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第四集 四ノ巻

魂替えの祭

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「ん...」




 目を覚ました雷虎は、いつも通り鍛練を行う為鍛練場に向かった。


(おかしいわ。鍛練場はこっちのはずなのに、何で着かないの?)


  紫苑の父「紫苑、今日も早いな。鍛練か?...鍛練場はそっちじゃないだろう。寝ぼけてるのか?」



「紫苑?私は美雷ですけど。」


  紫苑の父「...紫苑、雷虎との闘いの時に頭を打ったのか。調子は大丈夫なのか?」



「別に体調は大丈夫ですけど。安倍町分家のご当主こそ、大丈夫ですか?自分の娘と私を見間違えるなんて。」




  紫苑の父(....この話しぶりからして、この子は紫苑ではないのか?では誰だ?)


     紫苑の父が考えを巡らせていると、スマートフォンの音がその場に鳴り響き、その意識は現実へと戻された。


  紫苑の父「はい。安倍町分家,安倍  光留です。ああ、清秋か。どうした?」


清秋《それが...雷虎の様子が変で...》


 紫苑の父「雷虎の様子が?実は、紫苑の様子も変なんだ。」


清秋《紫苑が?じゃあ、やっぱりこの雷虎は紫苑....》


  紫苑の父「何か心当たりが?」


清秋《詳しい事は後で話します。緊急招集をかけて話会を開きますから。》



   紫苑の父「わかった。今からそっちに向かう。」


   紫苑の父は電話を切ると、娘の姿をした別人の少女に向き直った。


紫苑の父「紫苑...いや雷虎か。」


「私も本家に行きます。」


紫苑の父「そうしてくれ。」

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