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寿司

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エンディング後

情報屋、対峙する

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 イリアを昏睡させた謎の香水。
 俺はこいつの正体を探るべく、城から少し離れた物置のようなボロ屋に一人籠っていた。

 匂いを嗅いでみる、が不思議な香りがするだけで特に体調に変化はない。

「なぜイリアはこれで……? 」

 一滴だけ指に垂らして舐めてみたが、特に毒物と言うわけではなさそうだ。

「ふむ……魔法で解析してみるか」

 俺はそう思い、その液体の下に魔方陣を描く。そして強く念じると、魔方陣から目映い光が溢れだした。

「これは……眠り姫の花じゃないか」

 眠り姫の花、とは微弱な魔力を纏った植物で、その匂いを嗅ぐと眠りを誘う。
 しかしその効果は大したものではなく、精々5分程度しか持たない。

 なるほど、これならば魔法の扱いに長けた俺が何の影響もないのが分かる。
 しかし、それにしてもあの花にそこまでの効果を引き起こせるだろうか……?

「一体どういうことなんだ……?」

「あら、精が出ますね」

 女の声、イリアのものではない。
 俺は反射的にそちらを向くと、そこにいたのはーー。

「エミリア……」

「今晩は、ロキ。良い夜ね」

 つかみ所のない笑顔を浮かべてエミリアが言う。
 俺は直ぐに魔法を彼女に向かって撃ったのだが、彼女は難なくそれをかわした。

「あら怖い。そんなに怒らないでよ、私はお話ししに来たの」

「罪人がノコノコ来るなんて脳が溶けちまったのか? 今すぐ牢屋に戻してやるよ」

「もう、ちょっと落ち着いてよ」

 エミリアがぱちんと指をならす。すると、重たい鎖が巻き付いているかのように身動きが取れなくなってしまった。

「な、何だこれ!? 」

「ふふ、やっと二人きりでお話出来るね」

 彼女の魔法であることは分かった。しかしこの俺が破れないなんて、一体どういうことだ?

「どうしてって顔してるね。簡単よ、私が主人公だからに決まってるじゃない」

「何を言ってる!? 」

「あら貴方の奥様もそうなんじゃない? 前世の記憶を持ち、ここがゲームの世界だと理解している人間」

「なぜそれを……」

 確かに出会った頃イリアは言っていた。前世の自分はここの世界の人間ではなく、ここはおとめげーむということを。
 しかしなぜエミリアがそれを知っている?

「私もそうだからよ、前世での名前は五木 笑莉いつき えみり。もちろんここがゲームと言うことも知っている」

 そしてエミリアはふふっと楽しそうな笑顔を浮かべる。

「何が言いたい」

 エミリアが何を望むのか分からない。

「前世の記憶を取り戻したときは嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。前世では冴えない私が乙女ゲームの主人公! 誰からも愛されて、皆の注目を集める人気者」

 すると打って変わってエミリアは絶叫する。

「これでやっとあの人と結ばれる、あの人とのエンディングを迎えることが出来る、そう思ったの」

「あの人……? 」

 エドワードのことだろうか?
 そこまでしてこの魔女のような女が人を愛することなんてあるのだろうかと俺はふと思った。
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