蜜姫と獣人の王たち

神無月 花

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光輝「あの、王様。」

リグエル「リグエル、で大丈夫ですよ。立場上、貴女と僕は同じ地位にいますから。」


光輝「えっと、リグエルさん。」


 ずっと″王様″じゃ呼びにくいと思っていたところを、リグエルさんが名前で呼んでいい。と言ってくれたので、お言葉に甘えて私はリグエルさんのことを名前で呼ぶことにした。


でもさっき、なんだかすごく重要な事を言われたような気がする。


王族であるリグエルさんと、一般人である私が同じくらいの地位。と言っていた。

それはどうゆう事だろう?異世界から喚び出した″お客さま″だから?



リグエル「はい。」

光輝「あの、どうして私はこの世界に喚ばれたんですか?」


リグエル「...理由は4つあります。ひとつは」

「家族仲が良くなかったり、家族が亡くなっている人間や、友人や恋人のいない人間である。という招喚の条件があるのです。.....光輝さんはこの条件に当てはまると思いまして。」


....リグエルさんの言葉は正しかった。私は、友達もいなければ、家族仲も良くない。まして、恋人なんていない。

でも、だからこそ、辛い。現実を突きつけられてしまったから。


「ふたつ目は、純潔であり、純血の人間の女性であること。」

光輝「あ、あのリグエルさん。純潔って、まさか」

リグエル「.....男性経験のない女性。という意味です。」

光輝「....純血の人間というのは?」

リグエル「光輝さんの世界には、ハーフやクォーターという言葉ありますよね。どちらも、異なる国の血を引く人間という意味の。」

光輝「はい。でも、どうしてハーフやクォーターの方じゃダメなんですか?ハーフやクォーターの方が他国同士の容姿や能力を受け継いでいるんだし、その方が良さそうかな。と思ったんですが.....」


リグエル「僕の先祖もそう思ったようで、実は100年ほど前に日本とある国のハーフの方を喚んだのですが、その方よりもその方の前に招喚した生粋のヨーロッパ人の方の方が、条件に合っていたようです。」


光輝「その条件って....?」


リグエル「....純血の女性の方が、″獣人の子を産む。″という役割に合っていたからです。」

光輝「....え?今なんて」

リグエル「獣人の子を産む。という役割です。ハーフやクォーターよりも、純粋な西洋人もしくは東洋人の方が、獣人の血に人間としての劣性遺伝子が出にくかったのですよ。」


光輝「で、でも。獣人なら獣人の女性が相手の方がいいんじゃないですか?なんでその役目が、人間、それも異世界人である私である必要があったんですか⁈」


リグエル「...この世界では、100年に一度、獣人の女性が産まれたり、生き残る率が低くなる年があります。それが、今年なのです。そういった年には、純潔であり純血の人間の女性に、獣人の王に嫁いでいただき、獣人の血を繋いでいただいてきました。」

「300年程前までは、この世界の巫女が獣人の王に嫁いでいました。しかし、ここ200年は霊力をもつ巫女も少なくなり、異世界から女性を招喚しなくては獣人の国の存続が危うくなってしまいました。」
「我々人間の国と獣人の国は、一時期は争っていましたが、100年ほど前からは協力関係となりました。ですから、獣人の国が滅ぶと人間の国にも影響が出ます。ですから」






「誠に勝手なお願いではありますが、我々に協力してはいただけないでしょうか?」


光輝「嫌、と言ったらどうするんですか?」


リグエル「この件に関する記憶を消し、王宮か神殿で保護します。その場合、神殿の巫女として過ごしていただきます。どちらにせよ、貴女は我々の勝手に巻き込まれてしまっただけ。ですから、最大限に協力致します。ちなみに、4つ目の理由は、″異能があること。″になります。」


光輝「異能、って超能力とか霊能力とか魔法とかってことですか?」



「そんな力、私にはありません。それに、すごく美人。とか頭がいいとか、才能がある。とかそうゆう特別なことは、私には何ひとつないんです。」



リグエル「才能や頭の良さは、光輝さんに会ったばかりですから、僕にもまだわかりません。でも、異能は目醒めていないだけで、光輝さんにはその力があります。僕は霊力が強いので、他人の異能のあるなしがわかるのです。それに、異能がなければ獣人の体液に耐えられませんので、異能がある人間しかこの世界には喚ばれませんよ。」


光輝「そう、ですか....」

リグエル「それと、光輝さんは充分可愛らしいですよ。自信を持ってください。」
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