いまそこにある媚肉

島村春穂

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電話しているのに……揉まれすぎて

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「もしもし……あっ、一郎さん?」
 貴子が、巻き髪に手櫛をいれながら言った。相づちを二三うつうちに、ノースリーブフリルの裾も直した。汗ばんだままの胸もとに、いまだ余韻に振るえるポッチが、とんがったまま浮き出ていた。


 村越宅に住むことになってから間もなくして、貴子は自分のスマホを解約していた。もともと友だちがおおいほうでもなかったし、ご近所付き合いが少ない過疎な田舎暮らしの専業主婦には必需品でもなかった。


「あら。そうなんだー。大変ねえ」
 うん、うん、と相づちをうつ背後から、古びた床板が、ギシギシっと嫌な音を立てた。その気配に気づきつつも、貴子はわざと見ないようにして、受話器を両手に持ち替えた。


「ああっ!……なな、なんでもないよ……」
 貴子の両肩が強張った。


 あのときブラジャーを直していなかったせいで、いとも容易く生乳がはだけてしまう。危うく落としかけた受話器を、慌てて握り締めた。


「……もしもし……ああ……ごめんなさい……」
 さっきとまったく同じように、後ろから、匠に抱き付かれている。


 前屈みになったせいで、双つの熟れた肉房がFカップの量感に耐えかね、収穫間近の卑猥な果実のように、ぼろん、とだらしなく垂れこぼれた。その双つの肉房を庇うように、貴子が両脇を締めて寄せあつめる。


 匠と揉みあっているうち、後ろから腕が、その脇下をこじ開けながら無理やり入り込んだ。乳白色の肉房が握り込まれてしまう。


「……ううぅん?……だいじょうぶ、だいじょうぶ……うぅん、えっ、ああ……へえ……そ、そうなんだぁ……」
 そう取り繕いながら、手から離しかけた受話器を、もう一度両手に握り締めた。


 良心の呵責ゆえに、後ろを顧みることができない貴子であったが、背後の匠のほうは、鷹の目、魚の目で獲物を窺っていた。


 前屈みで丸まる貴子の背を正すかのように、無防備な双つの肉房が裾野から寄せあつめられ、グイっと抱えあげられた。揉みしだく手が、寄せあつめられた双つの肉房の深い谷間に挟まりながら、さっきよりも乱暴な愛撫で媚肉を玩ぶ。


「うぅんぅ……うぅんぅ……へえ……へえ、う、ううぅん、そ、そうなんだぁ……」
 皮肉なことに、一郎に対し、妻の体面を保ち、外面を取り繕わねばならず、口角をあげて相づちをうつ笑顔が、まるで匠の愛撫をすすんで受け入れているかのように、悦んでさえみえた。


 一方、匠の表情は変わらない。独壇場を手に入れてさえ、俄然、冷血なままだ。


 Fカップの見事な肉房は、その重みでたゆむほどバツグンに柔らかく、一概に言い尽くせないものがある。ブラジャーの支えもなく、両手で受話器を握り締めているものだから、たゆんだ双つの肉房は、節足動物のように蠢く指腹に好き放題にされ、尊厳を奪われていくかのように揉みくちゃにされていく。


 双つの肉房がそっぽを向いたり、あられもないほど互い違いにされたり、寄せあつめられたり、匠の愛撫に合わせて、あれこれ形を変えられてしまい、しかし、いびつに歪めばそれだけ、美しかった。


「……う、うぅん…っ…た、匠さんなら……ご、ご飯食べて……休んでると思う……」
 乳暈ごと、指のすき間で挟み込まれた乳頭が、シコりきってずいぶんと、とんがっている。肉房のさきを手の平が滑るように襲えば、そのとんがりが擦れながら捩れていった。


 貴子の見開かれた瞳が、黒目がちに、そして蠱惑的に濡れてきた。


「あぁうぅん…っ…一緒に食べたよ……お昼……う、うぅん…っ…うぅ、は、話しもしたかな……うぅん、ちょっとだけ……」
 さっきから、通話口を覆うようにして受話器を握っている。一郎に、匠の気配を勘づかせまいと。


 たわわな双乳が鷲掴みにされ、ぐいぐい寄せあつめられながら、後ろから抱えられるようにして、ググッと持ちあげられる。どうやら、貴子はこのモーションにひどく弱いらしく、


「うん、うぅん……ぅへえ……うぅんうぅん……そっかぁ、ほ、ほんとぅ?……」
 と、一郎を相手にしている口もとだけは笑顔のままで、悲痛に美眉をたゆませた。


 一方、継母のこうした態度を嘲笑うかのようにして、匠は、手の平にたぷん、と双つの肉房を載せたまま、量感を測るように、ゆさゆさとその重みを楽しんだかと思えば、親指と人差し指で、乳頭を虐めだす余裕がある息子とは、まるで対照的であった。



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