ゲッコウキ

神無月 花

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 出会い  (3/6) 
わたしは声をかけようとその人の近くまでいった。しかし声をかける前にはっとした。その人には角があった。そのすがたはまるで、うわさできく鬼のよう。わたしがその場で立ちつくしていると、こちらに気がついたその人に声をかけられた。


「おい。このような時間に何をしている?」


「えっと…いやなことがあったので気晴らしに月を見ようかと…」


「ならこんな夜中に来ずもう少し早い時間に来い。人間でしかも女のお前がこんな時間に出歩いては危ない。」


「…よるは夜中までしごとがあるので…」
(この人…あったばかりのわたしのこと心配してくれてるの?)




















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