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聖女の私は春のパーティで婚約破棄されました。あなたが愛してくれなくても私は。
しおりを挟む私はセーラフ・パーロボと申します。
私は子供の頃からいろんなものが見えたんです。
例えば人の頭の上には光の柱が見えました。
その光の柱は人によって太さも長さも勢いも違いました。
人によってまちまちなのです。
私にとっては当たり前に見えるので、親に聞くと、
「 お前、ウソを言うな!
お前はバカだ。キxガイだ!」
と、恐ろしい顔をして目を吊り上げ、怖い声で怒鳴られました。
殴られて蹴られました。
他にも色々なものが見えました。
沢山の人の姿です。
でも私に見える人達はみんなゲラゲラ笑っていて優しい人達でした。
私に何も悪いことをしなかったからです。
その事を話すと私を怒鳴ったり、殴ったりする両親よりも私はずっと好きでした。
幼稚園へ行き出すと私の毎日は変わりました。
私の両親なら怒鳴り出すタイミングでも誰も怒る人はいませんでした。
私の事を殴ったり蹴ったりする人もいません。
人にそんな事をしてはいけないのだそうです。
私は私の両親がおかしいのだと悟りました。
沢山の人に出会えた事で私の能力が人に知られました。
私は王立の魔法学院へ入学して聖女になりました。
「 セーラフ、お前との婚約は破棄させてもらう。」
婚約者のウルド・マーロウは大勢の前で私を指差して宣言しました。
咲き始めたピンクの花が散り、青葉が芽吹き風がかおる季節を祝うパーティの席でした。
「 お前に聖女の資格など無い!
誰にも見えないものを見えると嘘ばっかりついて許せん。お前が本当の聖女のサーシャをイジメていた事もわかってるんだぞー!」
ウルド殿下は顔を真っ赤にして、目を吊り上げてギラギラさせて私につかみかからんばかりの勢いで罵倒しました。
その姿はまるで私の両親のようでした。
彼の後ろには彼の身体に隠れるようにしてサーシャが彼の服を握り締めています。
ピンクの長い髪を綺麗に巻き巻きにしたサーシャは、豊かな髪をフルフルと震わせています。
( 彼女が嘘を吹き込んだんだ。)
彼女の綺麗に化粧された涙に濡れた目の奥に嫌な光が見えます。
彼女の全身からは、まがまがしいドス黒いオーラが立ち昇っています。
そしてサーシャの嘘を、何の疑いも無く信じたのが私の婚約者でした。
「 わかりました。私は出て行きます。」
( やっぱり思った通りになった。)
心の中で思った事は、全てその通りになるんです。
私にはウルド殿下と幸せな未来を想像する事は出来ませんでした。
彼は私の事を嫌っていました。
それは彼の態度で明らかでした。
私は愛を求めているんです。
私は城を出ました。
精霊達に頼んで国民に全てを知らせてもらいました。
私の後ろには国民の列が出来ました。
この国に魔獣が侵入しました。
山は噴火し、水はニガヨモギの味になって、土地は燃えて作物は枯れました。
私は国民達を結界で守り、それぞれが行きたいところまで送り届けました。
私は復讐なんてしていません。
全ては神さまの言う通りですもの。
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