陰陽ノ花〜現代陰陽師奇譚〜

神無月 花

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*弐ー②

第四集:野望

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正明「雷狼。あの人に貴方の雷を落としてさしあげなさい。」




   土御門の当主は、さらに攻撃を続ける。一方、多量の霊力を一気に消耗してしまった安倍の先々代宗家は、先程の余裕の様子とは打って変わって肩で息をしている。が、結界を張りながら息を整えると、またすぐにこちらに攻撃をしてきた。



  増輝「菅公雷。」


唯幸(か、菅公...?!あの方は菅原道真の荒御霊まで操るんですか...?いったい、ご老体のどこにそんな体力が...)


 唯幸(古の人霊も、神格化された人霊もかなり力が強い。まして菅原道真は神格化された人霊...どうやって闘えば...)




   私含め、全員が黙り込んでどうやって闘えば良いものかと考えていると、突然雷が止んだ。その事に安心しきっていると、何やら紙を破く音が響いた。





唯幸(弱まっていた安倍の先々代宗家の霊力が回復して...?!)




  なんと、破いた符を飲み込んだ瞬間、先々代宗家の霊力が回復してしまった。



   そして、いつの間にか先々代の安倍の宗家の手には剣が握られており、それで安倍の現宗家を攻撃している。安倍の宗家は、それを結界を張って防ぎながら攻撃を続けていくがその攻撃は一向に当たらない。



    清秋「式神招来。」


安倍の宗家は刀印を組み直すと、式神を召喚した。


召喚されて出てきた式は、雷虎の少女だった。 




   清秋「雷虎。この剣にお前の雷気を篭めてくれ。」



安倍の宗家は自身の剣を雷虎に差し出すと、そう指示した。


      雷虎「承知しました。」



安倍の宗家は雷虎から雷気を帯びた剣を受けとると、その剣で先々代宗家の周りの結界を斬りつけた。


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