【完結】土壇場で交代は困ります ［おまけ1話更新］

美津子倒れる

「「「「リリー!!!!」」」」
ずいぶんキレイにハモったわね。
「ダリア嬢どういうつもりだ！か弱いリリーを恫喝するとは！」
宰相息子(こちらも勝手に決定！)が一歩前に出て険しい顔を向けてくる。
いやいやダリアじゃないって主張しただけで恫喝なんてしてないから！
「ダリア嬢、まだ現実を受け止められないのぉ～、君はもう殿下の婚約者じゃないんだよ～」
お前頭悪いだろ、ショタ！その話し方は早いうちに直した方がいいぞ！
そういえば紺髪は？と視線を向けると何故かリリーとイチャイチャしている。自由だな、おいっ！　
なんだこの茶番劇は！ダリアよ、あなたいったい何したの？
みんながこちらをダリアと呼ぶということは多分今の容姿はダリアなんだろうと推測する。
中身は美津子だけどね！！
胃のあたりがキリキリ痛む、触れると硬いのであっ、コルセットかと納得する。
床に打ちつけられた両膝も痛い、捻りあげられていた右肘も痛い、ぎゅうぎゅうコルセットに締めつけられて胴回りも痛い。どんどん胃の痛みが増してくる、これコルセットだけが原因じゃないかも、そういえば夕飯もまだだったな。
嘔気に襲われ口元を押さえ5人から目を逸らす。視界が狭まる…身体は熱いのに震えが止まらない。

「ダリア！聞いているのか、ダリア！」
「ダリア嬢なんとか言ったらどうだ！」

「う、うるさいな…さっきからダリアじゃないって、、はぁっ、何度も…言ってんだろうが…」
もう立っていられない、右に大きく身体が傾いてた。あっ、これ頭から床に激突だなと思った瞬間、硬くて暖かい何かに受け止められた。その安定感にほっと一息はき、そのまま意識を手放した。