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薄青の散る 3
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―ヘキサ―
3人は食事を終え、モール内のスーパーで夕食の買い出しを済ませたのち、17時半ごろアジトに帰還した。
アジトの1階部分は大きなガレージになっており、開閉式のシャッターで外と中とを完全に仕切ることができる。
リコリスがスマホを操作しシャッターを開け、オクタはバンをバックさせガレージに駐車させた。
「ラーレに確認してなかったんですが、夕飯作ったら食べますかね?」
六花は大きな買い物袋を両手に持ってバンを降りた。
モール内にあるスーパーをざっと見て回ったところ、久しぶりに卵が安く売られていることが分かった。
たまにはラーレの好きなオムライスを夕食に作ってあげてもいいかとカルボナーラを食べて機嫌が良くなっていた六花は思った。
だから、そのための食材を買い込んでいたのだ。
「六花ちゃんが作った料理ならなんでも食べてくれるでしょ!私は……下手だから食べたくないって言うかも知んないけど」
リコリスも買い物袋を両手にバンを降りたが、その中身はスナック類やカップ麺、ジュースといった軽食で、自分の部屋の備蓄だった。
「前から思ってましたけどなんでそんだけ食べて太らないんですか。実は隠れて運動してたり……?」
六花が不満を漏らすのも頷けるほどリコリスの持つ袋にはパンパンにスナック類が詰められていた。
「私っていくら食べても太らないんだよね~。体質って言えば良いのかな」
「……」
六花は何の気なしにそう言ったリコリスを見て言葉を失った。
「なんかごめん?」
「謝らないでください……」
六花は気を取り直してアジトへと入っていく。
「ラーレ!帰ってきましたよ!」
室内に六花の声が寂しく響く。アジトを出る時に消した蛍光灯は出た時のまま一つもついていなかった。
アジトは光が差し込みにくい作りになっていて、外の鮮やかな夕焼けは、薄っすらとしか感じることができなかった。
(ラーレは部屋から出てないの?)
ラーレの部屋は三階。オクタの部屋の左隣で階段から離れたところにあるが、彼が部屋に篭ることは稀だ。
ラーレがデートをするために外出する時は基本的に午前中から外出する。昼ごろまでアジトにいたということから今日はデートの予定が入っていなかったのだろうと六花は考えていた。
だが、アジトにいるのならば大抵はリビングにいる。三階へ行くのは寝る時くらいなもので普段は二階にいることが多い。
というのもリビングには大きなテレビがあるからだ。
仕事がない時、リコリスは部屋にこもりがちで、オクタはリビングにいてもコーヒーを飲んでいるかタバコを吸うためにすぐ部屋へ戻ってしまうため、そのテレビを使わない。
六花はクイズ番組を録画していた時にだけ使うが、日中はほとんど部屋でストレッチをしたり外へ走りに行ったりしていてテレビを占領しない。
テレビはラーレのものと言っても過言ではない状態だった。複数のサブスクリプションサービスに契約しているらしく、ラーレは頻繁にそのテレビで映画を見ている。
もっぱらデート相手の趣味を聞いた時に視聴しては次のデートでの話題作りをしているらしかった。六花は以前、仕事でラーレを呼びに行ったときにそんな会話をしているのを目撃したことがある。
ラーレがリビングにいないことは珍しい。そしてここにいないということは部屋で寝ているのだろうと考えた。
(寝てるのかな?こんな早くから珍しい)
六花はそれ以上深く考えずにキッチンへと向かった。リコリスとオクタはそれぞれ自分の部屋へ荷物を置きに帰っていく。
キッチンへとやってきた六花は使わない食材を冷蔵庫に仕舞い込むと袖を捲り上げて早速調理を始める。
冷凍庫から以前買っておいた冷凍食品のご飯を取り出してレンジへ。
温めが終わるまでの時間で覚えているレシピを頼りに人参と玉ねぎを荒微塵に刻んでいく。それが終わると今度は包丁を水で濯ぎ、鶏肉を一口大に切り分けた。
六花は鼻歌交じりにフライパンを取り出すと、中に肉を入れ火にかけた。焼き加減を見て人参、玉ねぎを加えていく。
最後にレンジから取り出したご飯をフライパンに移し一緒に炒めていく。ケチャップ、塩こしょう、バターを加え味を確かめながらケチャップライスを仕上げる。
ちょうど出来上がるかといったタイミングでリコリスがキッチンへとやって来る足音が聞こえた。六花は調理の手を止めずに声をかける。
「秋花さんがこっち来るなんて珍しいですね。あっ!部屋の冷蔵庫じゃ飲み物入りきらなかったとか……?」
六花は訝しむ様な目でリコリスに視線を送る。
彼女の部屋には大きめの冷蔵庫や電子ケトルがある。水もインターネットで購入しているらしいことを六花は知っていた。
以前部屋を掃除した時に、ダンボールが大量に積まれていたの見たことがあった。六花はそれをもう中身の入っていない通販のゴミだと思い捨てそうになったことがある。
インターネットに詳しくない六花はアジトに送られてくるダンボールは概ねリコリスの部屋の前に置いておくことにしている。英字の書かれたダンボールが最も多いがたまに画像がプリントされているものをはじめ英字以外のものが送られてきていた。
疑問に思った六花がリコリスにどういうことかと尋ねると、企業が発送しているものではなく所謂フリーマーケットのような一般の人が出品しているものを購入すると出品者が梱包しているため、稀に柄の入ったダンボールで送られてくることがあると説明された。
リコリスはそういったダンボールを放置するきらいがあるため、六花が部屋を掃除するたびに間違えて捨てそうになるという事故が頻発していた。大量の水を購入していることを知ったのもその時だ。
その後、天然水のダンボール箱を確認してみると部屋の一角を占拠するほどの量が詰まれていることが分かった。
1つで2Lの天然水が6つも入っているのだからあの部屋には相当な量の水があるだろうことは想像に難くない。
あの部屋はその中だけで基本的な生活を回すことができる状態が整っている。そんなリコリスが調理中のキッチンへやって来る理由が六花には思いつかなかった。
「いや……違うよ?ペットボトルは大丈夫、大丈夫。……ラーレからメッセージ来てたのに今まで気づいてなかったみたいで」
リコリスは一瞬ギョッとした様な表情を浮かべたが、すぐに話題を変えた。
「メッセージ?」
六花は冷蔵庫から先程しまっておいたオムライス用の卵を取り出しつつ話に耳を傾ける。
「……〈俺先行ってるわ!あとよろしく!〉ってさ」
六花は驚いてリコリスを見た。
「っ、はぁ――!?!?」
一瞬遅れて割れるような悲鳴がアジトの中に響いた。
リコリスが確認したメッセージによるとラーレは1人だけ目的地に先行してしまったらしい。
六花は調理の手を止めてアジト一階のガレージへ向かうと確かにラーレの愛用しているバイクが無くなっていた。バンで帰って来た時には意識してなかったため見落としていたのだろう。
「ラーレのやつッ!」
ラーレの部屋を開けると中はもぬけの殻で、部屋の中央にゴルフバッグより少し大きめのケースが置かれていた。
中身を確かめるまでもない。彼のライフルバッグだ。六花は幾度もこの中からスナイパーライフル"M1500"を取り出すところを見ていた。
「あとよろしく!ってこれかっ!!」
六花は仕事道具をまるまる置いて行って「あとよろしく」の一言で済ませたラーレに腹を立てつつも、深呼吸をすると肩を落としたままキッチンへと戻って行った。
3人は食事を終え、モール内のスーパーで夕食の買い出しを済ませたのち、17時半ごろアジトに帰還した。
アジトの1階部分は大きなガレージになっており、開閉式のシャッターで外と中とを完全に仕切ることができる。
リコリスがスマホを操作しシャッターを開け、オクタはバンをバックさせガレージに駐車させた。
「ラーレに確認してなかったんですが、夕飯作ったら食べますかね?」
六花は大きな買い物袋を両手に持ってバンを降りた。
モール内にあるスーパーをざっと見て回ったところ、久しぶりに卵が安く売られていることが分かった。
たまにはラーレの好きなオムライスを夕食に作ってあげてもいいかとカルボナーラを食べて機嫌が良くなっていた六花は思った。
だから、そのための食材を買い込んでいたのだ。
「六花ちゃんが作った料理ならなんでも食べてくれるでしょ!私は……下手だから食べたくないって言うかも知んないけど」
リコリスも買い物袋を両手にバンを降りたが、その中身はスナック類やカップ麺、ジュースといった軽食で、自分の部屋の備蓄だった。
「前から思ってましたけどなんでそんだけ食べて太らないんですか。実は隠れて運動してたり……?」
六花が不満を漏らすのも頷けるほどリコリスの持つ袋にはパンパンにスナック類が詰められていた。
「私っていくら食べても太らないんだよね~。体質って言えば良いのかな」
「……」
六花は何の気なしにそう言ったリコリスを見て言葉を失った。
「なんかごめん?」
「謝らないでください……」
六花は気を取り直してアジトへと入っていく。
「ラーレ!帰ってきましたよ!」
室内に六花の声が寂しく響く。アジトを出る時に消した蛍光灯は出た時のまま一つもついていなかった。
アジトは光が差し込みにくい作りになっていて、外の鮮やかな夕焼けは、薄っすらとしか感じることができなかった。
(ラーレは部屋から出てないの?)
ラーレの部屋は三階。オクタの部屋の左隣で階段から離れたところにあるが、彼が部屋に篭ることは稀だ。
ラーレがデートをするために外出する時は基本的に午前中から外出する。昼ごろまでアジトにいたということから今日はデートの予定が入っていなかったのだろうと六花は考えていた。
だが、アジトにいるのならば大抵はリビングにいる。三階へ行くのは寝る時くらいなもので普段は二階にいることが多い。
というのもリビングには大きなテレビがあるからだ。
仕事がない時、リコリスは部屋にこもりがちで、オクタはリビングにいてもコーヒーを飲んでいるかタバコを吸うためにすぐ部屋へ戻ってしまうため、そのテレビを使わない。
六花はクイズ番組を録画していた時にだけ使うが、日中はほとんど部屋でストレッチをしたり外へ走りに行ったりしていてテレビを占領しない。
テレビはラーレのものと言っても過言ではない状態だった。複数のサブスクリプションサービスに契約しているらしく、ラーレは頻繁にそのテレビで映画を見ている。
もっぱらデート相手の趣味を聞いた時に視聴しては次のデートでの話題作りをしているらしかった。六花は以前、仕事でラーレを呼びに行ったときにそんな会話をしているのを目撃したことがある。
ラーレがリビングにいないことは珍しい。そしてここにいないということは部屋で寝ているのだろうと考えた。
(寝てるのかな?こんな早くから珍しい)
六花はそれ以上深く考えずにキッチンへと向かった。リコリスとオクタはそれぞれ自分の部屋へ荷物を置きに帰っていく。
キッチンへとやってきた六花は使わない食材を冷蔵庫に仕舞い込むと袖を捲り上げて早速調理を始める。
冷凍庫から以前買っておいた冷凍食品のご飯を取り出してレンジへ。
温めが終わるまでの時間で覚えているレシピを頼りに人参と玉ねぎを荒微塵に刻んでいく。それが終わると今度は包丁を水で濯ぎ、鶏肉を一口大に切り分けた。
六花は鼻歌交じりにフライパンを取り出すと、中に肉を入れ火にかけた。焼き加減を見て人参、玉ねぎを加えていく。
最後にレンジから取り出したご飯をフライパンに移し一緒に炒めていく。ケチャップ、塩こしょう、バターを加え味を確かめながらケチャップライスを仕上げる。
ちょうど出来上がるかといったタイミングでリコリスがキッチンへとやって来る足音が聞こえた。六花は調理の手を止めずに声をかける。
「秋花さんがこっち来るなんて珍しいですね。あっ!部屋の冷蔵庫じゃ飲み物入りきらなかったとか……?」
六花は訝しむ様な目でリコリスに視線を送る。
彼女の部屋には大きめの冷蔵庫や電子ケトルがある。水もインターネットで購入しているらしいことを六花は知っていた。
以前部屋を掃除した時に、ダンボールが大量に積まれていたの見たことがあった。六花はそれをもう中身の入っていない通販のゴミだと思い捨てそうになったことがある。
インターネットに詳しくない六花はアジトに送られてくるダンボールは概ねリコリスの部屋の前に置いておくことにしている。英字の書かれたダンボールが最も多いがたまに画像がプリントされているものをはじめ英字以外のものが送られてきていた。
疑問に思った六花がリコリスにどういうことかと尋ねると、企業が発送しているものではなく所謂フリーマーケットのような一般の人が出品しているものを購入すると出品者が梱包しているため、稀に柄の入ったダンボールで送られてくることがあると説明された。
リコリスはそういったダンボールを放置するきらいがあるため、六花が部屋を掃除するたびに間違えて捨てそうになるという事故が頻発していた。大量の水を購入していることを知ったのもその時だ。
その後、天然水のダンボール箱を確認してみると部屋の一角を占拠するほどの量が詰まれていることが分かった。
1つで2Lの天然水が6つも入っているのだからあの部屋には相当な量の水があるだろうことは想像に難くない。
あの部屋はその中だけで基本的な生活を回すことができる状態が整っている。そんなリコリスが調理中のキッチンへやって来る理由が六花には思いつかなかった。
「いや……違うよ?ペットボトルは大丈夫、大丈夫。……ラーレからメッセージ来てたのに今まで気づいてなかったみたいで」
リコリスは一瞬ギョッとした様な表情を浮かべたが、すぐに話題を変えた。
「メッセージ?」
六花は冷蔵庫から先程しまっておいたオムライス用の卵を取り出しつつ話に耳を傾ける。
「……〈俺先行ってるわ!あとよろしく!〉ってさ」
六花は驚いてリコリスを見た。
「っ、はぁ――!?!?」
一瞬遅れて割れるような悲鳴がアジトの中に響いた。
リコリスが確認したメッセージによるとラーレは1人だけ目的地に先行してしまったらしい。
六花は調理の手を止めてアジト一階のガレージへ向かうと確かにラーレの愛用しているバイクが無くなっていた。バンで帰って来た時には意識してなかったため見落としていたのだろう。
「ラーレのやつッ!」
ラーレの部屋を開けると中はもぬけの殻で、部屋の中央にゴルフバッグより少し大きめのケースが置かれていた。
中身を確かめるまでもない。彼のライフルバッグだ。六花は幾度もこの中からスナイパーライフル"M1500"を取り出すところを見ていた。
「あとよろしく!ってこれかっ!!」
六花は仕事道具をまるまる置いて行って「あとよろしく」の一言で済ませたラーレに腹を立てつつも、深呼吸をすると肩を落としたままキッチンへと戻って行った。
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