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第二話
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ジリリアは帰る前に学内にある図書館へ立ち寄った。本当は基礎魔術の本を探す予定だったが、ふと「黒魔術が引き起こした悲劇」という本が目に入った。ページをめくるとそこには写真が載っており、その下には「二大災害」の文字があった。
二年前の7月27日午前10時36分に発生した空間の歪み。これはジリリアがリュックに空間拡張の魔術を施した日時と一致する。山が丸々一つ飲み込まれたらしい。幸いにも死者はいなかった。
そして同じく二年前の8月1日午後3時42分に起こった隕石の落下。これはジリリアがリュックに重力無視の魔術を施した日時と一致する。国で一番大きな湖が完成したらしい。幸いにも死者はいなかった。
ジリリアはそっと本を閉じた。見なかったことにしよう。一冊の本を手に取ってカウンターに行く。
「あの、普通の魔術の練習はどこでやればいいですか。」
ジリリアは「基礎魔術入門」という本を借りるときに、図書館員の人にそう聞いた。
「ここら辺だと河川敷ね。普通の魔術っていうのは分かんないけど練習頑張って。」
図書館員さんはそう言った。ジリリアは来る途中に川があったのを思い出した。
「はい。頑張ります。」
河川敷に着くともうすでにいろんな学生が魔術の練習をしていた。とりあえず土手に座って様子を見ることにした。
「なんでみんな口をパクパクさせてるんだろ。攻撃系魔術なのに瘴気が発生してないし。」
「瘴気って君、どんな魔術やねん。」
やばい。周りに聞こえないように呟いたつもりが聞かれていた。後ろにはスポーツキャップを深く被った同世代ぐらいの女の子がいた。
「一つ目の疑問はそれ読んだら分かるで。」
「基礎魔術入門」をパラパラッとめくると、どうやら普通の魔術には詠唱が必要ならしい。今まで勉強してきた魔術のは頭に文字列を思い浮かべるだけでよかった。
「えっと、あなたは誰?」
女の子は目こそ見えないものの二ィッと笑った。
「そんなことより君、外から来た子やろ。雰囲気で分かるわ。私と同級生やんね。」
そういうと女の子はペタペタと体を触ってきた。この町ではこれが初対面の人に対する礼儀なのか。いや、多分違う。
「え?だからあなたは誰なんですか?」
「嬉しいわ。私が友達第一号やん。君にとっては親友候補やで。」
「だから誰なんですか。」
「嫌がらんと受け入れ。親友になるにはこういう儀式が必要やねん。」
話が全く通じない。一通りこねくりまわされると、もう息が切れかけていた。
「私が誰かやったな。親友のよしみや。教えたる。普段は喋り方変えとるから分からんかったやろうけど・・・。」
そういうと女の子はジリリアにだけ見えるようにスポーツキャップを上げた。
「最強魔術師にしてトップアイドル。みんなの宝物、キュピネや。」
どうしよう。一ミリも知らない。
二年前の7月27日午前10時36分に発生した空間の歪み。これはジリリアがリュックに空間拡張の魔術を施した日時と一致する。山が丸々一つ飲み込まれたらしい。幸いにも死者はいなかった。
そして同じく二年前の8月1日午後3時42分に起こった隕石の落下。これはジリリアがリュックに重力無視の魔術を施した日時と一致する。国で一番大きな湖が完成したらしい。幸いにも死者はいなかった。
ジリリアはそっと本を閉じた。見なかったことにしよう。一冊の本を手に取ってカウンターに行く。
「あの、普通の魔術の練習はどこでやればいいですか。」
ジリリアは「基礎魔術入門」という本を借りるときに、図書館員の人にそう聞いた。
「ここら辺だと河川敷ね。普通の魔術っていうのは分かんないけど練習頑張って。」
図書館員さんはそう言った。ジリリアは来る途中に川があったのを思い出した。
「はい。頑張ります。」
河川敷に着くともうすでにいろんな学生が魔術の練習をしていた。とりあえず土手に座って様子を見ることにした。
「なんでみんな口をパクパクさせてるんだろ。攻撃系魔術なのに瘴気が発生してないし。」
「瘴気って君、どんな魔術やねん。」
やばい。周りに聞こえないように呟いたつもりが聞かれていた。後ろにはスポーツキャップを深く被った同世代ぐらいの女の子がいた。
「一つ目の疑問はそれ読んだら分かるで。」
「基礎魔術入門」をパラパラッとめくると、どうやら普通の魔術には詠唱が必要ならしい。今まで勉強してきた魔術のは頭に文字列を思い浮かべるだけでよかった。
「えっと、あなたは誰?」
女の子は目こそ見えないものの二ィッと笑った。
「そんなことより君、外から来た子やろ。雰囲気で分かるわ。私と同級生やんね。」
そういうと女の子はペタペタと体を触ってきた。この町ではこれが初対面の人に対する礼儀なのか。いや、多分違う。
「え?だからあなたは誰なんですか?」
「嬉しいわ。私が友達第一号やん。君にとっては親友候補やで。」
「だから誰なんですか。」
「嫌がらんと受け入れ。親友になるにはこういう儀式が必要やねん。」
話が全く通じない。一通りこねくりまわされると、もう息が切れかけていた。
「私が誰かやったな。親友のよしみや。教えたる。普段は喋り方変えとるから分からんかったやろうけど・・・。」
そういうと女の子はジリリアにだけ見えるようにスポーツキャップを上げた。
「最強魔術師にしてトップアイドル。みんなの宝物、キュピネや。」
どうしよう。一ミリも知らない。
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