【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

文字の大きさ
9 / 188

第9話 初めての定食屋

しおりを挟む
 そして僕たちはやって来た。安くて美味しいと評判で僕たちでも大丈夫そうなお店を受け付けのアリシアお姉さんに聞いたのだ。

 服装よし、身体も洗った。武器の棍棒は腰に下げてあるし大丈夫だろう。財布代わりの革袋も確認した。


「よ、よし、入るぞ!」

「お、おう!」


     勇気を出して初めての定食!

     僕たちはサルヴァンを先頭にお店へ入っていった。


「いらっしゃいませー、何名様ですか?」

「よ、4人です」

「ではあちらへどうぞー」


  お店の人に案内され、僕たちはテーブルに腰掛ける。サルヴァンの隣に僕が座り、アレサの横にリーネが座って向かい合わせだ。


「すまん、メニューを読んでくれ」

「う、うん。えーっと、オーク肉のステーキランチが銀貨3枚だね。これがオススメみたい」


 他の定食は銀貨4枚とかザラだった。どうやらランチというものは特別安いのかもしれない。普段食べてる格安弁当が銅貨3枚だから、1食で10回分の食事代になるのか。これはきっと凄いご馳走に違いない!


「よし、じゃあ俺はそれにする。おすすめだしな」

「なら私もだ」

「私も!」


  一世一代の決断になるかと思いきや、一瞬で決まってしまった。そもそも料理の名前を聞いてもどんな料理なのか知らないのだから、おすすめを選ぶのは当然だろう。

 ステーキ、なんて美味しそうな響きだろうか。

  僕たちはお店の人にオークのステーキランチを4つ頼んだ。すぐに払うものらしく、僕たちは銀貨12枚支払うとお店の人もニッコリ笑ってくれた。


 僕たちはワクワクしながら楽しみだね、なんて他愛ない話をしながら料理が来るのを待つ。

 しばらくすると、お店の人が料理を運んできてくれた。


「オークのステーキランチお待たせしましたー。残りもすぐにお持ちしまーす」


  先ずはサルヴァンの方に、次はアレサに、とお店の人が料理を運んでくる。料理には温かそうな湯気がたち、とてもいい匂いがした。この匂いを嗅いでるだけでお腹が鳴りそうなほどに食欲を刺激する。


 料理にはナイフとフォークがついており、早速オークのステーキにナイフを入れた。するとジュワッ、と汁が溢れる。1口大に切って口に運びひと噛み。零れる肉汁、広がる旨味。


「美味しい…! すっごく美味しいよう…」

「うん、こんな美味しいものがあるなんて…。私、幸せだ」

「美味いなぁ…。ほんとに美味い」

「うん、そうだね。来て良かったよ!」


  僕たちは初めて受ける衝撃に不覚にも涙する。僕たちは貪るようにオークのステーキを食べる。言葉が出ない。こんな美味しいものが世の中にあるなんて!

  大袈裟かも知れないけど、初めて知る世界はこんなにも素敵で感動をくれた。

「なぁ、これからはきっと稼ぎも増えるよな。なんたって俺たち、オーガを倒したんだぜ?」
「うん、でも不意打ちだったからね。調子に乗ると危ないし、今まで通り慎重に行こうよ」

  そう。ちょっといい戦果を挙げたからと調子に乗って自分の力量を見誤った者から死んでいくんだ。そんな冒険者たちを僕たちは何度か見てきている。

「そうだな、ルウの言う通りだ。アリシアさんに怒られたばかりだろう?」
「いや、それはわかってるけどさ」

   サルヴァンが口ごもっているなぁ。喧嘩になると嫌だしここは僕がフォローしよう。

「うん、でもわざわざオーガの相手をしなくてもいいと思うよ?    今度はオークの遭遇率に絞って強化ブーストすればいいんだし。そうすれば毎日オークを狩れるから収入は爆上がりだよ!」
「そう!   それそれ。俺の言いたかったことはそれなんだよ!」

    サルヴァンがしっかりと僕の意見に乗っかる。サルヴァンは空気の読める男なのだ。

「それは確かにそうだな。そうだ、剣も痛めば回復ヒールで直せるかもしれないな!」
「使い減りしない剣とか最高じゃないか!」
「魔法も使いたい放題だから何度も狩りに行けるもんね!    ルウの恩恵ギフト1つでここまで変わるなんて凄いよね」

   話が盛り上がってきて良かった。せっかくのご馳走なんだから楽しく食べたいよね。

「これもみんなルウのおかげだな!」
「そんなことないよ。それは恩恵ギフトが凄いだけだもん。みんなだって恩恵ギフトを手に入れたらみんな凄いことになるはずだよ?」
「夢が広がるなぁ……!」

    さすがに照れる。僕個人は力も弱いし背も低い。それこそオークに簡単に殺されてしまうだろう。みんながいないと僕なんて弱っちいチビでしかない。

   それから会話も弾み、僕たちは楽しく会話を楽しみながらオークステーキ定食を味わうのだった。



「ご馳走様でした…!」


     僕たちはこのオークのステーキランチの味を一生忘れないだろう。これでまた頑張れる。

     僕たちは揃ってお店を出た。そしてお互いの顔を見合わせ約束する。


「「また来ようね!」」


しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜

あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい! ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット” ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで? 異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。 チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。 「────さてと、今日は何を読もうかな」 これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。 ◆小説家になろう様でも、公開中◆ ◆恋愛要素は、ありません◆

狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~

一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。 しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。 流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。 その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。 右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。 この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。 数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。 元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。 根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね? そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。 色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。 ……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~

夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。 雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。 女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。 異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。 調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。 そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。 ※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。 ※サブタイトル追加しました。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...