我ながら思う。
でも、正面にエミリアがいるというだけで吐き戻してしまいそうだ。
顔色の悪い私を見てか、エミリアが心配そうにこう言う。
「顔色が悪いです、お姉様。どこか具合でも悪いのですか? 」
お前のせいだよお前のせい!
とは言えるはずもなく、私は精一杯の笑顔で答える。
「ちょっと夜更かしをしてしまってね、寝不足なのよ」
「まぁ……そうですの。あまり無理なさらないで下さいね」
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「エミリアさんの今日の予定は? 」
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「私はーー特にないわね」
今日はまだロキから指示はない。
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一日中暇だというわけだ。
うーん、この時間何に使うべきか。
そんなことを一人考えていると、横で控えていたメイドが口を挟んだ。
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「は!? 体験入学!? 」
私は思わず手に持っていたスプーンを落とした。おっと失礼。
デュセリクス学園と言えばエミリアとエドワードの母校ではないか。どうしてそんな敵地へ?
「イリア様は学校に通われたことがなく、人との繋がりも希薄でしょう。ですから結婚前に人との接し方を学んで欲しいというお父様の願いです」
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「たった3日間でございます。我慢して下さいとのことです」
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「ああ、そうでしたわお姉様。私からお父様に頼んでみましたの」
「え? 」
「お姉様はいつも寂しそうですのでお友達を作るきっかけを作ってあげたいなと思って……もしかして、ご迷惑でしたか? 」
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ぼっちにいらんことするな、とは口が裂けても言えなかった。
「い、いえ嬉しいわ。私一度は学校に行ってみたいと思っていたの」
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