陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

第四集 参ノ巻

白利の出生の秘密ー③

ある日の夜中。ここは、紫苑の家･安倍町分家の近くにある安倍神社だ。



美言｢紫苑に話したのね。あなたの過去を。｣


　　神社に祭られる祭神のうちの一柱、紫苑の先祖で安倍町陰陽師家創設者の美言が言った。



白利｢ああ。｣


美言｢珍しいわね。貴方が他人に自分の過去を話すなんて。本当に紫苑の事を信頼してる証拠だわ。｣

白利｢そやな。まあ信頼は出来るよ。｣


美言｢ふふふ。｣


白利｢なんやの。気色悪いわあ。幽霊が笑うなや。｣

美言｢だって、本当に珍しいんだもの。貴方が他人をそこまで信用してるなんて。その事、ちゃんと紫苑に言ってあげなよ。｣


白利｢そのうちな。それより、そろそろ紫苑がサマの“魂の記憶“を視る頃なんやないの?」


美言「....そうね。」


白利（それにしても、なんで美言は紫苑サマに自分の魂をわけたんやろか。）