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2章 ルーズファミリー
14.笑ってくれ
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あの日から、エレナは笑わなくなった。
それどころか、カッターやナイフ、紐状の物を見つけるとすぐに自分を傷つけて死のうとする。
それからはエレナの周りからは刃物や紐状のもの、自害できるようなものは全て取り払われた。
あの日、俺たちが街の人に囲まれて対応しているとエレナが時間がかかると思ったのか、
「噴水の所にいる」
と言って噴水の方へと向かった。
申し訳ないなと思ってさっさと躱してエレナの所に行こうと思っていると、エレナの元に5人組の男達がやってきた。
「あいつら…誰だ?エレナの知り合いか?」
暫く男達とエレナが話をしてるとエレナの表情に陰がかかった。
何か言われたのか…。
「エレナ…?」
顔を険しくした俺に周りの奴らが不思議そうにしていた。
すると、男達と話していたエレナの目からハイライトが消え、表情が完全に落ちた。
直後、エレナが叫んだ。
今迄聞いたこともないような声に驚き固まるしかなかった。何かから逃げるように、体を震わせながら。
あまりに突然の事で動けなかった俺達は、エレナが倒れる直前に漸く動けた。
「「「「「「「エレナ!!!」」」」」」」
間一髪で倒れる前に受け止めた。
その場は騒然としていた。
幹部達とレオンはエレナと話していた男達を取り押さえ、カインはミトに連絡していた。
「エレナ、エレナ!しっかりしろ!!目を覚ませ!!!」
その後エレナが目を覚ましたのは1週間後だった。
目のハイライトを無くし、言葉も喋らなくなったエレナがそこにいた…。
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