陰と陽の間に生きし者〜現代陰陽師奇譚〜

☆第弌集

一変した生活

「宗家自らおいでになるとは。何か急なご用事でも？」


......何つー白々しい。貴方が俺を呼んだんだろ。いや、陰陽師には時にこうゆう能力、相手に自分の心を知られないようにする為にうまく本心を隠す能力も必要だ。そうゆう点で俺も俺の父も、この叔父も、かなり優れていると思う。


まあ、分家の当主においてはその家を、本家の当主においては一族全部を纏めなくてはいけない訳だから、そうでなくては当主は務まりきらないが。




   政明「 ああ。紫折さんに関する事でお話があります。」


「紫折に？留良（るい）にではなくてですか？」



   政明｢紫折さんから強い霊力を感じます。でも、まだ完全に目覚めきっていないので...これからどんどん力は強くなると思いますよ。｣　　


　　｢紫折から？そんなはずはありません。紫折は妖怪どころか、霊を視る事も出来ないのに。｣


　政明｢１５歳までは、でしょう？今の紫折さんは、鵺を視る事も出来ますよ。将来的にはそこに居る留良君より強くなると思います。｣



　　「紫折の力が、留良より強くなる？!　しかも鵺？!鵺といえば中位の妖怪だ、、、、。そんなはずは、、、。｣



  政明（相変わらず、凄い演技力だな。まるで、最初から自分の娘の霊力の覚醒について知らなかった。とゆう感じさえする。）


　政明｢さて、ここからが紫折さんにとって最も重要な話です。紫折さんには、霊力をコントロールする訓練を受けてもらいたい。その為にも、紫折さんさえ良ければ、本家で紫折さんを預からせて頂きたい。｣


　　｢私共はかまいません。｣


政明｢紫折、君はどうしたい？｣


紫折｢私は･･････｣


紫折はしばらく悩んだ後、真っ直ぐと俺を見据えてこう言った。


　紫折｢私は...本家へ行きます。｣


　　政明｢わかった。一週間後に迎えに来る。｣