婚約破棄された私は王妃の策略にはめられたみたいです。そして彼女は呪われたそうですが。

十条沙良

文字の大きさ
1 / 1

婚約破棄された私は王妃の策略にはめられたみたいです。そして彼女は呪われたそうですが。

しおりを挟む

私はローズ・キヤリントンと申します。
この国に生まれて聖女となり、毎日国の為に一生懸命に働いて来ました。

聖女となった時から、私はこの国の王子オズワルド様の婚約者になりました。
それは昔からのしきたりによるものです。
聖女は王子と結婚するのが一番だとされているから、と言うか王様の命令ですから。

逆らう事なんて出来ません。
オズワルド王子は金髪に青い瞳を持つ美しい王子でした。
それにいつも優しい言葉を私にかけて下さったから、私もふさわしい人になろうと努力しました。

オズワルド王子の婚約者になった時から、私にはお妃教育がはじまりました。

それは信じられないくらいに大変なものです。
まず姿勢を矯正することからはじまりました。

私は貧しい庶民の家で生まれました。
貴族の令嬢が生まれた時から受けている教育やマナーなど知りません。

私はいつもなぜか猫背ぎみなんです。
子供の頃から気が付くと猫背になっていました。
そうあるのが楽というか、落ち着くというか、とにかく姿勢は悪いと思います。

貴族の令嬢は背中に物差しを突っ込まれて、1日中生活してる人もいらっしゃるとか言って私にも背中に物差しを突っ込んだりしました。

そのほかにも外国語や一般教養や信じられないほどたくさんの教科書を勉強させられました。

私は聖女です。
国の隅から隅まで結界を張り巡らし、魔獣が侵入しないように気を張り、土地や山や水や海に祈りを捧げています。

そんな大仕事を毎日している私に、予想外の事態が起こりました。

春のパーティの席で婚約者のオズワルド王子から、
「 ローズ、君との婚約を破棄させてもらうよ。
これは王妃様からの命令だから、逆らう事は出来ないんだ。」
と、宣言されました。

うららかな春の花達が咲き競う美しい青空の日でした。

( 王妃様からの命令。)
私が聖女の仕事の合間に、ゆっくり寝たり休んだりする事は出来ませんでした。

今まで何の落ち度もなく、トラブルも無くこの国を守って来た私にこの仕打ちです。

確かにお妃教育の時間に王妃様からの鋭い視線を感じる事が、たびたびありました。 

最近ある貴族の令嬢がお妃様のところに入り浸っていると精霊達から教えてもらっている私は、
「 聖女がいなくなった国はどうなるのでしょう?」
と、聞いてみました。

「 それは心配いらないよ。ちゃんとお母様いや王妃様が新しい聖女を見つけているから。伯爵令嬢のカミーユ嬢だよ。彼女の邪魔にならないように君は出て行ってね。」

( やっぱり。精霊達の教えてくれた通りだわ。)

みんなざわざわしていますが王妃様の横にはカミーユ嬢がいます。
長いピンク色の髪を綺麗に巻いてメイクもバッチリです。
カミーユ嬢はにこやかに王妃様と談笑しています。王妃様の表情は私には1度も向けた事の無い優しい目をしています。

私には1度も向けてくれなかった優しい表情と大好きと心から語っている目を見て、私は決心しました。

「 わかりました。出て行きます。」
私は城を出ました。

でも国民の人達を見捨てる事は出来ません。
カミーユに聖女の資格が無い事は明らかですから。

私は精霊達に頼んで全てのいきさつを国民の前に映してもらいました。

私の後ろには国民の列が出来ました。

この国に魔獣が侵入して、山は噴火し水はニガヨモギの味になって、地面は燃えました。

この世の地獄のような光景が広がります。

私は国民達を結界で守り、それぞれが行きたいところまで送り届けました。

噂で聞いたところによると、王妃様が重い病気になられたそうです。
不治の病と言われていますが私にはわかりません。

それから私が復讐したたんて言いふらしてる人がいるみたいですけど、私は復讐なんてしていません。

全ては神さまの言う通りですもの。

私は自分で幸せになります。

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

「誰もお前なんか愛さない」と笑われたけど、隣国の王が即プロポーズしてきました

ゆっこ
恋愛
「アンナ・リヴィエール、貴様との婚約は、今日をもって破棄する!」  王城の大広間に響いた声を、私は冷静に見つめていた。  誰よりも愛していた婚約者、レオンハルト王太子が、冷たい笑みを浮かべて私を断罪する。 「お前は地味で、つまらなくて、礼儀ばかりの女だ。華もない。……誰もお前なんか愛さないさ」  笑い声が響く。  取り巻きの令嬢たちが、まるで待っていたかのように口元を隠して嘲笑した。  胸が痛んだ。  けれど涙は出なかった。もう、心が乾いていたからだ。

婚約破棄されたのに、王太子殿下がバルコニーの下にいます

ちよこ
恋愛
「リリス・フォン・アイゼンシュタイン。君との婚約を破棄する」 王子による公開断罪。 悪役令嬢として破滅ルートを迎えたリリスは、ようやく自由を手に入れた……はずだった。 だが翌朝、屋敷のバルコニーの下に立っていたのは、断罪したはずの王太子。 花束を抱え、「おはよう」と微笑む彼は、毎朝訪れるようになり—— 「リリス、僕は君の全てが好きなんだ。」 そう語る彼は、狂愛をリリスに注ぎはじめる。 婚約破棄×悪役令嬢×ヤンデレ王子による、 テンプレから逸脱しまくるダークサイド・ラブコメディ!

もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?

四季
恋愛
もう好きと思えない? ならおしまいにしましょう。あ、一応言っておきますけど。後からやり直したいとか言っても……無駄ですからね?

悪役令嬢は追放エンドを所望する~嫌がらせのつもりが国を救ってしまいました~

万里戸千波
恋愛
前世の記憶を取り戻した悪役令嬢が、追放されようとがんばりますがからまわってしまうお話です!

こうしてあなたたちが生まれたの♪

夢草 蝶
恋愛
 あの日、お母様は婚約破棄を破棄するって言われたの。  そしてお父様に出会ったのよ──。

銀の騎士アルベルト・サーズードと婚約した令嬢は王様の指令で追放される羽目になる。

アリヘアM
恋愛
メイド「お嬢様また新しいドレスをかったのですね。」 ルナ「これはね婚約者のアルベルトに貰ったものなの。だから特別よ」 メイド「まぁなんて素敵なの。さすがお嬢様」 ルナ「オホホホホ全てはアルベルトの為に」 ◆◇◆◇◆◇ 「ルナ・クラウディア!お前を国外追放する!」 エドワード王太子殿下にそう言われてクラウディア公爵家の長女は青ざめた表情を浮かべていた。 ルナ「嫌ですわ、なんで私が国外追放なんかにされなきゃならないのですか」 アルベルト「ルナ、君のワガママには付き合ってられないよ。おかげで目が覚めた。貴方の品格は王室に迎えるにあたってふさわしくないと。よって君との婚約は延期させてもらう」 私はわかってました。 そう遠くない未来、こうなるであろうと言うことはわかってたのです。 私は一人っ子で愛情をふんだんにうけた結果傲慢になったのだと。

婚約破棄された翌日に、薔薇の花束と共にプロポーズされた令嬢の話

夢草 蝶
恋愛
 婚約破棄をされた翌日。  その令嬢の視界は、情熱的な赤で埋め尽くされていた。

王太子殿下のおっしゃる意味がよくわかりません~知能指数が離れすぎていると、会話が成立しない件

碧井 汐桜香
恋愛
天才マリアーシャは、お馬鹿な王子の婚約者となった。マリアーシャが王妃となることを条件に王子は王太子となることができた。 王子の代わりに勉学に励み、国を発展させるために尽力する。 ある日、王太子はマリアーシャに婚約破棄を突きつける。 知能レベルの違う二人の会話は成り立つのか?

処理中です...