【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ

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幕間 《アマラの視点》アマラの描く理想の世界

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「そうか、アーカサスは落ちたんだな。まぁ想定内だから気にするな。それよりちょっとその戦力は想定外だぞ」

 玉座に腰掛けた俺はリティスの報告を聞いていた。正直敵は龍炎光牙であいつら以外は大した事ないと思っていたんだがな。

「はい、あれはどう見ても聖霊でした。まさか聖霊達までもが参戦するとは思ってもいませんでしたが、それにしては数が多い気がしましす」
「あはははは。そうか、聖霊か。でも変だね。聖霊ってのは確かに僕らのような悪魔が蔓延るとどこからともなく現れてくるそうだけどね、それでも人間と契約して使役されようなんてそうそう思わないはずだよ」

 リティスの報告を受けニーグリが楽しそうに笑う。リティスの報告によれば人間に使役される多くの聖霊が人間にも攻撃していたらしい。

「そうですね。本来聖霊は人間同士の争いには手を貸しませんし、特別な理由がない限り人間に危害を加えません。そのため戦争の道具にされるとわかって契約するなど考えられないことです」
「なるほどねぇ。で、その聖霊ってのは強いのか?」
「そうですね。個の力でいえば最上位でも伯爵級です。侯爵級になりますと神霊となりますので人間界に現れるにも制限を受けるはずです」

 神霊になると制限を受けるのか。でも俺の配下には侯爵級や公爵級がいるし、俺自身が大公級で俺のバックには魔王がいる。俺等には制限なんてないよな?

「へーっ。ニーグリ、お前は制限とか受けないのか?」
「ないよ。僕はこっちの世界で生まれたからね。勘違いしてるようだけど、制限を受けるのはこの人間界への出現だけでね。本来悪魔たちの住む魔界から人間界に出る場合は爵位が高いほど難しいんだ。魔界には僕以外にも魔王がいるらしいけど、呼び出すなんて僕の力を持ってしても難しいかな」

 ニーグリがたはは、と苦笑いする。いや、別に他の魔王なんか呼び出されても困るんだが。俺に好意的なニーグリならともかく、仮にも魔王が俺の配下になるなんてことはあり得ないだろう。無駄に敵対勢力を作る気はねぇよ。

「ああ、なるほど。だからクリフォトの木が必要なのか。ところでニーグリ。なんでお前そんな博識なん? 年齢なんて一桁だろ」
「魔王になったからね。魔王にはこの世界の記憶にアクセスする権限があるんだ。アカシック・レコードっていうんだけどね。誰が管理しているのかは教えられないけど、僕はどうやら魔界のどの魔王よりも格上みたいだよ」

 うーん、知らん単語がたくさんだ。アクセスってなんだ?
 世界の記憶を管理するアカシックレコード?
 話が大きすぎるんだが。まぁ、知らなくてもいいことのようだし、とにかくニーグリが物知りで最強なのは理解した。

「それで、確かライミスだったか。そいつらはいたのか?」
「いえ、確認していません。少なくとも戦場にはいなかったと思います」

 いたのは龍炎光牙の奴らだけか。まぁ、聖霊も味方につけているようだし戦力は十分と思ったのかもしれんな。確かに大勢の聖霊がいたんじゃ魔神クラスの悪魔じゃないと太刀打ちできんよな。

「よし、じゃあドレカヴァクとビルドの奴には悪魔や魔物達を引き連れさせてアプールの街を攻めさせろ」
「いいのかい? 君の過ごしてきた街なんだろ?」

 ニーグリが真顔で聞いてきた。そんなに意外か?
 別に皆殺しにしなきゃいいだけだろ。如何に勇者といえど公爵級悪魔2体に勝てるわけがない。それどころか余裕だろ。

「苦い記憶の多い街だからな。別にかまやしねぇよ。降伏条件はクリフォト教への改宗と属国となることだな」

 最初に降伏条件を伝えてやるなんて俺はなんて優しいんだろうか。エストガレスを属国にしたら貴族は全員俺に忠誠を誓った人魔のみにしてやるぜ。そいつ等なら不正もしないしクソみたいな世の中をもっとよくできるはずだ。このニーグリンドのようにな。

「王族どもはどうするんだい?」
「俺に忠誠を誓い人魔になるなら処刑は勘弁してやるさ。そのときには国民の眼の前で俺の前に跪かせ、その頭をグリグリ踏んづけてやるけどな」

 王といえば俺の大キライだった貴族の頂点だからな。その時にかつて俺を蔑んでいたエストガレスの貴族どもがどんな顔を見せてくれるのか楽しみだぜ。

「素敵ですわ、アマラ様」

 リティスがうっとりと上気した顔を見せる。唇をぺろりと舐め、どこか煽情的だ。リティスは淫魔の系譜だから尚更だな。

「ふふん、そうだろそうだろ。エストガレスもニーグリンドのように生まれ変われば人間にとっても楽園になるはずだ。俺はこの世界の帝王となり、千年帝国を築く。そうすれば世界中の人間が俺をもてはやすのだ!」

 そう、そのためなら喜んで善政を敷いてやる。私腹を肥やすよりもちやほやされる方が気持ちいいからな。それに王となった俺は私腹など肥やさなくても大金持ちだ。無から金だって生み出せるから不正をする必要すらない。だから税金だって安いぞ。

 ふふん、アーカサスの砦を占領したあいつらも俺がどれだけ素晴らしい善政を敷いているか知れば俺の偉大さを理解するだろう。人間では到底なし得ない楽園だからな。

 だが砦だけじゃ俺の偉大さを知るには足りんかもしれん。次は恐らくそこから一番近いメレーズの街を攻めるだろう。そういやちょうどいいおもちゃがあったな。伝説の存在だし奴らの力量を測るにはちょうどいいかもしれん。ま、恐らくあいつらが勝つだろうし、その後は降伏するよう伝えて占領させるか。

 そして国民の危機感を煽ったところでこの俺が登場。奴らを蹴散らせば国民はますます俺を称えるだろう。そして龍炎光牙の奴らに言ってやるのだ。俺のほうがお前等よりずっと凄いんだぞ、と。

「ふふっ、そうだね。今やニーグリンドにはストリートチルドレンはいない。彼等を育む施設もあるし飢えることもない。支配階級である人魔や悪魔達だって生活を支えているし景気も悪くない。孤児でさえも安心して生きていける国なんて他にないよね」

 どうだ、魔王たるニーグリでさえも俺を褒めているじゃないか。餓死者を出すことのない国なんて神様に作れるか?

 だが悪魔にはできた。この国の人間は俺達人魔と悪魔に支配されることによって楽園を手に入れることができたんだ。

 俺は正しい。俺こそが正義だ!
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