いまそこにある媚肉

島村春穂

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口でするからソコだけはどうか許して、と言ってしまい……

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 言い争う二人の声が、脱衣所のほうまで聞こえてきた。


「……やめて、匠さん……」


「いいからっ」


「あっ……」
 胸を庇うようにして持っていたシャワーを取り上げられてしまう。


 貴子は、とても頼りなさそうに、お尻を突きだす格好で足踏みした。すのこがカタカタ鳴った。裸の匠を直視することができないのだ。迷っているうち、簡単に胸を掴まれ、またもうしろから抱き寄せられてしまった。


「ああっ……たっ、匠さん……またなの……ね、ねえ……もうやめましょ……」


「うるさいっ」
 ひと房を揉みしだかれ、もう一方の指で口のなかを姦された。


 もがいたベロが、指の狭間でつんのめる。指さきが奥歯とベロのあいだに入り込み、苦しがるほどに熱っぽい吐息が洩れる。ベロがその身の置き場をなくし、愛撫めいて指の狭間で反り返り、右往左往させてしまう。


 ベロさきから涎れがこぼれるのを庇うあまり、唇を絞り、指をおしゃぶりする格好になってしまっていることにはたと気づき、貴子をひどく悶えさせた。


 あえがされながら、なにやら訳の分からないことを口走ってしまっている。その悶絶ぶりを、貴子の肩口から顔をせり出し、真顔のまま匠が覗き込んでいた。


「あぁ……いい眺めだぜ」
 ガンミされていた。あの嫌なキツネ目が、探るような視線で、貴子の悶絶した顔を舐めずっている。いまにもえずきそうになりながら、涙を堪えているのが可愛くてしかたがない様子であった。


 口辱から解放されるなり、乳頭が自らの涎れで滑りよくさせられ、かぐろい光沢を付けられていく。みるみる充血してきて、シコってとんがってきた。


「いひひ……」
 匠から、下卑た嗤いが耳打ちされた。


 全身が総毛立った。日中とは一変した態度でおしゃべりになる匠に、うすら寒いものを感じたからだ。


 むんずり掴まれた肉房が、搗きたての餅を捏ねるようにちぎられていった。脂っこいその手つきが、明らかに肉の感触を味わっている。愛撫とはこういうものだ、というような型にハマったものではなく、一人遊びでもするかのように、まるで遠慮というものがなかった。いまこうして凌辱されている貴子が、それを嫌というほど一番に分かっていた。だからこそ、高まってきてしまう。


「……やめてぇ…っ……」
 女の言う、やめて、の本当の理由が、そこにこそあったのだ。



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