天狐と或る巫女の物語

神無月 花

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10話

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 冥王 


黄玉はものの数分で二人の門守を倒し、 城の中へと入っていった。

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黄玉「冥王の部屋はどこだ?」


黄玉は、千里眼を使い冥王の部屋を探し当てると再び狐となり 冥王の部屋へ向かった。
その頃冥王の部屋では…。


冥王「門守が倒されたか。」


結美(まさか……黄玉さん?)


冥王「しかし…そなた良く見ると可愛いな。どうだ?天狐などやめて我の城へ来ないか?」 


結美「え?」


冥王「我のものになれ。そうすれば、殺さず大事にしてやるぞ?」


バンっ! 


黄玉「結美っ!」


黄玉が勢い良く扉を開け中へ入ってきた。


結美「黄玉さん……」


冥王「なんだ天狐か。狐風情が何しに来た。」


ぴくっ 


黄玉「貴様、今何と言った?狐風情だと?我は天狐だ。そこら辺の狐と一緒にするな。」


黄玉は声を低くし、怒りをあらわにした 口調で話す。


結美「おっ黄玉さん…?」


結美はその姿に恐れ 驚き、黄玉の名を恐る恐る呼んだ。


黄玉「我をそのように呼んだ勇気はほめてやろう。だが悔いろ。」


冥王「ちっ面倒な事になった。」


そう言うと冥王は、 何か唱え始めた。
すると、徐々に結美と黄玉の姿は薄れだす。


黄玉「これは…転送術か?」


黄玉がそう言い終えると同時に結美と黄玉の姿は完全に消えた。



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