婚約者が浮気したので、婚約破棄させていただきます。

十条沙良

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現場を見るとは辛

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( そう言えば最近、仕事が忙しくて会えて無かったわ。アポ無しで来た私が悪いんだわ。)
ドアをバタンと閉める音がして女の子が部屋から出て行った。

信じられないくらい大きな月が私を見ていた。
( こんなに綺麗な月を見るたびに今日の事を思い出すなんて嫌。帰ろう。)

そう思った時、彼が現れた。
いつ見ても綺麗な顔だ。サミエルの横顔を見て私は
引け目を感じてしまう。

「 君なら全部が見えるところに居ると思った。つまりここ。」
( 遅っ、来るのおそっ嘘ばっかり。)
私は下に降りるタイミングを見誤った。
精神も頭も正常ではいられなかった。

他の女の匂いを全身にまとって、彼は何事もなかったかのように落ち着いていた。

猛烈な吐き気が私を襲い、彼の前でオェッっとなってしまった。

近付いて来る彼の手をかわして、私は歩き出した。

この吐き気の原因が彼であるのがわかったから。

仕事を放り出して来てしまった事を思い出し、必死で職場へ戻った。

這うようにして歩いた。
ほんの何分か前の私に戻りたかった。

足元は暗くなって、自分が自分でなくなったような気がした。

私は彼が好きだった。
彼と一緒にずっと幸せに暮らすと思ってた。

頭の中がぐちゃぐちゃになって、聖女の仕事など無理だと思った。

人のために国を守る大仕事など、自分ひとりを守り保つ事も出来ない私に出来るはずない。

ふらふらになりながら歩くと左の壁に頭をぶつけて、痛っと思うと右の壁に頭をぶつけた。

精霊達が呼んでくれた護衛隊に抱きかかえられるようにして私はベッドに運び込まれた。


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