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第166話 人魔王妃(予定)ナーラ2
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数多の黒き閃光がナーラを飲み込む。普通の存在であれば生き残ることなど到底あり得ないはずだ。
しかし閃光の過ぎ去った後、ナーラは勝ち誇ったような表情で宙に浮かんでいた。
「ふむ、なかなかの威力じゃったが妾には効かなかったようじゃの。悪魔の公爵たる妾に人間風情の闇魔法が効くと思うてか!」
「そうだねぇ、まさかこうも効かないとは思わなかったよ。じゃあこれはどうかな? 龍炎!」
立て続けにリーネが魔法を行使する。十を超える魔法陣から龍を象った炎が現れナーラめがけて襲いかかった。
「舐めるな!」
ナーラは襲いかかる炎の龍を大きく避けては剣で打ち払っていく。剣はどす黒い魔力を帯びており、何度か打ち払い炎の龍を消滅させていった。しかし炎の龍の数が多く捌くのに苦労しているようだ。
「まだまだいくよ、龍炎!」
追加でさらに倍の数の炎の龍を生み出しナーラを追い詰めていく。ちょっと魔力使いすぎかな、魔力を回復させておこう。
「リーネ、遊びすぎ。回復」
「へへっ、ありがと。ついでに審判も付与して」
「おっけー。次のやつに付与するよ」
あわよくばこれで決められたらいいけど。さすがに望みすぎかな?
「龍炎!」
「付与、審判、強化」
残りは拡大解釈による無声発動でリーネの生み出した二十程の炎の龍全てに審判を付与する。龍は金色の炎を纏いナーラを襲った。先程よりも大きく速い龍だ。上手く行けば仕留められるかもしれない。
「なかなかえげつないなあれ」
「あらゆる方向から一撃必殺の炎が飛んでくるからな。一発喰らえば残り全て喰らうことになる。そうなれば公爵級悪魔であろうと無傷では済まんだろうな」
サルヴァンとアレサはのんびりその様子を眺めていた。普通の魔導士の龍炎だとナーラは痛痒すら覚えないだろうけど、リーネの魔力は人外の領域だ。威力の桁が違う。
そしてついにうち一匹の炎の龍を捌き切れずその顎にナーラが呑み込まれた。そこにまた一匹、また一匹といった具合いに炎の龍が咬み付いた。そしてナーラは金色の炎に包まれる。
「ぬおおおおおっ!!」
ナーラが雄叫びを上げると金色の炎は弾け飛び、その姿を見せる。空にいるせいで確認しきれないが、すぐに動かないところを見るとダメージはあったのかな?
「うわっ、耐えられちゃった。ちょっとショックかも」
リーネはこれで決めるつもりだったのね。侯爵級なら滅ぼせたと思うけど、さすが公爵級といったところか。
ナーラはゆっくりと地上に降り始める。こちらの予定通り地上戦に応じてくれるらしい。空中戦でもいいんだけど、剣を扱うなら踏みしめる大地がないと威力が落ちるからありがたいね。
「さっきの攻撃はなかなか効いたぞ。褒めて遣わす。正直ナメておったわ」
「ふむ、今までは本気じゃなかった、ということか。ならば本気を見せてもらいたいものだな」
ナーラの怪我はそれほど大したことはないようだ。装着している胸甲もすす汚れはあるが変形すらしていない。剥き出しの二の腕もきれいなものだ。もしかしてノーダメというやつだろうか?
「公爵級魔神の力、見せてやろうぞ。まとめてかかってくるがいい!」
ナーラから黒い魔力が溢れ出し、黒い鉄のような球体が無数に出現する。効果はわからないが闇属性なのは間違いないだろう。
「リーネ闇膜を全員に」
「うん、闇膜……」
リーネが僕の指示に従い全員に闇系防護魔法をかける。さらにそれを僕が強化して効果を増大させた。この膜は物理的な防御力のみならず闇属性エネルギーを大幅に軽減させる効果を持つ。
「これは従闇という魔法でのう。妾の使うものは他とは一味違うぞ?」
ナーラがニヤリと笑う。
その刹那。
闇の球体が変形し、無数の細い針となって僕らを襲った。
「くっ!」
一瞬のことで防壁を使う間もなく、反射的に横に飛んだ。完全な回避とはいかず無数の針が頬をかすめ、一本が脇腹に突き刺さる。闇膜を貫通したのか!?
激痛に顔を歪ませつつも破壊で針を叩き折る。そして横向きに倒れた僕にまたも針が襲った。それは運良く狙いが外れていたが、かなり危なかったかもしれない。
僕は急いで起き上がると針を引き抜く。脇腹の穴こそ小さいが、内蔵を貫いていたら命に関わるところだ。抜いた箇所から血が滲み出したのですぐに回復で傷を塞ぐ。傷が塞がっても暫くは痛いのが難点でこれは根性で堪えるしかない。
周りを見てみるとリーネはサルヴァンが庇ってくれたようで無傷。そのサルヴァンも硬質化のスキルのおかげか身体に刺さるはずの針が全て折れてしまっていた。
アレサに至っては迫ってきた針を残らず叩き斬ってしまったようだ。どんな反応速度してんだか。
「ほほう、なんとか凌いだようじゃな。今のは小手調べなんじゃが避け切れなかった者もおるようじゃな?」
ナーラは僕をチラリと見るとふふん、と口を歪ませた。確かに予想以上に速くて避け損なったのは事実だ。だが次は避けて見せる!
「だがその程度じゃ俺は貫けなかったようだぞ? ルウ、ここは俺に任せろ。悪魔がナターシャ様と同じ姿っていうのは見ていて気分が悪い」
「当然じゃろう? 妾はそのナターシャと同じ姿になるようニーグリ様によって生み出されたのじゃからな」
「そうかい、いい趣味してんな!」
サルヴァンが一気に間合いを詰める。ここはサルヴァンの硬質化のスキルを強化だ!
「……阿呆が」
そして無数の針がサルヴァンを襲った。
しかし閃光の過ぎ去った後、ナーラは勝ち誇ったような表情で宙に浮かんでいた。
「ふむ、なかなかの威力じゃったが妾には効かなかったようじゃの。悪魔の公爵たる妾に人間風情の闇魔法が効くと思うてか!」
「そうだねぇ、まさかこうも効かないとは思わなかったよ。じゃあこれはどうかな? 龍炎!」
立て続けにリーネが魔法を行使する。十を超える魔法陣から龍を象った炎が現れナーラめがけて襲いかかった。
「舐めるな!」
ナーラは襲いかかる炎の龍を大きく避けては剣で打ち払っていく。剣はどす黒い魔力を帯びており、何度か打ち払い炎の龍を消滅させていった。しかし炎の龍の数が多く捌くのに苦労しているようだ。
「まだまだいくよ、龍炎!」
追加でさらに倍の数の炎の龍を生み出しナーラを追い詰めていく。ちょっと魔力使いすぎかな、魔力を回復させておこう。
「リーネ、遊びすぎ。回復」
「へへっ、ありがと。ついでに審判も付与して」
「おっけー。次のやつに付与するよ」
あわよくばこれで決められたらいいけど。さすがに望みすぎかな?
「龍炎!」
「付与、審判、強化」
残りは拡大解釈による無声発動でリーネの生み出した二十程の炎の龍全てに審判を付与する。龍は金色の炎を纏いナーラを襲った。先程よりも大きく速い龍だ。上手く行けば仕留められるかもしれない。
「なかなかえげつないなあれ」
「あらゆる方向から一撃必殺の炎が飛んでくるからな。一発喰らえば残り全て喰らうことになる。そうなれば公爵級悪魔であろうと無傷では済まんだろうな」
サルヴァンとアレサはのんびりその様子を眺めていた。普通の魔導士の龍炎だとナーラは痛痒すら覚えないだろうけど、リーネの魔力は人外の領域だ。威力の桁が違う。
そしてついにうち一匹の炎の龍を捌き切れずその顎にナーラが呑み込まれた。そこにまた一匹、また一匹といった具合いに炎の龍が咬み付いた。そしてナーラは金色の炎に包まれる。
「ぬおおおおおっ!!」
ナーラが雄叫びを上げると金色の炎は弾け飛び、その姿を見せる。空にいるせいで確認しきれないが、すぐに動かないところを見るとダメージはあったのかな?
「うわっ、耐えられちゃった。ちょっとショックかも」
リーネはこれで決めるつもりだったのね。侯爵級なら滅ぼせたと思うけど、さすが公爵級といったところか。
ナーラはゆっくりと地上に降り始める。こちらの予定通り地上戦に応じてくれるらしい。空中戦でもいいんだけど、剣を扱うなら踏みしめる大地がないと威力が落ちるからありがたいね。
「さっきの攻撃はなかなか効いたぞ。褒めて遣わす。正直ナメておったわ」
「ふむ、今までは本気じゃなかった、ということか。ならば本気を見せてもらいたいものだな」
ナーラの怪我はそれほど大したことはないようだ。装着している胸甲もすす汚れはあるが変形すらしていない。剥き出しの二の腕もきれいなものだ。もしかしてノーダメというやつだろうか?
「公爵級魔神の力、見せてやろうぞ。まとめてかかってくるがいい!」
ナーラから黒い魔力が溢れ出し、黒い鉄のような球体が無数に出現する。効果はわからないが闇属性なのは間違いないだろう。
「リーネ闇膜を全員に」
「うん、闇膜……」
リーネが僕の指示に従い全員に闇系防護魔法をかける。さらにそれを僕が強化して効果を増大させた。この膜は物理的な防御力のみならず闇属性エネルギーを大幅に軽減させる効果を持つ。
「これは従闇という魔法でのう。妾の使うものは他とは一味違うぞ?」
ナーラがニヤリと笑う。
その刹那。
闇の球体が変形し、無数の細い針となって僕らを襲った。
「くっ!」
一瞬のことで防壁を使う間もなく、反射的に横に飛んだ。完全な回避とはいかず無数の針が頬をかすめ、一本が脇腹に突き刺さる。闇膜を貫通したのか!?
激痛に顔を歪ませつつも破壊で針を叩き折る。そして横向きに倒れた僕にまたも針が襲った。それは運良く狙いが外れていたが、かなり危なかったかもしれない。
僕は急いで起き上がると針を引き抜く。脇腹の穴こそ小さいが、内蔵を貫いていたら命に関わるところだ。抜いた箇所から血が滲み出したのですぐに回復で傷を塞ぐ。傷が塞がっても暫くは痛いのが難点でこれは根性で堪えるしかない。
周りを見てみるとリーネはサルヴァンが庇ってくれたようで無傷。そのサルヴァンも硬質化のスキルのおかげか身体に刺さるはずの針が全て折れてしまっていた。
アレサに至っては迫ってきた針を残らず叩き斬ってしまったようだ。どんな反応速度してんだか。
「ほほう、なんとか凌いだようじゃな。今のは小手調べなんじゃが避け切れなかった者もおるようじゃな?」
ナーラは僕をチラリと見るとふふん、と口を歪ませた。確かに予想以上に速くて避け損なったのは事実だ。だが次は避けて見せる!
「だがその程度じゃ俺は貫けなかったようだぞ? ルウ、ここは俺に任せろ。悪魔がナターシャ様と同じ姿っていうのは見ていて気分が悪い」
「当然じゃろう? 妾はそのナターシャと同じ姿になるようニーグリ様によって生み出されたのじゃからな」
「そうかい、いい趣味してんな!」
サルヴァンが一気に間合いを詰める。ここはサルヴァンの硬質化のスキルを強化だ!
「……阿呆が」
そして無数の針がサルヴァンを襲った。
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