王子様に婚約破棄されましたが、ごめんなさい私知ってたので驚きません。

十条沙良

文字の大きさ
1 / 1

王子様に婚約破棄されましたが、ごめんなさい私知ってたので驚きません。

しおりを挟む
「 セレナ・グレン。
今日を限りにお前との婚約を破棄させてもらう。」
私は婚約者のスティーブ王子に婚約を破棄されました。
しかも今日は春の芽吹きを祝うパーティの日です。

国中の名だたる貴族達が大勢いる席で、私は王子に恥をかかされています。

この国の聖女になった日から、王子の婚約者になりました。
そして毎日国を守るために、命がけで仕事をしています。

聖女の仕事だけでも大変なのに、お妃教育まで始まりました。

私には自分の好きに使える自由などありませんでした。

なのになのに、婚約者のスティーブ王子に婚約を破棄されています。

なぜなのかは、わかっています。
実は、スティーブ王子は最近出会った街の娼館のマリアにゾッコンなのです。

毎日毎日通いつめ、とうとう王宮の中に館を建てて招いてしまいました。

まだ私にバレて無いと思ってるみたいです。

せめて、せめて本当の事を言ってくれたらなぁ、少しは可愛げがあるんだけどなぁって思った私は、

「 理由をお聞かせ下さい。
もしかして、他に好きな人でも出来ましたか?」
と、優しく聞いてあげました。
ね、ね、優しくない?

「 いや、天に誓って、それだけは無い。
婚約破棄の理由は、お前が本当は聖女の力も無いくせに、人の能力を奪って、聖女を名乗っているとわかったからだ。」

へえー、何言ってるのか意味わかん無いんですけど。

はい、はい、デタラメ出たー。
でも、あれー、私言ってなかったっけかなぁ?

私は子供の頃から人の頭の上に光が見えました。
それに、人の周りにいるご先祖様や守護霊様や天使様達が見えるんです。

もちろんオーラなんかも見えてるよ。
だから人が何を考えてるか、だいたいの事は分かるの。

良からぬ事を考えてる人を見抜くなんて楽勝、楽勝。
簡単なのよ。変な気を放ってるしね。

自分の力だけでこのくらいまでわかるのに、さらに精霊様達が教えてくれる。

これはね、もうしようがない。
うん、もう知りたくも無い事までお知らせが来るんです。

そう、聖女ですからね。
国中のだいたいの事は知らないといけないものね。

でも、自分を愛して無い人と暮らすのは、この上無い苦痛だという事を私は知ってます。
子供の頃から身に染みて、わかってます。

聖女の能力があったせいで王子様の婚約者になってしまったけど、愛されて無いのに結婚するなんて、そんなバカな事はしません。

あ、王子と話の途中だったわ。

そうよ、王子から婚約破棄してくれて良かったんだわ。

そうよ、全て上手くいっているかもしれない。

「 わかりました。この国を出て行きます。」

私は祖国を後にしました。

もちろん国民の皆様には全てをお知らせしました。
私の後ろには国民の行列が続いた。

私達の周りには結界を張り巡らしてあるから平気だけど、祖国には魔獣が侵入しました。

山は噴火して、水はニガヨモギの味になって飲めない。

この世とは思えない地獄の光景が広がっている。

私達は隣国に移り住み、そこをこの世の天国にする事を誓いました。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

「 お前に払う給料などない、クビだ!」聖女見習いの私は王子に追い出されました。

十条沙良
恋愛
王子って本当に顔がいいだけの役立たず

子供にしかモテない私が異世界転移したら、子連れイケメンに囲まれて逆ハーレム始まりました

もちもちのごはん
恋愛
地味で恋愛経験ゼロの29歳OL・春野こはるは、なぜか子供にだけ異常に懐かれる特異体質。ある日突然異世界に転移した彼女は、育児に手を焼くイケメンシングルファザーたちと出会う。泣き虫姫や暴れん坊、野生児たちに「おねえしゃん大好き!!」とモテモテなこはるに、彼らのパパたちも次第に惹かれはじめて……!? 逆ハーレム? ざまぁ? そんなの知らない!私はただ、子供たちと平和に暮らしたいだけなのに――!

氷のメイドが辞職を伝えたらご主人様が何度も一緒にお出かけするようになりました

まさかの
恋愛
「結婚しようかと思います」 あまり表情に出ない氷のメイドとして噂されるサラサの一言が家族団欒としていた空気をぶち壊した。 ただそれは田舎に戻って結婚相手を探すというだけのことだった。 それに安心した伯爵の奥様が伯爵家の一人息子のオックスが成人するまでの一年間は残ってほしいという頼みを受け、いつものようにオックスのお世話をするサラサ。 するとどうしてかオックスは真面目に勉強を始め、社会勉強と評してサラサと一緒に何度もお出かけをするようになった。 好みの宝石を聞かれたり、ドレスを着せられたり、さらには何度も自分の好きな料理を食べさせてもらったりしながらも、あくまでも社会勉強と言い続けるオックス。 二人の甘酸っぱい日々と夫婦になるまでの物語。

周囲からはぐうたら聖女と呼ばれていますがなぜか専属護衛騎士が溺愛してきます

鳥花風星
恋愛
聖女の力を酷使しすぎるせいで会議に寝坊でいつも遅れてしまう聖女エリシアは、貴族たちの間から「ぐうたら聖女」と呼ばれていた。 そんなエリシアを毎朝護衛騎士のゼインは優しく、だが微妙な距離感で起こしてくれる。今までは護衛騎士として適切な距離を保ってくれていたのに、なぜか最近やたらと距離が近く、まるでエリシアをからかっているかのようなゼインに、エリシアの心は揺れ動いて仕方がない。 そんなある日、エリシアはゼインに縁談が来ていること、ゼインが頑なにそれを拒否していることを知る。貴族たちに、ゼインが縁談を断るのは聖女の護衛騎士をしているからだと言われ、ゼインを解放してやれと言われてしまう。 ゼインに幸せになってほしいと願うエリシアは、ゼインを護衛騎士から解任しようとするが……。 「俺を手放そうとするなんて二度と思わせませんよ」 聖女への思いが激重すぎる護衛騎士と、そんな護衛騎士を本当はずっと好きだった聖女の、じれじれ両片思いのラブストーリー。

料理スキルしか取り柄がない令嬢ですが、冷徹騎士団長の胃袋を掴んだら国一番の寵姫になってしまいました

さら
恋愛
婚約破棄された伯爵令嬢クラリッサ。 裁縫も舞踏も楽器も壊滅的、唯一の取り柄は――料理だけ。 「貴族の娘が台所仕事など恥だ」と笑われ、家からも見放され、辺境の冷徹騎士団長のもとへ“料理番”として嫁入りすることに。 恐れられる団長レオンハルトは無表情で冷徹。けれど、彼の皿はいつも空っぽで……? 温かいシチューで兵の心を癒し、香草の香りで団長の孤独を溶かす。気づけば彼の灰色の瞳は、わたしだけを見つめていた。 ――料理しかできないはずの私が、いつの間にか「国一番の寵姫」と呼ばれている!? 胃袋から始まるシンデレラストーリー、ここに開幕!

処理中です...