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違う
しおりを挟む私の知らない場所で物事は動いていた。跡取りから外された恨みを私にぶつけるとは思わなかったとお義母様に謝罪されるも、誰も予想していなかっただろう。この話し合いでどうなるか決まるがカンデラリア公爵様は、イースター伯爵夫人とおじ様の離縁を考えていると聞かされた。イースター伯爵家は夫人がいるし、先代伯爵も健在。次の跡取りとなる息子もいる。
ガルロ殿とトロントおじ様を追い出しても問題は起きない。
「追い出された2人はどうなるのですか?」
「そこまではまだ何とも。絶対公爵家の敷居には跨がせないとは思うけれど」
「エルミナが戻ったら、この件は伏せていただけますか? お父様、お義母様」
エルミナも危害を加えられた被害者。真相を知る側ではあるが詳細までは知らされない筈。アクア様に切られた恨みを私に向け、代償としてエルミナが狙われたと戻ったあの子にもそう伝えよう。納得いかない顔をされるもお父様もお義母様も頷いてくれた。
下手に話をして、エルミナの心配を増やしたくない。
王太子殿下も不用意な事は言わない人だから、信じよう。
……残るは。
「……お父様。ロードクロサイト様から婚約の打診があったとは本当なのですか?」
リアン様の件。
「本当だよ。フィオーレが入学して割とすぐに来た」
「何故、私なのですか? あまり接点はありませんが」
「そうだな。私も最初はエルミナと間違えているのではと抱いた。けど違った。確かにリアン様はフィオーレに婚約の打診をされた。
フィオーレは1番古い記憶で覚えている事は何かな?」
突然の質問に意味が分からず、困惑しようとも頭の引き出しから記憶を探る。私が覚えている最も古い記憶……。
あ、と声を出してお父様に話した。
「きっと4歳か5歳くらいでしょうか……お父様が私とエルミナを同時に抱っこしようとしたのに、失敗して庭の池に落ちてしまいましたよね」
「う……あ……ああ、そんな事もあったな」
お父様にしたら、あまり触れられたくなかった思い出だったみたいで。その時の私は全身ずぶ濡れになったと言うのに笑っていた気がする。エルミナはキョトンとして瞬きを繰り返していた。
咳払いをして空気を変えたお父様は、婚約の理由を話してくれた。
……私が『予知夢』で視た内容とあまりに違い、聞き終えると気力で平静を装い部屋に戻った。
ベッドに座った私は現実と『予知夢』のあまりの違いに戸惑うばかり。
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