陰と陽の間に生きし者〜現代陰陽師奇譚〜

神無月 花

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☆第弌集

一変した生活

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 政明の運転する車に乗った紫折は、京都に着くまで暇だと思ったので、気になった事を聞いてみた。


紫折「私を襲ってきたあれは、何?」

 政明「あれは、鵺だ。」

紫折「ぬえ?」 


 政明「鵺というのは、猿の顔に狸の胴体、尾は蛇というのが一番多く見られる姿なんだが、その他は、猫の頭に体はニワトリというのもいる。まあ、他の姿の鵺も居るが。」


紫折「そう....。」


 政明「鵺は、西洋でいうところのキメラ(複合獣)の総称なんだよ。他の質問は?」 


 紫折「じゃあ、家の事。家の家系は、本家と土御門家だけなの?」 


  政明「いや。安倍家には、分家もあってな。さらに、分家の中にも直系と傍系がある。」



紫折「直系と傍系の違いは?」



 政明「家の一族は、代々陰陽師の家系でな。」



紫折「それは知ってるわ。」


  政明「そうか。で、家の一族の陰陽師としての始祖が安倍晴明公なんだよ。で、直接晴明公の血を継いだ家系が直系、そうでないのが傍系だ。ちなみに、土御門家も直系だぞ。」



紫折「直系家系は、どれくらいあるの?」


 政明「京都の本家・東京分家・名古屋分家・土御門家の4つだよ。傍系は、和歌山分家・愛知県の蟹江分家・大阪分家・香川分家・奈良分家・茨城分家・岐阜分家・神奈川県の鎌倉分家・愛知県の岡崎分家・九州分家だ。だから、合わせて14家あるな。」



紫折「そんなにいっぱい在るの?!」



 政明「ああ。それより、君は何も教えられてないんだな。」


紫折「・・・だって、私は、産まれた時は霊力なんてなかったし。その上、女は当主になれないからと何も教えられなかったのよ。」


  政明「他には?」


紫折「父さんが言ってた、"宗家"って?」


  政明「宗家というのは、本家当主の異称だ。」


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