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第117話 人質救出作戦1
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そしてまたまた部屋に9人が集まり作戦会議である。もう狭いのは仕方ないね。
「で、どうやるんだ?」
「うん、人質の救出にはこれを使おうと思ってね」
そう言って僕が収納から取り出したのは蓋付きの箱だ。鉄製なので重量はあるけど運ぶ際は収納魔法でいい。
「ああ、これか。即席休憩箱だっけ?」
「そ。この中は拡大の魔法で結構広く作ってあるんだ。30人くらいなら入るはずだよ」
元々は拡大の魔法の実験に作ったやつなんだけどね。この箱の蓋を開け、中に入ると広い部屋になっているのだ。蓋をして収納魔法にしまうこともできてしまう。そのおかげでわかったんだけど、リーネの収納魔法にも時間経過がなかったのだ。
ちなみに調べ方は中に入って砂時計をひっくり返し、蓋をしてもらって収納するだけ。30分経って取り出しても砂時計は落ち切っていなかったのだ。本来収納魔法ではしまえない生物もこの方法なら収納できてしまう。これも応用範囲が広すぎるし、軍事利用も可能な技術だ。
「なるほど、この重さだと収納魔法で運ぶしかないな。で、どうやって人質の所へ行くんだ?」
「それなんだけどね……?」
僕はその方法を皆に説明した。
「随分まどろっこしい気もするな……」
「念には念を、だよ。失敗は許されないからね」
まどろっこしい、か。確かにそうかもしれない。でも色々な可能性に対応するにはこのやり方がベターだと思うんだよね。
「確かにそうだな。じゃあ先ずはルード達とルウで集会に潜入だな。その後は俺たちの出番となるわけか。ほとんどリーネの仕事になってしまうけど、大丈夫か?」
「うん、できると思う。任せて」
この作戦の肝はリーネだ。他のメンバーはむしろリーネの護衛だね。フィンにも頑張って貰うしかないかな。
「潜入するんだし、変装しないとだな」
「え、いるそれ?」
「いや、ルウは面が割れている可能性があるだろうし、俺達も情報収集とかしていたからな。もしかしたらマークされているかもしれないだろ?」
うーん、確かにその可能性は否定できないなぁ。変に有名になっちゃってはいるんだろうけど、顔までは知られていない気もする。
「変装ねぇ。それならルウの変装は私に任せなさい。絶対にルウだとわからないようにしてあげるから。ルカ、手伝って」
「え? う、うん。じゃあルウはこっち」
ミラがニヤーッとイタズラっぽく笑う。これは絶対にろくでもないこと考えてるな。
「いや、そこまでしなくても……」
「いいから来なさい。アレサ、リーネあんたも手伝って」
「かまわんぞ。ルウ、人の好意に甘えるのも優しさだろ。ほれ」
アレサが僕をひょいと片手で持ち上げる 鍛えているだけあって凄い力だ。で、なんで手助けを女性陣だけに頼むのかな?
なんとなく嫌な予感がしつつも僕は抗うことを許されず隣の部屋へ連れていかれた。
20分後……。僕は恥辱にまみれた格好で皆の前で晒し者になっていた。ああ、笑いものにされるのか……。これなんて罰ゲーム?
「……似合ってんじゃん!」
「お前性別間違えて生まれたんじゃないのか?」
「どう? なかなかの力作でしょ?」
そう、僕はミラ他女性陣の手により女物の服を着せられていた。胸にも少し詰め物までされ、女性用のウィッグを付けて長い黒髪になっている。スカートがスースーして落ち着かないんですけど?
ていうかなんでこうなった!?
「うむ、これならルウだと誰にもわからん」
「ルウかわいい」
「だねー」
アレサの言うようにわからないとは思うけどさ、フード被るのにこれ必要?
ていうかルカもリーネもなんでそんなに楽しそうなのさ!
「いやー、なかなか似合うじゃない! それじゃルード班は全員フードを被って奴らの集会に紛れ込むわよ」
「ああ。都合よく今日が集会で助かったぜ」
て、ミラやルードはフード被るだけ?
なんで僕だけこんな格好させられているんですかね……?
「……これルウの分」
「うん、ありがとう」
ベオグラードが僕の分のフードを出してくれた。これを被れば少しは恥ずかしさも消えるといいな……。
「……ぽっ」
僕がベオグラードからフードを受け取ると彼の手に触れる。すると何故かベオグラードが頬を赤く染めた。
……うおい。
「集会は今から40分後か。ボチボチ集まってくる頃か?」
「そうね。じゃあ行くわよみんな! サルヴァン達も任せたわよ!」
「ああ、任せておけ。リーネの邪魔はさせねぇよ」
ミラは非常に元気だ。楽しむのはいいけど結構危険な役割なんだけどな……。
一抹の不安を抱えつつ、ルード達と共に僕はフードを目深に被り集会所へと向かった。集会は人質のいる本部で行われるようだ。既にフードを被った怪しい人達がちらほら集まっており、年齢層も様々だ。スラムを中心に勢力を広げているとは聞いていたが予想以上の規模かもしれない。
本部の建物は神殿のような感じで、悪魔信仰とはいえ宗教ぽさがある。騒がしいかと思っていたが、予想に反して皆静かだ。黙々と列に並び、神殿へと入っていく。
僕たちもその列に並ぶ。皆フードを深く被っており顔はあまり見えない。静かに並びながら入っていくことそのものが不気味さを感じさせられる。魅了されているのかと思い、ちょっと鑑定してみたのだが正常だった。
さて、ここから事態がどう動くかな?
先ずは奴らの考えなども聞いておきたいからしばらくは静聴するけどね。
「で、どうやるんだ?」
「うん、人質の救出にはこれを使おうと思ってね」
そう言って僕が収納から取り出したのは蓋付きの箱だ。鉄製なので重量はあるけど運ぶ際は収納魔法でいい。
「ああ、これか。即席休憩箱だっけ?」
「そ。この中は拡大の魔法で結構広く作ってあるんだ。30人くらいなら入るはずだよ」
元々は拡大の魔法の実験に作ったやつなんだけどね。この箱の蓋を開け、中に入ると広い部屋になっているのだ。蓋をして収納魔法にしまうこともできてしまう。そのおかげでわかったんだけど、リーネの収納魔法にも時間経過がなかったのだ。
ちなみに調べ方は中に入って砂時計をひっくり返し、蓋をしてもらって収納するだけ。30分経って取り出しても砂時計は落ち切っていなかったのだ。本来収納魔法ではしまえない生物もこの方法なら収納できてしまう。これも応用範囲が広すぎるし、軍事利用も可能な技術だ。
「なるほど、この重さだと収納魔法で運ぶしかないな。で、どうやって人質の所へ行くんだ?」
「それなんだけどね……?」
僕はその方法を皆に説明した。
「随分まどろっこしい気もするな……」
「念には念を、だよ。失敗は許されないからね」
まどろっこしい、か。確かにそうかもしれない。でも色々な可能性に対応するにはこのやり方がベターだと思うんだよね。
「確かにそうだな。じゃあ先ずはルード達とルウで集会に潜入だな。その後は俺たちの出番となるわけか。ほとんどリーネの仕事になってしまうけど、大丈夫か?」
「うん、できると思う。任せて」
この作戦の肝はリーネだ。他のメンバーはむしろリーネの護衛だね。フィンにも頑張って貰うしかないかな。
「潜入するんだし、変装しないとだな」
「え、いるそれ?」
「いや、ルウは面が割れている可能性があるだろうし、俺達も情報収集とかしていたからな。もしかしたらマークされているかもしれないだろ?」
うーん、確かにその可能性は否定できないなぁ。変に有名になっちゃってはいるんだろうけど、顔までは知られていない気もする。
「変装ねぇ。それならルウの変装は私に任せなさい。絶対にルウだとわからないようにしてあげるから。ルカ、手伝って」
「え? う、うん。じゃあルウはこっち」
ミラがニヤーッとイタズラっぽく笑う。これは絶対にろくでもないこと考えてるな。
「いや、そこまでしなくても……」
「いいから来なさい。アレサ、リーネあんたも手伝って」
「かまわんぞ。ルウ、人の好意に甘えるのも優しさだろ。ほれ」
アレサが僕をひょいと片手で持ち上げる 鍛えているだけあって凄い力だ。で、なんで手助けを女性陣だけに頼むのかな?
なんとなく嫌な予感がしつつも僕は抗うことを許されず隣の部屋へ連れていかれた。
20分後……。僕は恥辱にまみれた格好で皆の前で晒し者になっていた。ああ、笑いものにされるのか……。これなんて罰ゲーム?
「……似合ってんじゃん!」
「お前性別間違えて生まれたんじゃないのか?」
「どう? なかなかの力作でしょ?」
そう、僕はミラ他女性陣の手により女物の服を着せられていた。胸にも少し詰め物までされ、女性用のウィッグを付けて長い黒髪になっている。スカートがスースーして落ち着かないんですけど?
ていうかなんでこうなった!?
「うむ、これならルウだと誰にもわからん」
「ルウかわいい」
「だねー」
アレサの言うようにわからないとは思うけどさ、フード被るのにこれ必要?
ていうかルカもリーネもなんでそんなに楽しそうなのさ!
「いやー、なかなか似合うじゃない! それじゃルード班は全員フードを被って奴らの集会に紛れ込むわよ」
「ああ。都合よく今日が集会で助かったぜ」
て、ミラやルードはフード被るだけ?
なんで僕だけこんな格好させられているんですかね……?
「……これルウの分」
「うん、ありがとう」
ベオグラードが僕の分のフードを出してくれた。これを被れば少しは恥ずかしさも消えるといいな……。
「……ぽっ」
僕がベオグラードからフードを受け取ると彼の手に触れる。すると何故かベオグラードが頬を赤く染めた。
……うおい。
「集会は今から40分後か。ボチボチ集まってくる頃か?」
「そうね。じゃあ行くわよみんな! サルヴァン達も任せたわよ!」
「ああ、任せておけ。リーネの邪魔はさせねぇよ」
ミラは非常に元気だ。楽しむのはいいけど結構危険な役割なんだけどな……。
一抹の不安を抱えつつ、ルード達と共に僕はフードを目深に被り集会所へと向かった。集会は人質のいる本部で行われるようだ。既にフードを被った怪しい人達がちらほら集まっており、年齢層も様々だ。スラムを中心に勢力を広げているとは聞いていたが予想以上の規模かもしれない。
本部の建物は神殿のような感じで、悪魔信仰とはいえ宗教ぽさがある。騒がしいかと思っていたが、予想に反して皆静かだ。黙々と列に並び、神殿へと入っていく。
僕たちもその列に並ぶ。皆フードを深く被っており顔はあまり見えない。静かに並びながら入っていくことそのものが不気味さを感じさせられる。魅了されているのかと思い、ちょっと鑑定してみたのだが正常だった。
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