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第一集 弐ノ巻

*ふたりの紫苑

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  紫苑は暫く自分そっくりな敵の様子を見ていたが、癒良も敵も全く動く様子は無い。


  紫苑「そっちがかかってこないのなら、私からいくわよ。」


そう言うと、紫苑は胸の前で刀印を組んだ。



  紫苑「どっちが本物か、分からせてあげるわ。」



そう言った紫苑は、


   紫苑「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前!」


敵に向かって九字を切った。


が。



「私も随分と甘く見られているようね。九字程度じゃ私は倒せないわよ。」



紫苑そっくりな敵は、それを結界を張り防いだ為、無傷だった。



   「次は、私の番ね。”式神招来”。」


偽紫苑は、式神を召喚する言霊を発動させた。





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