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第1章 聖女の再来
プロローグ
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「聖なる言葉!」
神聖言語での詠唱を終え、力ある言葉を解き放つ。すると私の周りに無数の大きな神聖文字が浮かび上がった。それは一つ一つが強力な魔を打ち払う聖なる言葉。その言葉が私を中心にして上下左右全方位に広がっていく。人を素通りしてオーガだろうがトロルだろうがグリフォンであってさえもこの言葉の前にはその身を焼かれて浄化され、その血肉ですらも残さず魔石のみを残して消え去っていく。
街の外壁付近にいた魔物はこの一撃で全滅である。素材が取れないなどの苦情は聞かないよ。そんな場合じゃないでしょ、魔物の大群が押し寄せているのに。
「ご主人様、向うにひと際強い力を感じるのです」
キャトルが私に敵の首魁の位置を告げる。この魔物の集団を扇動したのはそいつか?
だとしたら絶対許さない。そいつが意図したかどうかなど関係ない。単に最悪のタイミングだっただけかもしれないが、そいつがきっかけで私は投獄されたのだ。そいつを倒しても私の疑いは晴れるかどうかは賭けだ。まずはそいつを人の見ている前で倒さないといけない。
「行くよキャトル!」
私は聖衣のスキルで生み出していた白い翼をはためかせ、空へと舞い上がる。
「あれは天使か?」
「神の使いに違いない」
天使?
神の使い?
ずいぶん持ち上げられたものよね。私の名はマレフィカ=アマーレ。罪人だ。罪状は悪魔と通じた疑いと脱獄かなぁ……。
まぁ確かにキャトルは幼いけど魔族だし脱獄したのは事実だけどね。でも悪魔と通じた罪は悪意を持った共謀や害意ある行動が伴わない限り対象にならないはずなのに。つまり冤罪なんだってば。
だから私は戦わなければならない。自らの無実を証明するためにも。
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本作品に出てくる名称のほとんどはラテン語を基本としています
神聖言語での詠唱を終え、力ある言葉を解き放つ。すると私の周りに無数の大きな神聖文字が浮かび上がった。それは一つ一つが強力な魔を打ち払う聖なる言葉。その言葉が私を中心にして上下左右全方位に広がっていく。人を素通りしてオーガだろうがトロルだろうがグリフォンであってさえもこの言葉の前にはその身を焼かれて浄化され、その血肉ですらも残さず魔石のみを残して消え去っていく。
街の外壁付近にいた魔物はこの一撃で全滅である。素材が取れないなどの苦情は聞かないよ。そんな場合じゃないでしょ、魔物の大群が押し寄せているのに。
「ご主人様、向うにひと際強い力を感じるのです」
キャトルが私に敵の首魁の位置を告げる。この魔物の集団を扇動したのはそいつか?
だとしたら絶対許さない。そいつが意図したかどうかなど関係ない。単に最悪のタイミングだっただけかもしれないが、そいつがきっかけで私は投獄されたのだ。そいつを倒しても私の疑いは晴れるかどうかは賭けだ。まずはそいつを人の見ている前で倒さないといけない。
「行くよキャトル!」
私は聖衣のスキルで生み出していた白い翼をはためかせ、空へと舞い上がる。
「あれは天使か?」
「神の使いに違いない」
天使?
神の使い?
ずいぶん持ち上げられたものよね。私の名はマレフィカ=アマーレ。罪人だ。罪状は悪魔と通じた疑いと脱獄かなぁ……。
まぁ確かにキャトルは幼いけど魔族だし脱獄したのは事実だけどね。でも悪魔と通じた罪は悪意を持った共謀や害意ある行動が伴わない限り対象にならないはずなのに。つまり冤罪なんだってば。
だから私は戦わなければならない。自らの無実を証明するためにも。
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本作品に出てくる名称のほとんどはラテン語を基本としています
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