【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

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第23話 面倒ごとは調子のいい時にやってくる

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 ギルドマスターの勧めで僕たちは建物の後ろの方から脱出した。そして4人で以前利用していた隠れ家へ行く。そこは身体を洗わせてくれるじぃちゃん達のいる川のさらに下流。

 そこには朽ちた廃屋があり、雨風くらいならしのげるためよく利用していた場所だ。中にいる子たちも知っている子達。たまに来てはできる範囲で援助をしていた。

 これはストリートチルドレンの互助システムみたいなもので、後輩達に僅かながらでも援助するのが習わしなのだ。


「あんちゃん達お帰り。なんか恵んでおくれよ」


 わらわらと子供たちが集まってくる。この中にいるのは年長でも14くらいだ。10歳になると大抵は冒険者になる。僕とリーネも10歳のときに冒険者になった。自分たちも何かしたいという気持ちがあったからだ。
    もっとも、外に出られるのが12歳からで、魔法を覚えたのも13歳になってからなんだけどね。


「なぁ、今日の銀貨だけでもこいつらにやっていいよな?」

「うん、そうだね。これだけあれば当分は大丈夫だと思う」


 僕は銀貨を63枚取り出す。少し多いけどそれは気持ちだ。それをこの中のリーダーのヘタイロスに渡す。彼は14と同じ歳で僕よりも背が高い。素手の喧嘩なら僕は余裕で負けるだろう。ここにいる7人を守る大役を買ってくれた優しい少年だ。


「悪いないつも。薬草集めだけじゃなかなかお金にならなくてな」

「仕方ないさ。ルード達は元気にしてるのか?」


 ルードとはここ出身の冒険者パーティのリーダーだ。サルヴァンとルードの2つに別れてパーティを作ったのだ。


「ああ、あいつらも頑張ってるよ。3日前に来てくれた。それよりルウ、また文字を教えてくれよ」

「うん、わかった」


 僕とリーネは週に最低2度はここに来て文字や計算を教えている。読み書きができればどこかで雇ってもらえるし、魔法だって覚えられる。これにはアレサやサルヴァン達も参加しているのだ。

 ノートなんて洒落たものはないので地面に書いて勉強する。地面がノートでペンが木の枝だ。そうだ、勉強の成果を強化ブーストできないだろうか? 


 それから僕とリーネはみんなに読み書きを教えた。効率を強化したおかげかアレサも大分読み書きが出来るようになってきている。もう簡単な本なら読めるだろう。




 ヘタイロス達と別れた後、僕たちは今日の大勝利を祝うためにまたあの定食屋にやって来た。お腹が空いてるなー、と思ったらお昼ご飯を食べていなかったんだよね。

 中に入り、店員に案内されて四人席に座る。

 アレサが早速メニューを持って文字を読み上げた。


「オークステーキ定食、これだな前に食べたやつは。これは銀貨5枚か。前のはランチで安かったんだな」

「お、アレサ読めてるじゃないか。俺にも見せてくれないか」


 サルヴァンもアレサからメニューを受け取り書いてある文字を眺める。サルヴァンの顔が綻んでいるね。サルヴァンも読めているみたいだ。


「よし、俺はビフテキというやつにする! 銀貨10枚だけど今日はお祝いだしいいよな?」

「わ、いいな。じゃあ私もそれにする!」

「僕も」

「みんなそれか? なら私もだ」


 結局みんなビフテキになった。僕は金貨で支払うと、銀貨60枚のお釣りを受け取る。小さな袋に50枚ずつ入れていて、勘定しやすいようにしてあるみたいだ。


 そして僕たちはビフテキというご馳走を感動しながら食べていると誰かが話しかけてきた。しかも僕の肩に手を置き、顔を近づけてくる。距離感!


「なぁ、あんたら龍炎光牙だろ。見てたぜ、あのコカトリスを収納魔法から出すところをよ」

「…それで、何か御用ですか?」


 僕は努めて気にしない振りをしながら相手を見ずに返事をする。舐められたらあかんねん。


「俺様のクラン『ガレスの下僕達』に入れ。拒否は認めねぇ」

「……ギルドマスターに相談中です」

「あ?   拒否権はねぇ、つったろ?」


 あー、やっぱり面倒ごとかー。ギルドマスターに言われた通りだよ…。しかもこの高圧的な態度はなんなんだろうね。絶対ろくなクランじゃない。しかも名前がガレスの下僕たち?
    なんか都合よく使われそうで嫌だな……。


「悪いけどやめてくれないか。僕たちの入るクランはギルドマスターにお願いしてある。ギルドマスターを通してくれ」

「おいおい、お前らみたいな駆け出しがクランに誘われるなんてそうあることじゃないんだぜ?    悪いようにはしねえ、いいから入れ」


 サルヴァンが声をあげるが男は聞く耳を持っていない。やだなー、こんなとこで揉め事なんて。


「今食事中なんだ。離して欲しいな」

「あ? 舐めてんのかテメェ!」


 うわ!   なんて短気なんだろう。いきなり胸ぐら掴んで持ち上げるとか酷くない?

 結構苦しいんだけど?

 しかもこいつが大声出すもんだから周りの視線もこっちに集まるし…。


「お客さん、揉め事は困りますね。ここは食事をするところです。喧嘩をしたいなら出ていっていただけますか?」


 軽く騒ぎになり、やたらとガタイのいい強面の店員が出てきた。迷惑男より頭1つくらい背が高い。あんなのに絡まれたらチビりそうだ。


「ちっ、はいはい悪かったよ」


 迷惑男は引き下がると店を出て行った。助かった…。僕はホッ、と胸を撫で下ろすと店員にお礼を言った。


「お客様、お気になさらずに。ではお食事を続けてください」


 強面の店員はニカッ、と白い歯を見せて笑うと立ち去って行った。うん、カッチョエエ。

 そして僕たちは食事を楽しむことができた。銀貨10枚もするビフテキに満足して店を出ると、さっきの迷惑男が仲間を連れて待ち構えていた。

    もしかしてヤバくない?

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